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オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン

という映画がひっそりと公開されていると友人に教えられ、品川プリンスシネマに飛んで行きました。
なにしろ本場のミュージカルが2000円で観られるんですから。

タイトルどおり、ミュージカル『オペラ座の怪人』25周年記念公演です。
場所はロイヤル・アルバート・ホール。

このホールには行ったことがないのですが、ひじょーに興味深い建物でした。

ヨーロッパのオペラ座には舞台のすぐ脇、直角の位置にボックス席があって、そういう席からは舞台なんかろくに見えない、なぜなら王侯貴族がオペラ座に行くのは、オペラを観るためではなく、女性と逢いびきをしたり、平土間や他のボックス席にいる女性を物色したりするためだったからである、ということは知っていました。(こんな感じです。) 
でも、ロイヤル・アルバート・ホールというのは、舞台の脇に、舞台と直角なのではなく、一直線・・・つまり、他の客席と向かい合わせになったボックス席がある。そこから舞台はろくに見えないのではなく、全然見えないのです。
今回の公演では、そのボックス席も舞台の一部として使われていました。
つまり、オペラ座での「公演の場面」になると、そこに当時の客たちの扮装をしたエキストラが座って、扇子をぱたぱたあおいだりして雰囲気を盛り上げる。
ロイヤル・アルバート・ホールって今回のこの公演を予想して造られたの?と言いたくなるほどでした。

そしてしみじみ「パリのオペラ座で公演すればいいのに」と思いました。
5番ボックスはファントムのために確保しておいて。
でも無理。絶対に無理。このミュージカル、フランスでは知られてないし。(Wikipedia見たらフランスでは公演していない) 第一、オペラ座ではオペラとバレエしかやらないのだ。フランス人が作った『レ・ミゼラブル』すらオペラ座公演なんてありえない。でもね、もしもやったら、世界中からファンが詰めかけると思うんだけど。フランス人、考えてくれよ。

一方、日本にはこのミュージカルのファンはたくさんいる。
宣伝を打てばいくらでも客が入るはずなのに、なぜ隠れるようにやっているのか。

友人曰く、劇団四季との兼ね合いからだろう、と。
四季の公演の邪魔をしてはいけないという。

で、歌詞の翻訳は浅利慶太。
つまり四季版『オペラ座の怪人』の歌詞がそのまま字幕になってます。
これも劇団四季への配慮なのでしょう。日本語の歌詞に関する著作権(翻訳権?)を有する浅利慶太氏に著作権料が行く。あと、劇団四季に通い詰めているファンにとっては、おなじみの歌詞のほうが嬉しいのかも。
でも、浅利版というのは、しょせんは日本語で歌うための翻訳なので、原詩の半分以下の内容しか表していない。正直、物足りなかったです。
戸@奈津子が訳した映画版の字幕も相当ひどかったので、まあしょうがないですが。
(それにロンドンでミュージカルを観たら字幕なんか無いんだから、あるだけマシとも言える)

それにしても良い曲ばかりだなあ。
有名なのはクリスティーヌがらみの曲だけど、彼女の登場しない「プリマドンナ」とか、オペラの域に達してるんじゃないか。

カーテンコールの後、作曲者アンドリュー・ロイドー=ウェバーが登場。
そして彼がこの作品を捧げた元・最愛の妻、サラ・ブライトマンも登場。もうあんまり声出なくなっちゃってて苦しそうだったけど。
歴代ファントムが4人登場して、こちらの共演は圧巻でした。
私が男だったらファントムをやりたい(何を言ってるんだ)

本物のミュージカルの代わりになると思って観に行ったのに、かえって「ミュージカル三昧の旅inロンドン」をやりたくなってしまいました。逆効果じゃん(苦笑)

この映画の公式サイトはこちら

by foggykaoru | 2011-11-27 19:35 | 観もの・聞きもの | Trackback(1) | Comments(12)

Tracked from ほぼ映画感想、ときどき舞.. at 2011-11-27 22:47
タイトル : 「オペラ座の怪人」25周年記念公演 in ロンドン at..
TOHOシネマズ 名古屋ベイシティで 今月初めにロンドンで上演された 「オペラ座の怪人」25周年記念公演 in ロンドン at the ロイヤル・アルバート・ホールを 1週間限定で上映するというので、 早速観に行ってきました。 キャストは 怪人→ラミン・カリムルー(Ramin Karimloo)公式サイト クリスティーヌ→シエラ・ボーゲス(Sierra Boggess) ラウル→ヘイドリー・フレイザー(Hadley Flaser)公式サイト です。 「オペラ座」は作品自体は好きなんですが、 日本...... more
Commented by naru at 2011-11-27 22:35 x
ちっとも知らなかったです!
ミュージカルは、ブロードウエイで観ました。すっご~く良かった!!

