ちいさな哲学者たち

フランス映画。
幼稚園で、子どもたちに「哲学」させるという試みを追ったドキュメンタリーです。

この夏、新宿武蔵野館では「黄色い星の子どもたち」というフランス映画もやっていて、どちらを観るか、相当迷いました。
「黄色い星・・・」はタイトルから想像されるとおり、ユダヤ人問題を扱った映画で、間違いなく泣いてしまって疲れるのではないか・・・
一方、こっちはこっちで、寝てしまうかも・・・

で、こっちにしたのですが、予想どおり、2度ほど意識を失いました。

退屈だったわけではありません。
3歳から4歳の幼稚園児に「今日のテーマは『愛』です。『愛』って何ですか?」と問いかけ、子どもに考えさせるのですが、なかなか面白い答えがかえってきます。
館内にはしょっちゅう笑い声があがってました。
でも、地味か派手かと言われれば、当然地味な映画なので、ついつい寝ちゃっただけ。

印象的だったのは、どうも哲学することは女の子のほうが得意らしいということ。
女の子のほうが言葉が達者ですし、10代ぐらいまでは女の子のほうがマセているでしょ。
そういうのが透けて見えました。

もうひとつ、もしも日本で同じような授業をするとしたら、「愛って何?」という問いかけを3歳の子どもにするのは無理があるような気がします。
確か、「愛」は、明治時代にloveの日本語訳として、誰かが首をひねって考え出した訳語だと聞いたことがあります。
だから、本来の日本語ではない。
江戸時代の人が「I love you.」を「愛してます」と言っていたはずがない。
だから、日本の子どもへの問いかけとしては、
「人のことを好きだというのはどういうこと?」といったアプローチになるのでは。
また、「死って何?」ではなくて
「死ぬというのはどういうこと?」
になるような気がする。

日本語はどちらかというと動詞中心の言語。それに比べて英語やフランス語は名詞中心。
「10分歩いたら公園に着いた」のかっこいい英訳は
「Ten minutes' walk brought me to the park.(10分の歩行が私を公園に連れてきた)」(ですよね? こんな英作文したの30年ぶりくらいなもんで、自信がありません。)

そもそも「哲学とは何ぞや?」という問題もあります。
ヨーロッパで生まれた哲学というのは、ヨーロッパ言語の特質に合っているのではないか?
とか
日本語の特質に合った哲学を、日本人は自分で生み出さなければならないのではないか?
とかいうことを、とりとめもなく考えさせてくれた映画でした。


この映画の公式サイトはこちら
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by foggykaoru | 2011-08-17 23:13 | 観もの・聞きもの | Trackback | Comments(0)

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