素晴らしきラジオ体操

この本はユーズドでしか入手できません。

『からくり民主主義』の高橋秀実著。
一部の話題が賞味期限を過ぎてしまった(けれど、原発問題は却ってその怖さを増している)『からくり~』とは違い、こちらは未来永劫変わらない?ラジオ体操の話一本なので、一貫して楽しく読めた。
たかがラジオ体操、されどラジオ体操。

ラジオ体操が広まった(広められた)いきさつに唖然。
ものすごい国家的深謀遠慮があったのです。
そしてあることをきっかけに、命脈を絶たれそうになる・・・のだがどっこい、しぶとく生き残る。
残そうというニッポン国民の強い意志によって。
他のことにも強い意志を持つべきなのじゃないかね我々は、、、とも思うが。

で、「ラジオ体操やってるから長生きする」わけじゃなくて、「長生きしてる人がラジオ体操をやっている」のですが、あと10年か20年後、隠居生活になった暁には、私も朝6時半にラジオ体操しに行ってみようかという気持ちになった。
だって生活のリズムを整えるのにいいでしょ。
どこでやってるか知らないけど。

高橋秀実さんの著作は高野秀行氏が提唱する「エンタメ・ノンフィクション(略してエンタメ・ノンフ)」というジャンルの代表的存在。『からくり~』とこの本を続けて読んで、確かに「楽しませてくれるノンフィクション」だとは思った。

でもちょっと物足りない。
文章に味わいが足りないのだ。



実はこの本を読んでいて、無性に高野本が懐かしくなってしまったのです。
旅心を誘う高野本が私の趣味に合うのは当然のこと。
でもそれだけではなかった。
高野さんは文章で読ませる人なのです。
ネタがすごいから、ついついネタで読ませる人だと思いがちだけど。
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by foggykaoru | 2012-10-28 08:23 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(2)

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Commented by むっつり at 2012-10-28 11:26 x
高野さんの本、異国トーキョーと辺境中毒を今読んでいますが、文章力とネタのマッチングが凄いですね
「象語」の話は笑いました
確かにドリトル先生を読んでいます
と言うか言語の学習方法はドリトル先生そのものですから
軽快に文章をまとめる力は凄いですね
簡潔にして明快
くどくも無く、意味不明でもない…
自分自身の知識が豊富だけではなく、読者の想像力を完全に読みきっていないと書けない文章です
Commented by foggykaoru at 2012-10-28 20:23
むっつりさん。
「ゾウ語」は「月刊 言語」のために書かれた記事ですよね。

当時、大修館でこの雑誌を担当していた友人(指輪物語ファン)がいます。
トールキンが作った「エルフ語」についての記事を、映画のエルフ語監修をした大学の先生に書かせたという人でして。
高野さんに記事を依頼したのは彼女なのかも・・・

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