映画(ご指摘の戸@翻訳版、でしょうね。7,8年前?)も見たけど、
舞台とは雲泥の差、と思いました。

でも、今回は映画でも、舞台俳優のミュージカルの実写版、っていうことですよね。
行きた~い!!

ロンドンに行った時も、見たかったけれど、チャンスがなかったので、
せめて映画だけでも、見たいです。

ロイドウエバーの元妻って、サラ・ブライトマンだったとは。
ちーっとも知りませんでした。
Commented by Titmouse at 2011-11-27 22:40 x
そういう位置にボックス席があるって、丸いホールだからってことなんでしょうか? 私はその昔プロムスに1回行ったきりなのでよくわかりませんが・・・。
Commented by plum56 at 2011-11-27 22:56 x
こんばんは。
コメントありがとうございました♪

本場のボックス席ってそういう用途だったんですね……。
なるほど。勉強になりました。

歌詞の件は全くもって同感です。
もう少し内容を深くしてくれたら良かったんですが。

私もこの映像を観て、
久々に生のミュージカルが観たくなりました。
Commented by むっつり at 2011-11-27 23:22 x
あのボックスと言うか桟敷というか、高すぎて舞台が見づらいだろうに、と思っていたら客席を物色する為の代物だったんですね
押し倒せばね下からはまったく見えませんし…
そう考えるとオペラグラスもイヤラシイ

劇団四季は豪華ですけれど、歌唱力では不満が残るかも?
ショーで勝負していて、歌はその一部でしかありませんから
Commented by foggykaoru at 2011-11-28 21:21
naruさん。
今回のは普段はミュージカルを上演しないロイヤル・アルバート・ホールでやっているので、たぶん大道具的には普段のものとは違うけれど、キャストはかなりレベルが高いと思います。
ぜひぜひ公式サイトで映画館を調べて観てみてください。

ロイド=ウェバーは妻のために作曲したんですよん。
サラは彼にとってクリスティーヌなんです。
Commented by foggykaoru at 2011-11-28 21:22
Titmouseさん。
そう、丸いんですよ。
あのホールは普段は「観る」ためのものは上演しないんでしょう?
プロムスならあのボックス席でも問題ないのでしょう。
Commented by foggykaoru at 2011-11-28 21:25
plum56さん。
TBありがとうございました。
この作品のファンである友人によると、歌詞がとても深いのだそうですね。
浅利訳は最低限の筋をなぞっているだけだから、字幕としてはとても不満。
第一、「ファントム・オブ・ジ・オペラ」とか「アイ・ラブ・ユー」を字幕では見たくないですよねえ。
Commented by foggykaoru at 2011-11-28 21:28
むっつりさん。
そうなんです、オペラグラスはいやらしいんです(^^;

最後に劇団四季を観たのは、たぶん今から7、8年前。
ずいぶん上手になったなあと思ったけれど、歌唱力はまだまだ全然だと思ったものです。
この作品は歌中心だから、四季には荷が重いんじゃないかな。
Commented by SOS at 2011-11-29 21:03 x
  今を去ること、1920年頃に、父方の祖父が持ち帰った、独 ツァイス製の、オペラグラス兼用の、小型の双眼鏡のケースには、小型の鏡が附いています。
 何でも、劇場にて、直にのぞくと失礼に当たるような、御婦人方のお姿を、鏡に映して拝見する為の物であるそうな……。双眼鏡と組み合わせると、じっくりとお姿を見られるようになっています。
Commented by foggykaoru at 2011-11-29 21:50
SOSさん。
おお、なんと!!
ぜひいつの日か、ヨーロッパのオペラハウスにそれを持っていって、使い心地を試してみてください(^^;
Commented by もりねこ at 2013-03-05 19:57 x
はじめまして。
友人から借りたBDを今見終わった所です。感激と感涙でした。
世界同時中継でWOWOWが放送した事は最近知りましたが、映画館でも上映されたのですね! ?全然知りませんでした。まさにひっそりと上映~ですね。
歌詞も四季版とほぼ同じだなーと思ったら、やはり浅利慶太氏訳でしたか…モノ足りず二回目は英語字幕で見ちゃいました。
ボックス席の事などいろいろな事が分かりました~ありがとうございました♪
Commented by foggykaoru at 2013-03-06 18:35
もりねこさん。
よかったでしょう?
映画は宣伝をうたずに公開されたのですが、口コミで知った人が詰めかけ、どんどん上演延長になっていったんですよ。
しかもリピーターが多いようで。私に教えてくれた友人も5回ぐらい観たと言っていました。
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