大聖堂

先週から毎週土曜日の夜10時、NHKのBShで放映されているドラマ「大聖堂」。
原作本がめちゃくちゃ面白いということを聞いていたのですが、時間切れで初回を未読のまま観ました。

そしたら、ぬあんと舞台がスティーヴンvs.モードの王位争いの時代、つまり「修道士カドフェル」の時代ではありませんか! このへんの数十年間は、英仏史のキモ、私のツボであります。
そして主要人物の中に、「グイネズのフィリップ」なんてのがいる。「グイネズ」といえば、「灰色の王」の舞台ではありませんか!!

読まずにいたことを後悔し、熱帯雨林でぽちっとな。そして2日で読み終えました。上中下の3巻×600ページを。まあ、雪に降りこめられた建国記念日がありましたからね。

友人が「後半はジェットコースターみたいなのよ」と言っていたとおりでした。
上巻は落ち着いて「ん!まっ、こんなもんでしょ」という感じだったのですが、中巻後半あたりから、後が気になってやめられなくなり、下巻になるとものすごいスピードで次から次へと、ありとあらゆることが起こる。
久しぶりに本のせいで乗り越しました(苦笑)

気楽に読めるエンターテインメントです。
西洋史好きには超お薦め。
歴史がそれほど好きでなくても、ストーリーの勢いで読めると思います。
気楽に読める最大の理由の1つは、「視点」。
場面によって、視点が違うんです。ある場面は人物Aの視点から描かれていて、次の場面は人物Bの視点から描かれている。だから、多くの登場人物の心の中がわかる。だから読みやすい。だから(ドキドキハラハラな場面が多いわりに)安心して読める。

そのかわりにミステリアスな要素はほとんどありません。
そういう意味においては、先日読んだ「本格小説」のほうが面白いと言えます。

登場人物が「良い人」「悪い人」に大別できるということも、わかりやすさを助けています。
そして、徹頭徹尾悪い奴がいます。
でも、「良い人」の中に完全無欠のヒーローはいない。その点を私は買います。

テレビドラマはお茶の間で観るから、男女間のあんなこととか、こんなことは、ごくあっさりと流すのでしょうね。初回では、そういう場面は完全にカットしてました。なんかちょっとあれは不自然だと思ったのよ。

そう言えば、トム役の俳優、どこかで見たことがあるような、と思ってたらルーファス・シーウェルでした。映画「ロック・ユー」で敵役アデマーを演じてた人。変われば変わるものです。さすが俳優。

この本に関する情報はこちら

テレビドラマの公式サイトはこちら

原作者ケン・フォレットの公式サイトはこちら
「大聖堂」の舞台について、書かれています。








正直、ジェットコースターはいくらなんでも速すぎると思いました。
下巻のフランス&スペインよりも、上巻のイングランドの森のほうが広く感じられるってのは、いかがなものなのでしょうか・・・。

なんとなく、「指輪物語」を思い出しました。
「旅の仲間(上)」ののろさに眠くなり、「二つの塔」以降、速くなってほっとする。その変化の度合いを思い出したのです。
でも、「大聖堂」の場合は、「指輪物語」とは逆に、上巻の森の描写のテンポはちょうどいい。
下巻のサンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼が、まるで超特急の乗りもので行ったみたいです。・・・そうか、TGVで行ったのか!(核爆)

トゥールのサン・マルタン教会は、そんなに由緒ある建築だったのか・・・。
パリのサン・ドニ教会も。あそこはフランス王室の人々が眠る教会として有名で、どれがどの王様の寝棺なのかということを確認して回るのに夢中だったけれど、再訪して建築をしっかり見てみようかな。
ネットで調べたら、シュジェール修道院長という人は大物だったのですね。
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by foggykaoru | 2011-02-12 20:15 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(16)

