映画『ジェーン・エア』
2012年 06月 15日
その期待は100パーセント満たされました。
荒涼たるムア。
広大で豪華だけれど寒々しくて暗いお屋敷。
嫌味な貴族。さげすまれる家庭教師。
そして粗食!!
こういうのは英国の本物のお屋敷で、英国の俳優が演じてこそ。
(とか言いつつジェーン役な英国人じゃないけど)
あまりにも有名な原作。だから意外性はゼロ。
しかもその原作が今の感覚からしたら不自然な筋立てなのだから、正直、感情移入はしにくいのです。さらに、私の場合、原作者シャーロット・ブロンテの生い立ちとか、余計な知識を蓄えてしまっているものだから、「ああ、これはシャーロットの満たされなかった願望なんだろうな」とか考えてしまうのは、(読書ならともかく)映画の鑑賞としては邪道なんだろうなと思ったり。
観てきた友人曰く「ジェーンとロチェスターが美男美女すぎる」
そうなんでしょうね。特にロチェスターがかっこよすぎ。
もう1人の男性が、「第九軍団のワシ」のエスカだったのにびっくり。芸達者ですな。
そしてジュディ・デンチの存在感。さすがです。
台詞の英語が喉の奥でくぐもったように発音されるのも興味深かったです。
「家庭教師 ガヴァネス」がちっともそう聞こえないくらいなのですから、それ以外の単語はほとんど聞き取れない。たぶん文体も原作そのままで、その時代のその土地の雰囲気を表しているのでしょう。
フランス少女アデールのフランス語は本物です。あれは生粋のフランス人。
その家庭教師であるジェーンのフランス語は、さして流暢でもなく、発音も素晴らしいというほどでもないけれど、まあそんなにひどくもない、、、という、納得のレベル。そういうところまでしっかり目配りできています。
英国好き、時代もの好き必見。
この映画の公式サイトはこちら
by foggykaoru | 2012-06-15 21:30 | 普通の小説 | Trackback(4) | Comments(4)
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