旅行者の朝食

故米原万里さんの飲食物蘊蓄エッセイ。
そう、面白い蘊蓄がたくさんある。
オチもうまいし。
でも読んだはしから忘れてしまうんだよね(涙)

とりあえず、今覚えていることを書いておく。

著者が子どもの頃に食べてその美味しさに感激したというトルコ蜜飴(ハルヴァ)の項に、ターキッシュ・ディライトのことが出てくる。「あれはイギリス人でさえ、まずいと思うらしいよ」と米原さんの知人は語ったそうだが、そんなにまずいと思っているんだったら、なぜあんなにたくさん売っているのだろう??? (ターキッシュ・ディライトの写真はこちらでご覧になれます。)

ロシアのパンは黒くて酸っぱいのだそうだ。ロシア人はこれがないと生きていけないらしい。カトリックと正教が分かれたのは、ローマ教会が「ミサのときのパンは酸味のないパンを使う」と取り決めたせいなのだそうだ。

英米が世界を席巻しているのは食べ物のせいではないか。本国の食べ物がおいしかったら、長いこと外国での生活を我慢できないから。
これはあるんじゃないかと思う。
フランスもイギリスに負けじと海外進出したけれど、イギリスに今一歩及ばなかった、それは食べ物を含めて自国が良すぎるせいなのではないか、、と常々私は思っている。
「イギリスやアメリカの料理が美味しくなったら、世界がもっと平和になるかも」という米原さんのオチは、ジョークと言えないような気がするんだけど。

あと、氷点下53度の厳冬のロシアでの釣りの話。
川の氷に穴をあけて釣るのだけれど、あけた穴が見る見るうちに凍っていくのだと!
釣りあげた魚は空中でビクビクと2回身を震わせるが、3回目には冷凍魚になるのだと!

ちなみに、表題になっている「旅行者の朝食」とは、旧ソ連にあった缶詰め。まずくて有名だった。
そういうものを改善しようなんてこれっぽっちも思わずに延々と生産し続け、ただジョークのネタとして使うことにだけ頭を使っていたのがロシア人なのだそうだ。
旅客の便宜をこれっぽっちも考えていないモスクワ空港の混乱について、友人が「改善しようなんて人は外国に行ってしまって、ロシアに残っていない」と言っていたことを思い出した。あれから数年、少しは改善されたのかどうか、試してみようかなんて一瞬でも思う私はあまりにも物好きだ。


この本に関する情報はこちら
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by foggykaoru | 2010-04-02 21:48 | エッセイ | Trackback | Comments(10)

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Commented by ふるき at 2010-04-02 22:54 x
 トランジットで空港からホテルに向かっている途中にクレムリンの前に立っていた。ビザないのに。
 こんなの今はあるのかしら?

 中華料理は美味しいはずなのに世界中に華僑が進出しているのは何故?と思いましたが、彼らは「中華街」を作ってしまうので食文化は世界中どこでも中華料理なのですね。
Commented by hajjikko at 2010-04-03 00:11
トルコ行きのモスクワ(SVO)でのトランジットは、
行きも帰りも 山手線なみの渋滞で、息もたえだえ・・・
最終1列の荷物検査ゲートにむけて四方八方から無茶苦茶に・・・

このトランジットゲートくぐるだけで、
どっちも1時間くらいかかって、 行きは5時間余裕あったけど、
帰りは1時間半 ...あせって大変。。。結局、出発遅れたけどね。。。

ターキッシュディライト、湿っけないようにジップロックにいれて
冷蔵庫に入ってる。。。でも、あと6粒くらい。。。
はじめはバクバク食べてるんだけど、なくなりそうになると、
今日は見るだけぇ、とか、食べずにしまう。。。(笑)

まぁ、でも、あと2〜3日の命だな。。。(gahaha)
Commented by むっつり at 2010-04-03 06:33 x
ソ連って計画経済でしたから
生産量をお役人が決めるので、労働者はノルマを達成するだけ
品質は問われません
兵器は存亡にかかわるので、ある程度の水準を維持していましたが、民生品に至っては…
マクドナルドがモスクワに開店した時に、こんな「美味しいレストランが出来たなんて!」と感嘆させたと言いますから
ピロシキの国なのに、あのアメリカのハンバーガーを美味しいと言わせたのですから「計画経済」の実態が知らしめてくれる話です
Commented by foggykaoru at 2010-04-03 21:15
ふるきさん。
ビザなしでクレムリンに行った! それは良いことをなさいました!!

中国は昔から「棄民」の国なんですって。
昔から貧富の差がむちゃくちゃ大きくて、大多数は農奴。
だから、もっと良い暮らしをするために、どんどん海を渡ってしまう。
料理という武器だけを頼りに。

フランスは料理「だけ」ではなくて、料理を「はじめとして」、適度な豊かさがある国なのではないかなあと思うのですが。
Commented by foggykaoru at 2010-04-03 21:16
hajikkoさん。
モスクワでのトランジットはネタになりますよね(笑)
ターキッシュ・ディライト、パクパク食べちゃうんですか?! 
お好きなんですか?!
Commented by foggykaoru at 2010-04-03 21:20
むっつりさん。
ロシア人は旧ソ連の共産主義のもとでそういう性格になったのか、それとももともとそうだったのか、米原さんの本を読む限りでは判然としません(笑)
マクドナルド1号店ができたとき、モスクワっ子は「美味しい!このソースがいい!」と大喜びしていたんですよね。
ニュースを観て、「あの味に感動するなんて、ふだん何を食べているのか!」と唖然としたことを、今もはっきり覚えています。
Commented by KIKI at 2010-04-04 14:36 x
私は酸っぱい黒パン好きです。
酸っぱいパンが原因で宗教が分かれたって本当ですか!?ジョークだとは思いますが(^-^;) この理由の方が面白いけど。
Commented by foggykaoru at 2010-04-05 20:45
KIKIさん。
今読みなおしたんですが、ジョークではないみたい。
もちろんそれ以外にも理由はあったけど、パンは非常に重要なポイントだったみたいですよ。
Commented by tabinekophoto at 2010-04-07 15:01
このエッセイは面白いですよね。旅行好きの人との会話にはよく登場する1冊です。

ふるきさんのレスにある、トランジットの際に少し払えばビザなしでもクレムリンに連れてってくれるというのは聞いたことがあります。友人が90年代前半頃に体験したと言ってました。
今はどうなんでしょうね…。私は空港ベンチ泊でしたのでわかりません(爆)。

あと、酸っぱい黒パンを腐ったパンだと思って、アエロフロートの機内食はパンが腐っていたとご立腹の人をどこかで見かけたことがあります。
私はKIKIさんと同じで、酸っぱい黒パン好きです。

マクドナルドについては、日本の1号店が出来た時もきっとそんな感じだったのでは?と思いますが、どうなのでしょう。
ああいうお店が上陸した時に真っ先に行くのは、舶来ものを面白がる、あるいはありがたがるタイプの人でしょうし。
Commented by foggykaoru at 2010-04-08 20:56
旅する猫さん。
なぜか私の周りには空港ベンチ泊したことがある人が多いような気がする・・・(笑)
マクドナルドは確かに銀座一号店のとき、大騒ぎになりました。
小さかったからよく覚えていないけれど、大人気ではあっても、「味がいい」と感動したという話は聞かなかったような気がします。。

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