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Commented by ラッコ庵 at 2011-02-12 22:13 x
「カドフェル」シリーズに続けて読んだので、背景がよくわかりました(あ、この人知ってる!みたいな(^^ゞ)
ただ暴力描写がしつこいのがちょっと・・・
テレビの方がいいかもしれませんね。
Commented by foggykaoru at 2011-02-13 11:30
ラッコ庵さん。
確かに。
暴力シーンとラブ(とは限らないけど)シーンがね。。。
まあ、あの時代は現代よりもはるかに暴力的だったのだろうなとは思うのですが。

アリエナが襲われるシーンはどうしたってやらざるを得ないと思っていたのですが、トムとエリン(エレン)のシーンが原作並みに濃厚でびっくりしました。
Commented by がんだるふ at 2011-02-13 14:35 x
ご無沙汰しております。
『大聖堂』のCM目撃して、観たい!観たい!騒いでるんですが、BS...(涙目)
あれ、ルーファス・シーウェルが演ってるんですね!ますます観たい!
彼といえばハリウッド版『トリスタン』のマルク王でもありますね〜
原作未読なのでそちらを読みつつ地上波に来るのを気長に待ちます...
Commented by foggykaoru at 2011-02-13 21:13
がんだるふさん。
「大聖堂」は観てから読むほうがいいのかも・・・と昨日第二回目を観て思いました。。。改変がすごいんだもん。

彼はマルク王もやってるんですか! 
コスチュームプレイが得意な役者なんですね。
日本でいえば松平健?(核爆)
Commented by M at 2011-02-14 14:56 x
はじめまして。先日から時々ロムらせて頂いておりました。
深い洞察と切り口に感銘を受けていますm(_ _)m
児玉清さんの『大聖堂』特番を観て以来放送を楽しみにしていました。しかもルーファス・シーウェル好きなので、本当にひさびさの敵役じゃない主役に感涙です(T_T)
600ページを3日で…ですか。ドラマを観たら原作は読まなくてもいいかな?と思っていましたがこれはやっぱり読んでみたいです。
Commented by foggykaoru at 2011-02-14 21:12
Mさん。
ようこそ!
えっ、えっ、そんな深くないです・・・(汗)
ルーファス・シーウェルってやっぱり敵役が多いんですか? 私は「ロック・ユー」でしか知らないので。

「大聖堂」は読んでから観るより、観てから読んだほうがいいような気がします。
先に読むと改変が気になってしまうから。

私は夢中になるとすさまじい斜め読みになるんです。
だから読み終えてからもう1度あちこち読み直してみて、ようやくきちんとわかるようになるんです(苦笑)
Commented by AngRophile at 2011-02-15 12:59 x
イギリス小説が大好き、大河小説も大好きな小生ですが、「大聖堂」はいただけませんでした。児玉清も、ブログでも、絶賛している人が多いので、続巻刊行と同時にSB文庫が山積みになっているのを発見して即買いしたんですけどね。

登場人物の誰にも肩入れできなかったんです。
人間は複雑ですから、完全にいい人も悪い人もいないかもしれないし、状況に応じて普段と違う行動を取る場合もあるかもしれない。でも、「大聖堂」の登場人物は一貫性がないように感じました。「こういう性格の人はこんな行動は取らないだろう」みたいな感じです。おかげで続刊は読んでいません。
Commented by foggykaoru at 2011-02-15 20:15
あんぐろふぁいるさん。
いちばん一貫性があるのはウィリアムだったりして?(爆)
まっ、小説の出来としては、「本格小説」のほうが上だとは思います。(←しつこい・自爆)

あんぐろふぁいるさんには「のだめカンタービレ」の原作を強くお薦めします。ドラマはお好きでなかったようですが、あの作品の人間の描き方には説得力がありますよ。しかも、オケをよくご存知だから、「この曲のここを描くのか!」とか、感動のツボが多いはず。
Commented by AngRophile at 2011-02-18 11:18 x
ドラマの難点はあまりに千秋の指揮がひどかったのと、ヴァイオリンをベルアップ(ネックアップ?)することだけで、内容は良かったですよ。ちゃんと音楽のツボわかってましたv(^^
Commented by foggykaoru at 2011-02-18 21:17
あんぐろふぁいるさん。
だって普通の俳優ですよ。
それがあそこまで努力したドラマは他にはないし、その点は買いだと思います。
そして、映画になったらさらにバージョンアップしていて驚きました。
あれを観てしまったため、同じ時期に上映されていた映画「オーケストラ」のマエストロ役のロシア人俳優の指揮の下手さが目についてしまって困りました。。。

