怪しいシンドバッド

高野秀行著。
1997年に出された単行本の文庫版。文庫になってから四刷を数えている。なかなか売れてるようです。
さまざまな旅の中から拾ったエピソード集なので、読み応えという意味では「ムベンベ」「アヘン王国」「アマゾン」には及ばないが、面白い。

インドで無一文になった話とか。
そういう話は他でも聞くが、無一文になってからどうやってサバイバルしたかが克明にわかる話はあまり聞かない。

コロンビアの幻覚剤とか、もう、彼の得意ネタですね。良い子はやっちゃいけません。

面白かったのは中国の話。
野人探しはもちろん得意ネタ。
もう1つの「客家を訪ねる旅」なんていうのは、下手をすると「フツ―の旅」かと思われがちだけど、彼の旅はそうではない。深い。ここまで入り込めるのは語学力のおかげ。

それにしても中国という国は変な存在です。
最近、すました顔をして先進国の仲間入りしようとしているようだけれど、「先進国」というカテゴリーには絶対におさまらない。
この本を読んでますますそう思いました。
中国は「中国」というカテゴリーに入れるしかない。

解説は大槻ケンヂ。
今まで読んだ高野さんの本はすべて集英社文庫なのだが、どれも解説が楽しい。熱い。高野さんの作品に対する愛があふれている。
「皆さんはたぶんご存知ないでしょうけれど、これが実はいいんですよ!」というノリで。
なんとなく、ランサム愛を語るランサマイトに通じるものを感じてしまうのは、私の勝手なのでほっておいてください(自爆)



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by foggykaoru | 2012-09-06 21:23 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(2)

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Commented by むっつり at 2012-09-07 04:45 x
中国、今でも先進国ではなく、発展途上国の代表と言う立場を崩していませんが…
でも政府と民衆は違いますものね

アヘン王国と三畳青春記が届いたので、今読み始めたところです
今はアヘンの方から
ワ州って何かの略称かと思ったら、ワ州と言う名称なんですね
そして中国人が多いなんて知りませんでした
それにしても、長い銃剣をつけた旧式銃を肩に担いだ少年兵の写真の表紙が印象的ですね
Commented by foggykaoru at 2012-09-07 23:10
むっつりさん。
アフリカや中東のまっすぐな国境は、列強の線引きだということがはっきりわかります。
でも、東南アジアはちょっと見では自然な国境の感じがするのがくせもの?ですよね。
ミャンマーの少数民族の存在は知っていましたが、高野さんの本を読んでようやく具体的にわかりました。

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