ユーコン漂流

この本はユーズドでしか買えません。
著者の野田知祐氏はカヌーイスト(そういう単語、あったんだ)。
題名どおり、ユーコン川下りの記である。

カヌーで世界的に知られた川を下るなんてことは、逆立ちしてもやらないだろう、それならせめて本で味わおう、と思って読んだのだが、実はユーコン下りというものはそんなに難しいことではないらしい。野田氏が途中で知り合うカヌーイストの中には「カヌーは2回しか乗ったことがない」という程度の人が珍しくないのだ。
カヌーに乗って、何もせずにただ下っていればいいところも少なくなくて、野田さんはカヌーでご飯を炊いて食べたりしてる。だったら、1人では無理でも、カヌーをやっている友人さえいれば(いるんだな、これが)、私にも十分に可能なわけだ。もしも機会があったらやってみたい。

ユーコン川というとアラスカを連想するが、最上流はカナダなのだ。
そして、いわゆる「川下り」、つまり両側に岸辺が見えるのは、上流のほう。下流は川幅が数キロにわたるので、延々何日間も何も景観が変化しないし、水も泥で濁っているらしい。
だから一般人には「2,3週間でカナダ領内をキャンプしながらのんびり下る」というのが現実的。

毎日計画的にせっせと下れば、数十日で河口にたどりつくことも不可能ではないらしいが、野田さんは3年刊、夏の2カ月かけて旅した。
気が向けば、上陸してしばらく滞在する、というスタンスで。
長旅なのでテンションが下がる時期もあり、そんなところは読む側もダレたりするが、そういうところがあるからこそ、読む側もユーコンの長さを感じることができるというもの。

カナダ領内は、白人カヌーイストが多いこともあって、キャンプ場もあるし、なんとなく洗練された雰囲気だが、アメリカに入ると「インディアンの世界」になる。(最下流はエスキモーの世界。)白人カヌーイストは差別されたり。日本人である野田氏は難なく溶け込めたが。

インディアンの生活は、決して豊かではないが、アラスカで石油が発見されて以来、アメリカ政府から手厚い保護を受けていて、暮らしに困ることはない。働いていないわけじゃないけれど、お酒ばっかり飲んでるみたい。寒いし、他に娯楽がないからしょうがないのかな。
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by foggykaoru | 2012-04-15 08:46 | エッセイ | Trackback | Comments(7)

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Commented by ラッコ庵 at 2012-04-15 10:05 x
本多勝一「極限の民族・カナダエスキモー」の舞台でしょうか?私の読書の原点のひとつです。思えば、あれは伝統的な暮らしが残っていた最後の時代だったんですね。あらためて読み比べてみたいです。ブラックウッドの「犬のキャンプ」もカナダの原生林のキャンプに起こる怪異のお話。怖い・・・ような、滑稽なような(^^ゞ
Commented by むっつり at 2012-04-15 22:52 x
エスキモー・インディアン等の先住民は前世紀の過酷な差別の反動もあって過剰な保護は問題になっていますよね
向上心も無くし、自堕落に…
誇りを失くしてゆくと言う事は自覚しにくいですから
Commented by ラッコ庵 at 2012-04-16 12:43 x
図書館に行ったらあったので借りました。
すごく面白い!でも行ってみたくはない!
Commented by foggykaoru at 2012-04-16 20:53
ラッコ庵さん。
おお、すばやい! 

>行ってみたくはない!
そうか~ やっぱり私は物好きなのね。。。
Commented by foggykaoru at 2012-04-16 20:56
むっつりさん。
アメリカは先進国の常識である国民皆保険制度が無いくせに、この手厚さは何?と奇異な感じを持ちました。
Commented by sataz at 2012-04-21 01:30 x
ユーコンはカヌー漕いだ事ないけど、見たことはあります(カナダ側)。確かにあまり難しくなさそうだったし、知り合いでそれほど漕げる方じゃない人も行ってますね。
アメリカ大陸の先住民たちの現状って難しいと思います、本多勝一の本や、一時エスキモーと結婚していた西木正明(冒険小説の作家)が書いたもの等読んでますが、いい手は思いつかないですね。
カヌー中の食事、私のにしろ、Cさんのにしろ、中で調理はちとつらいですが、涸沼などで借りるカナディアンだったらやろうとすればできるでしょう。持ち主許可があれば、インスタントラーメンくらいふるまいます。
Commented by foggykaoru at 2012-04-21 20:39
satazさん。
>カヌー中の食事、私のにしろ、Cさんのにしろ、中で調理はちとつらいですが、涸沼などで借りるカナディアンだったらやろうとすればできるでしょう。

おお♪
涸沼行きの計画があるときは、なぜか私の体調がカヌーどころじゃない季節なので、なかなか参加できません。
もしもご一緒できたら、船上での食事、よろしくです(^^)

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