虞美人草
2010年 12月 08日
普通(今の眼で見て普通)の文体と、漢文調の文体が交互に出てきて、漢文調のところは、うーんめんどくさいなーなんとかしてよという気分になる私は、日本語の素養がぜんぜん足りませぬ。こんなことじゃ日本語は亡びますね。水村さんが嘆くのももっともだ。
あらすじは高校の文学史で習っているから、おおこうなるのかびっくり!という展開にはならないのだけれど、面白く読ませるのはやっぱり文豪の腕の確かさなのか?
正直、100年前の日本に異文化を感じて楽しんでいるような気がする。
特に男女関係。この程度のことで思い詰めるなよって。
小説の中でも英国の悪口を言ってる漱石、なんだかカワイイ。
確か漱石は、後年この作品を忌み嫌ったと教わったような。
その気持ちはわかる。肩に力が入りすぎているし、こんなにテキトーに読んだ私にすら、欠点がわかるし。
でも面白かったです。「三四郎」のほうが好きだけど。
by foggykaoru | 2010-12-08 21:30 | 普通の小説 | Trackback | Comments(6)
確かに貧富の差は激しかったですけれど、名士は為すべき義務がある事を自覚していた時代
大正に入って、義務感もなく欲望と浪費だけの成金の時代なりましたが…
私の祖父も書生上がり。
父親を早く亡くし、東京の知人の世話になって大学まで行かせてもらったそうな。
で、妻である祖母はそのことを恥じていたんです。
「みどころがある」と思われたんだから、むしろ誇るべきことだと思うんですけどね。。。
「それから」は読んだことはありますか。
あとすこしで深い仲になれるのに
躊躇するという夏目漱石、お得意の世界の小説です。
そんなことより本当にいいたいことは何?
という意味で
それから
と女性から男性が詰問されるけれども
怖気づくという小説です。
夏目漱石はいうまでもなく文豪ですが
とてもやわらかい
今に通じるタッチが
本当に面白いと思います。
リンクさせていただきました。どうぞご了解下さい。
漱石は若い時「三四郎」をいたく気に入り、「行人」を読みかけて嫌になり、「これは中年になるまで無理して読むことはない」と決めてしまいました。
もうとっくに中年になってるんだけど(苦笑)
もうそろそろ「それから」も読んでみましょうか。