1911

世界史受験だったのだけれど、東洋史はほとんど忘れてしまった私。
この映画を見ればお隣の中国の歴史の勉強になるかと思って観てきました。

袁世凱というのが軍閥の人で悪っぽい役回りで、孫文がなんだかとても尊敬されているということだけは覚えていました。でも、世界史の授業では一瞬出てきただけだったような。上海に行っても「孫文の家」を見に行く気なんかさらさら起きなかった。

この映画がどこまで孫文の真実を描いているのかは知らないけれど、見終わったときには「孫文、偉い!」という気分になりました。清朝への借款を思いとどまるように英・米・仏・独の銀行家を説得するところがすごいです。やっぱり外交交渉には知性に裏打ちされた語学力が必要なんだなあと。

対する袁世凱。策士だけど憎めない。「おぬし、なかなかやるのう」と言いたくなる。決して悪くは描かれていない・・・ような印象を持ちましたが。

あと、近代戦になってからの革命というのは、ほんとにキツイものですね。
もちろん18世紀末のフランス革命だって血みどろだったのだけれど、武器の殺傷力が全然違う。第二次世界大戦後の植民地からの独立戦争もキツかった(もっとずっと。空中戦もあるわけだし)のだなあと、しみじみ思いました。

Wikipediaの孫文の写真を見たら、映画とそっくりでした。じゃなくて、映画の孫文が実物にそっくりだということですが。中国人が見たら「おお!」と感動する作り込みなのでしょう。

ジャッキー・チェンも、そのパートナー役の女優もよかったけれど、清朝最後の后妃もよかったです。そうか、「ラストエンペラー」にも出ていたのか。。。

この映画でいちばん印象的だったのは、清朝皇帝退位の場面。
きわめて映像化しにくいこの場面(なにしろ、戦いも何もなくて、ただ退位しただけですから)を、映画的に上手に処理している。

あと、食事の場面。すごくにぎやかなんです。お粥をすする音、食器の音。いちばん「中国」を感じた場面です。

「1911」という邦題はどうなんでしょうね。
革命が始まったのは1911年だけど、清朝皇帝が退位したのは1912年。
旧暦で言えば両方とも「辛亥(かのといのしし)」の年。だから辛亥革命という。
もっとも、原題の「辛亥革命」では日本の観客は呼べないか。


この映画の公式サイトはこちら
[PR]

by foggykaoru | 2011-11-20 19:38 | 西洋以外の歴史 | Trackback(4) | Comments(4)

トラックバックURL : http://foggykaoru.exblog.jp/tb/17115987
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from LOVE Cinemas.. at 2011-11-21 07:02
タイトル : 1911
辛亥革命100周年、そしてジャッキー・チェンの映画出演100本目となる記念作品。欧米列強に国を蝕まれることを憂えて立ち上がった孫文たち革命の闘士たちを描いた歴史大作だ。ジャッキー自身が総監督と共に孫文の右腕・黄興を演じる。共演にウィンストン・チャオ、ジャン・ウー、リー・ビンビンらが中国映画界のスターが出演。監督は『レッドクリフ』の撮影監督チャン・リーが務める。... more
Tracked from soramove at 2011-11-21 07:12
タイトル : 映画「1911」ジャッキー・チェン出演作100作記念作品
「1911」★★★ ジャッキー・チェン、ウインストン・チャオ、 リー・ビンビン、フー・ゴー、ジェイシー・チェン、 ユィ・シャオチュン、ジョアン・チェン 出演 チャン・リー 監督、 122分、 2011年11月5日公開 2011,中国,東映 (原題:辛亥革命1911 ) <リンク:人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← ジャッキー・チェンの出演作100本目の記念作品 「今年は辛亥革命から100周年、 そしてジャッキー自身の100作目と...... more
Tracked from 映画のブログ at 2011-11-29 22:55
タイトル : 『1911』 世界同時公開にした裏事情?
å13ǯ֤˴ĶȤƤޤǤꤿäȤϤʤ? 2011ǯϿɰ̿100ǯǰǯǤ롣 ǯˡåˤȤäƤ⵭ǰȤʤбDz100ܤκʤȤơ1911٤Τϡå¡ʤ̰յߤɽǤ? 1911٤ϡɰ̿Ωԡ¹ʸ(Ǥ¹滳ȸƤФ)ȤͧǤ벫( )濴ˡǯ˵ڤη餻ưλΡ̤ڤäǤ롣åϤǼ͸餸ȤȤĤ̳Ƥ롣 2011ǯīݤ100ǯʤΤ顢ǤϤǯ˽ˤäƤꡢܺ⤪פ굤ʬ⤫줿椫Τ?ܺѤơʤϤ˻פ? ˡ...... more
Tracked from よしなしごと at 2012-01-18 02:29
タイトル : 映画:1911
 2012年ですが、まだまだ2011年の映画レビュー記事は続きます。今回は1911です。... more
Commented by むっつり at 2011-11-20 21:55 x
そういえば某小説「女海賊の島」でも中国人の宴会って賑やかですよね
騒々しくて食べきれないぐらい大量に出されて…

私の孫文のイメージは陳瞬臣さんの小説で培われましたから、愚直にして策士という複雑な人間という印象です
むしろ袁世凱の方が単純な人物のような?
清朝の満州人の方が「帝国」の人間らしくコスモポリタンで、孫文に代表される漢民族にはアヘン戦争以降の民族主義(太平天国とか)に翻弄されてる印象です
どうも、私の近代の中国の知識は歴史書より陳氏の小説から仕入れていますから偏っていますね
Commented by foggykaoru at 2011-11-21 20:14
むっつりさん。
そうそう、あの場面。
子どもたちが中国人がずるずる音を立てて食べる様子にぞっとする場面。
あそこで子どもたちとの距離を感じてしまった私です。
日本人も音たてて食べるから。
でも中国人のほうが絶対ににぎやかだと思います。

中国に関しては知識がなさすぎて何もコメントできません。
Commented by sataz(ビール艦長) at 2011-11-26 02:08 x
映画に疎い私はこの映画のこと 知りませんでした。

今更のコメントですが、
一般的には袁世凱がやはり悪い奴、孫文はいい人なのでしょうが、先日 浅田次郎の「中原の虹」を読み終えた私には、優柔不断である意味弱虫の孫文は、清朝の終わりにはふさわしくなかったかなと思えます。(これとて作者が事実とは異なる話だと書いている小説からのイメージですが)

実際のところ、小説に出てくる満州族は、皇帝やそれに近い人たちでしょうから、作劇上いい人か悪い人かどちらかに寄ってしまうのは仕方のないことなのではないかと思います。
清末に実際に活躍した林則徐や李鴻章といった人たちは漢族だし、そう悪くはないかと思います。
Commented by foggykaoru at 2011-11-26 10:46
ビール艦長さん。
>優柔不断である意味弱虫の孫文
そういうところもあるのかもしれませんね。

この映画はジャッキー・チェンが作った中国映画なのだから、中国政府にOKしてもらえる内容でありながら、香港生まれでアメリカで活躍しているジャッキー・チェンの心情がこもっているのだろうと想像しています。
そのへんをくみ取るだけの知識がないのが悔しいです。
いろいろわかるともっと面白がれるでしょうに。

<< 私が欲しいのは 図書館戦争 別冊Ⅰ・Ⅱ >>