で、原作。
原作のほうがはるかに登場する曲が多いから、音楽やオケがわかる人にとってのツボも多いのだろうな、、、と想像しています。
Commented by AngRophile at 2011-02-21 10:15 x
ドラマも特番のヨーロッパ編しか見ていないので、これ以上の口撃は差し控えます。でもアリキリ石井の指揮の方がマシだったかも(笑)。俳優より指導の飯○さんがきらいだから、きびしいのかな(笑)。
うーん、でも俳優だからって、その役になりきるのが俳優ですよね~(口撃おさまってない)。
Commented by foggykaoru at 2011-02-21 20:54
あんぐろふぁいるさん。
アリとキリギリスもとい片平はほんとによく頑張ってましたよね。
ドラマSPに関しては、私がいちばん気になったのはジャンの指揮のほうでしたけど。
でも、俳優が指揮者を演じると、普通はジャン程度なんだと思います。。。

で、あんぐろふぁいるさんには映像はお薦めしてません。
ちゃんとオケが分かる人が原作を読むと、もっとツボがあるんじゃないか、それはどういうところなのか、というところに私の関心があるのです。
オケのお友達で原作を持ってる人、きっといるんじゃないかしら。
Commented by luna at 2011-02-23 10:03 x
わたしも昨日、映画前編を見ましたが、千秋くんの指揮がかなり様になっていて驚きました!演技であれだけできればなかなかw
本物の指揮者でも下手なの見たことあるしw
カタイラは演技として完成されてましたね〜原作のイメージも見事に生かしていたし……
って何で、のだめ談義に(^^;

プロの指揮者は実際にはかなり省力的に振りますよね。
しかし、他人に教えるときはちゃんと振るので、ああなると思いましたw
後編は明日以降見る予定ですが、清良のヴァイオリンがかなりそれらしく上達していると聞いているので、これまた楽しみです。

あんぐろふぁいるさんには、わたしもまんがをお薦めします。
音楽やっている人で、薦めて読んで面白くないと言った人は今まで誰もいませんでしたw
薦めて読み始めた直後、全巻大人買いした人も数人知ってます(^^;
Commented by foggykaoru at 2011-02-23 21:06
lunaさん。
ねっ、あんぐろふぁいるさんは漫画読むべきですよね!

「連ドラのときは初めて指揮をした千秋が、プロの指揮者として成長した姿を見せなければならない」というわけで、玉木君はほんとうに努力したようです。だからあんなに痩せちゃった。
DVD「千秋真一コンプリート」を観ると、彼の血のにじむような努力がわかりますよ。

オーボエ奏者・茂木さんがその著書の中で「実際の指揮者、特に名匠はあまり動かない。でも、ドラマでそうすると、ぜんぜん絵にならない」と書いてました。
Commented by luna at 2011-02-23 23:28 x
わたしも飯森先生の棒で歌ったことが数度あるので、あんぐろふぁいるさんのおっしゃることも分からないでもないですw いやでも良い方ですよ〜ほんとに(^^;

で、書くつもりだった「大聖堂」のことですが、原作は翻訳が出た時に一度読んだきりです。面白いことは面白かったのですが、それほど乗れませんでした。実際、あまり内容のことは覚えていません。
がんばってドラマを見ようという気が今ひとつ起こらない程度の熱中ぶりです。でもまあ、機会があったら、見てみたくないでもない(^^;
Commented by foggykaoru at 2011-02-24 22:12
lunaさん。
私も「大聖堂」、乗ったという感じではないのです。
でも、やめられなくなってしまうんですよね。なんなんでしょう。
ドラマはちょっとめげ気味です。
原作を知らないほうが改変が気にならなくていいと思いますから、内容を覚えていないなら、観てみても悪くないのでは。

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