珍作? 怪作? はたまた傑作?

洋子姉さまが、もっとわがままに、もっと烈しく、あたしを責めて下さつたなら……。
あたしを抑えつけて、眼の廻るほど、ぐんぐん引つぱつて下さつたなら……。

今日からこのブログは同人系に衣替えすることにしました。というのは冗談です。

上に引用したのは友人@ネタ大明神が貸してくれた小説の一節。中学の頃に愛読したのだそうです。すごいですねー! 栴檀は双葉より芳し(爆)

ところでこの小説、誰が書いたと思います?




書いたのは川端康成。
その題名は「乙女の港」。
そしてそのテーマは「エス」。

「エス」というのは「sister」の頭文字。戦前の女学校では、女生徒同士の疑似恋愛をこう呼んでいました。私は、「昔そういうものがあった」ということだけは知っていましたが、小説にまでそういうジャンルがあったとは、思いもしませんでした。
川端康成は、出版社にリクエストに応じて書いたのでしょう。ということは、この手の小説は、けっこう需要があったということなのでしょう。

文学的価値という点からすると、どうということはないのでしょうが、日本のある時代の風俗を描いているという点で、資料的な価値はあると思います。今や絶版らしいけれど、消え去るがままにするには惜しい作品です。

ちなみに、「乙女の港」という題名だけあって、舞台は港町。しかも東京近郊。
主人公の通う女学校は、その町の「基督教女学校」。どうやらカトリックです。
戦前なのにネイティブによる英会話やフランス語の授業があります。すごい!
この学校のモデルは、現在の横浜○葉だと思うのですが。

でもね、この小説、カトリックの教会に牧師がいたりするんです。
(牧師はプロテスタント。カトリックは神父。)
川端康成も、その手のことには疎かったようです。
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by foggykaoru | 2005-06-02 21:15 | 普通の小説 | Trackback | Comments(13)

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Commented by go_to_rumania at 2005-06-03 05:16
ええ!川端康成こんなものも書くのですか?意外!私は彼の作品が全然良いと思わない・・・何がいいんだろう・・ の域なんです、実は。
★>go_to_rumaniaさんの記事は、教科書的なありきたりの内容ではないので。これからも楽しみにしています
ありがとうございます・・結構人から聞く話が多く、でもルーマニアなので、人によって全然違ったりでネットで検索したり、本を読んだり そういうのものの集めだったりすることもあります。もっとルーマニア語の文献をさらさら読めると一杯情報得られるのですが(話すのはできても読むのはそーんなに得意ではないので・・イタリア語も同じだった・反省;)これからも宜しくお願いします。またサイト上でUpする予定ですが、今月日本のラジオに出ることになりそうです。サイトで書いてないことも話せたらいいな~と思ってます。
色々リクエストにもまだ応えてられいなくて申し訳ないです;;5つの修道院は夏に両親が着た時に一緒に行く予定ですので、その時またUpしますね。多分車をチャーターしていくと思います。やっぱりそれしかないので;宿泊事情やどう回るのが良いかなども分かる運転手を紹介してもらう予定です)
Commented at 2005-06-03 05:18
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by foggykaoru at 2005-06-03 21:09
go_to_rumaniaさん。
彼がノーベル文学賞をもらえたのは、翻訳が良かったからだ、みたいなことを聞いたことがあります。それが正しい評価なのかわかるほど読み込んであるわけじゃないけれど、少なくとも、日本には、彼の他にも優れた作家はいますよね。

>今月日本のラジオに出ることになりそうです。
うわーーーー!!! どの番組ですか? もう終わっちゃったかしら?

>宿泊事情やどう回るのが良いか
それそれ、そういうことを教えてください!
ブルガリアでリラの僧院に泊まらなかったのが心残りなんです。
ルーマニアの田舎の僧院に泊まれたらいいなぁ。

