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中国の書店にて(1): 「会」って何?

年末に上海を再訪したとき、絶対に行きたかったところの1つが書店でした。
前回(2005年)行ったとき以来、中国の翻訳児童文学事情に変化があったかどうかを、調査(!)してみたかったのです。我ながらなんという物好きなのだろう・・・。

今日はその第一弾。

中国の書店の児童書コーナーで大きなスペースを占めているのは「格林童話」、つまりグリム童話。
もちろんアンデルセン童話も。漢字は忘れたけど。
他に「秘密花園」。わかりやすいでしょ。
「小王子」もたくさんありました。「小さい王子」=「リトル・プリンス」つまり「小公子」、、、じゃなくて、「ル・プティ・プランス」のほう。内藤濯が「星の王子さま」と訳した、あれです。

中国の書店にて(1): 「会」って何?_c0025724_2117572.jpg

そんな中で見つけたランサマイト好みの1冊。「飛ぶ教室」です。
ケストナーの作品としては、他に「5月35日」とか「動物会議」などもあったのに、「エミールと探偵たち」が見当たらなかったのが不思議。

それにしても、この書名の最初の「会」という文字は何を意味するのでしょう?
「飛ぶ教室で会いましょう」?


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「中国の書店にて」シリーズ
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by foggykaoru | 2010-01-14 21:10 | 児童書関連 | Trackback | Comments(9)

Commented by silverspoonsjp at 2010-01-14 21:38
上海にいらしてたのですね。5月過ぎたらスゴイことになりそうだから、今のうちに行きたいけど…。

>最初の「会」という文字
これは「~できる」という意味の言葉です。(英語のcanみたいなもの)。言葉の並び順からみて、「教室自体が飛ぶことができる」という意味になります。

「飛ぶ教室」と「飛べる教室」じゃ、日本語としたらかなりイメージ違いますよね。
Commented by AngRophile at 2010-01-15 10:52 x
「できる」には「会」と「能」とあって、状況的にできるのが前者、能力があるのが後者です。
「わたしは泳げますが、今は冬なので泳げない」みたいな使い分け。
ドロシーの家が竜巻で飛んじゃったのも「会」かな?
Commented by silverspoonsjp at 2010-01-16 00:52
横道にそれちゃってすみません。でも、「へえ、そうなんですね」で話が終わるともったいないので、ちょっと付け足させてください。

「会」と「能」の使い分けは難しいですね。状況、能力とは言い切れないと思います。

中国語の話し言葉は割合重複を嫌うので、先に「私は中国語は読めますが」で能を使い、「でも話せません」に会を使う、ということは頻繁にあります。
次に続く言葉によって使い分けるときも多いです。言葉のリズムの関係もあります。「能说会道」(よく話せ、よくしゃべれる=口が達者だ)って言いますよね。

他に、言外のニュアンスが関係してくるときもあります。
「あなた、明日来られる?」
で「能」を使えば普通の表現ですが「会」で言われたら、なんかイジワルだなーと私なら思っちゃいます(どうせ来ないでしょうけどねーというニュアンスを感じる)。

ちなみに、挙げてらっしゃる泳ぐの例でいうと、私なら前の文は「能」を使い、「冬なので」の文は「不能」でなく「不想」を使うと思います(後ろの文の主語を変えれば別ですが「私」のままならば)。
Commented by foggykaoru at 2010-01-16 19:32
銀の匙さん、あんぐろふぁいるさん。
ご教授ありがとうございます。
「会」と「能」の使い分けは奥深いのですねえ。。。
ところで「飛ぶ教室」の原題を調べてみたら「Das fliegende Klassenzimmer」= 「The Flying Classroom」
別にどこにも「できる」は無いので、「飛ぶ教室」でいいのです。
中国人的には「できる」を入れたくなるんですね。不思議。
Commented by AngRophile at 2010-01-18 12:42 x
中国語の知識レベルはかなり低いので勉強になりました。

またまた、横道ですが、タイトルは「さまよえるオランダ人」と関係あるんでしょうか。
Commented by foggykaoru at 2010-01-18 21:02
あんぐろふぁいるさん。
「飛ぶ教室」は「さまよえる教室」? 
まるで亡霊みたい。
「漂流教室」という恐怖マンガもありましたっけ。。。
KLMのマイレージクラブは「Flying Dutchman」というのです(苦笑)
Commented by AngRophile at 2010-01-19 10:42 x
「さまよえるオランダ人」も原題は Der fliegende Hollaender なんです。fliegen が一緒。「さまよえる」と訳したのはなぜなんだろう。
Commented by foggykaoru at 2010-01-19 21:21
あんぐろふぁいるさん。
「飛ぶ教室」はかっこいいけど、「飛ぶオランダ人」はシュールですね。
今、私の頭の中には、背の高いオランダ人たちが空をぴゅんぴゅん飛んでいます。。。(爆)
Commented by leirani@crann at 2010-01-21 20:35 x
スミマセン、なおかつ私のなかでは、その空飛ぶオランダ人はワインをぐい飲みしています・・・

これは、江戸時代の古伊万里(陶器)に、酒樽の上に座ってワインをぐいのみしているオランダ人のデザインの酒瓶があって、その顔がなんともおかしいのです。有名な骨董美術品です。
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