イルカと墜落

沢木耕太郎のアマゾン訪問記。
なぜこんなタイトルなのかというと、前半が「イルカ記」、後半が「墜落記」だから。

まず前半の「イルカ記」。アマゾンにはピンクのイルカがいるんだそうだが、そのイルカがテーマではない。
アマゾンの奥地に住むイゾラド(=「文明人」と交流を持たないインディオ)に関するテレビ番組の企画のために、筆者たちは、その道の専門家を訪ねる。
彼は「イゾラドとはコンタクトを取ってはいけない。コンタクトを取ること自体がイゾラドを滅ぼすきっかけとなりかねない」と言う。彼の仕事はイゾラドがいるとわかった地域を保護地域とし、極力コンタクトを持たないようにすること。要するに、ほうっておく。
「知ること」を善とし、世界中のありとあらゆるものに名前や説明を与えてきた西洋人の考え方をまっこうから否定しているわけである。
そして、そういう活動に従事する理由が「自分の美学だから」

かっこいい。
「人道」とか、もっともらしくて耳触りの良いことは言わないのである。こういう人は信用できる。


そして後半。
アマゾンを再訪したクルーが飛行機で奥地を目指し・・・墜落する。
比喩ではなく、ほんとうに飛行機が落ちたのである。

そんなスゴイ体験のわりに、淡々と読めてしまうのは何なんだろう。
もっと生々しいドキュメントになってもよさそうなものなのに。
だから、面白いんだけど、5つ星ではない。

有名な作家になると、周囲の企画で、普通だったら行けないところに行ける。椎名誠しかり。でも飛行機事故にはあいたくない。事故にあわなくても、ものすごく虫に刺されたりもする。それも嬉しくない。でもやっぱり羨ましいなあ、、、なあんて思いながら読んだのでした。


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by foggykaoru | 2011-09-20 20:30 | エッセイ | Trackback | Comments(2)

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Commented by むっつり at 2011-09-20 21:49 x
落ちたのは軽飛行機?
助かったのは奇跡ですね
Commented by foggykaoru at 2011-09-21 21:43
むっつりさん。
そう、軽飛行機です。
死者どころか重傷者さえひとりも出なかったのだそうです。

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