>「修道女の生活」
読みました! 面白かったです。これからも「とっておきの話」、教えてください。
Commented by Elfarran at 2005-06-04 00:15 x
蔦のからま~る♪チャペルで♪~と歌い出して
しまいそうでした。
ライトノベルズをここで語るのはどうかとも
思いますが“マリア様がみている”という
ドキドキするようなお姉さまが出てくるシリーズ
が有ります。きちんと読んでいないので、内容に
ついては、書きません。が、ジャンルとして「エス」(爆)
にいれちゃえ~て感じですか?!あははは。
やおいよりは、秘めやかなドキワク感がスキだったり
するのですが(笑)
私も大家といわれる作家なのに5ページ以上読み進む
事が決して出来ない作家さんがいます。
もう、文体がダメ・・・(ToT)体質とでも言いましょうか・・・
ジャンルにも好みがあるように文体にもキッパリと
好みが有るのでしょうね。海外での翻訳がスバラシい!
とは(笑)面白いエピソードですね(^・^)
Commented by KIKI at 2005-06-04 02:42 x
私はカトリック系の女子高出なんですが、ほんの一部の女子の間
では「お姉さま」ってなノリがありましたよ。
そして開高時の大正時代はやはりフランス語での授業があった
ようです。先生の大半がフランス人の修道女だったようで。
Commented by foggykaoru at 2005-06-04 11:04
Elfarranさん。
あの歌の舞台は青学だという噂です。
あれにも「素敵な上級生」の姿が歌われてますね。「エス」の名残り?(笑)
Commented by foggykaoru at 2005-06-04 11:08
KIKIさん。
おお、そーゆー女子校出身なんですか! 
じゃあ、あそこかあそこかあそこなんですね(笑)
私は高校までは公立ですが、大学は私立のミッション系なので、そーゆー系統の女子校出身の友達が山ほどいて、けっこうその方面に詳しいんです。
Commented by crann at 2005-06-05 13:06
かおるさん、こんにちは。

先日大明神さまとちょっとだけお話したのですが、私が持っている川端康成のS小説は『万葉姉妹』です。SはSでも、名乗りあえない本当の姉妹の哀しいお話・・・後書きが巌谷大四!(笑)
絶版ですが、なんとコ○ルト文庫なんですよ!

ご存じのとおりわが母校は新機軸(笑)なミッションだったので、流麗可憐なS的伝統はありませんでした。・・・どちらかというと木原敏江の『摩利と新吾』みたいでした(笑)
やはり中学校新設や、学校の歴史も変わるんだろうな、と同窓会ニュースなぞを見ると淋しいものがあります。優雅なのにバンカラ?(笑)で、すごく勉強が大変だった(仏語ですよ、仏語! 苦笑)校風が変わってしまうのも。

Elfarranさん、こんにちは!(おひさしぶりです、leirani です 笑)
ペギー葉山の「学生時代」は、かおるさんのおっしゃるとおり青学です。
青学の先輩がペギーさんが遅刻しそうになって走ってくるのを見て、作ってくれた詩だそうです<実話?(笑)
Commented by ゆきみ at 2005-06-05 13:37 x
crannさん、こんにちは。
「摩利と新吾」みたいって、どんな女子高!? ぜひ今度詳しく教えてください。
(久々のコメントがこれでごめんなさい、foggyさん)
Commented by foggykaoru at 2005-06-05 21:14
crann@leirani大権現さま。
>SはSでも、名乗りあえない本当の姉妹の哀しいお話・・・
ひょーー 
川端康成が後になって「古都」なんか書いたのは、若い頃にそうやって「エス」ものでいろいろ鍛えてあった(!?)お陰なのかしらねー(爆)
>仏語ですよ、仏語! 
まっ、よかったじゃないですか、後になって指輪のフランス語版観るときに、役に立ったんだし(爆)
「若いときの苦労は買ってでもしておけ」っていう言葉は正しかった、ということで(笑)
Commented by foggykaoru at 2005-06-05 21:15
ゆきみさん。
いや、別にいいですよ。大明神様と大権現様がツーカーなのにはすっかり慣れてますから(爆)
Commented by crann@れいらに at 2005-06-06 02:20 x
かおるさん、ゆきみさん

大明神様は納得でございますが、私めが大権現とは、恐れ多いことでございます。大権現様には立派にあてはまるお方がいらっしゃるではございませんか。

>若いときの苦労は買ってでも
確かに授業料払ったわけですし(爆)
ちなみに、何故か「化学」が3まで必修でした。
なんで文系なのに化学3!?誰も落ちこぼれない魔法化学ではありましたが(苦笑)

>摩利と新吾みたいな女子高
ミッション、女子高なのに、先生たちに男子校みたいだと言われましたので(笑)どうも私たちがいた3年間が顕著だったようです。いまでは立派に「お嬢様」を輩出しているようですし。
Commented by foggykaoru at 2005-06-06 20:49
crann@leiraniさん。
あっそうか、大権現はあちらでしたっけね。
leiraniさんは大魔神で(爆)
化学3まで必修ということは、もしかして、全員国立を受けなくちゃいけない学校だったのねん。
ご苦労様でした(笑)

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