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神々と男たち

先週末が英国映画三昧だったので、今週末はフランス映画を。
というわけで、今日から営業再開した銀座シネスイッチに行ってきました。

舞台は1996年代のアルジェリアの小さな村。
カトリック修道院を中心としたイスラム系の村民たちの暮らしがあった。それがイスラム原理主義者の台頭で崩されていく。異教徒、しかもアルジェリアを植民地化して搾取してきたフランス人、ということで、修道士たちは標的になりかねない。政府からは帰国命令がくる。しかし村人たちは「行かないでくれ」と懇願する。

修道士だって人の子。どうするべきか悩む。ここがいい。きれいごとでなくて。

おそろしく地味な作品だし(いびきをかいて寝てる人がいましたよ・苦笑)、宗教がらみだから、日本人にはわかりにくい。かなりキリスト教慣れしている私でさえ、「日本人とはものの考え方が違う」と改めて実感しました。

・・・でもね。
最終的にはほとんど同じところに落ち着くような気もするのです。
キリスト教徒が「神」という言葉で説明することを、日本人は別の言葉で説明する。その言葉は「良心」とか「誇り」とか、人によって異なるけれど。

今だからこそ、心に響いたところが多々あり。
修道士たちの運命は、人間同士の憎しみが生んだ内戦に翻弄される。
今、関東の人間が置かれた不安な状況は、天災に端を発し、そこに人間のズボラとか判断ミスなどによって拡大された事故による。
まったく異なるタイプの災厄だけれど、「とどまるべきか否か」「自分は何をなすべきか」ということを考えざるを得ないというところとか、「日々のつとめを淡々と行うことで救われる」というところは同じなのです。

人間は何のために生まれ、生きるのか。
この、答えの出ない問題をつきつけられた思いです。

原題は「Les Dieux et les hommes」
英語に訳せば「Gods and men」
「神々と人間たち」と訳すほうが適切なのでは。
確かに登場するのは男性ばかりなんだけど。

この映画の公式サイトはこちら


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今日の経済活動:
銀座でパスタランチ。
教文館ナルニア国で書籍購入。
ほんとは先週末、ここで『ツバメの谷』を買いたかったのです。
ランサム・シンパのナルニア国だけあって、しっかり平積みにしてくれてました。しかも2か所で!!

by foggykaoru | 2011-03-26 18:27 | 観もの・聞きもの | Trackback(3) | Comments(2)

Tracked from LOVE Cinemas.. at 2011-03-26 21:02
タイトル : 神々と男たち
1996年にアルジェリアで起きた武装イスラム集団によるフランス人修道士誘拐・殺害事件を映画化。命の危険に恐怖し、逃げ出したい気持ちとの間で揺れる修道士たちの心の葛藤を描いた作品だ。主演は『華麗なるアリバイ』のランベール・ウィルソン、監督は俳優でもあるグザヴィエ・ボーヴォワ。第63回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞した。... more
Tracked from ヨーロッパ映画を観よう! at 2011-04-05 00:36
タイトル : 「神々と男たち」
「Des hommes et des dieux」…aka「Of Gods and Men」2010 フランス クリスチャンに「華麗なるアリバイ/2007」のランベール・ウイルソン。 リュックに「そして、デブノーの森へ/2004」「ミュンヘン/2005」「宮廷画家ゴヤは見た/2006」のミッシェル・ロンズデール。 クリストフに「キングス&クイーン/2004」「96時間/2008」「君を想って海をゆく/2009」のアリヴィエ・ラブルダン。 セレスタンにフィリップ・ロダンバッシュ。 アメデに...... more
Tracked from soramove at 2011-04-16 02:51
タイトル : 映画「神々と男たち」それでも神は沈黙を守るのか
「神々と男たち」★★★☆ ランベール・ウィルソン、マイケル・ロンズデール、 オリヴィエ・ラブルダン、フィリップ・ロダンバッシュ出演 グザヴィエ・ボーヴォワ監督、 101分 、2011年3月5日公開 2010,フランス,マジックアワー、IMJエンタテインメント (原作:原題:DES HOMMES ET DES DIEUX/OF GODS AND MEN )                     →  ★映画のブログ★                      どんなブログが人気なのか知り...... more
Commented by むっつり at 2011-03-26 21:09 x
ツバメの谷はまだ届いていません。同時に注文した中古のロンドンのボヘミアンは今日届いたのですが…
熱帯雨林の物流センターも被災したのかな?

日本人にとって、西洋の神に当るのは「気」なのかもしれません
気概・気持・気合・気心・士気、そして空気
日本人は心を気という言葉で言い表していましたから
天の神の意思より、地の人の心を重んじている者の方が日本人らしいですね
Commented by foggykaoru at 2011-03-27 17:39
熱帯雨林の物流センター、検索したら千葉県市川市にあるんですね。
東京と市川の間にある浦安が液状化現象でぐちゃぐちゃになっていることが、ネックになっているのでしょうか。。。

「気」ですか。なるほど。
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