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未来国家ブータン

高野本。ハードカバーを購入(←いばってどうする)

かなり長く続いた『ソマリランド』の余韻。
この本を読んだときに、ようやくそれが薄くなっていたのかもしれない。
あるいは、この本がそれに負けないほど面白かったのかもしれない。
とにかく非常に楽しめました。

なによりもまず、ブータン旅行の目的がいい。
ネタバレになるから詳しく書かないけれど、本来、というか、表向きは非常に真面目な目的がある。
でも、高野さんが本当にやりたいのは、それとは別。世間一般の常識から言ったら不真面目・不謹慎。
で、高野さんは、真面目なミッションをこなしつつ、不真面目(でも本気)な探索を試みる。
この二つのバランスというか、ミックスがいいのです。こういう本は高野さん以外には書けない。

結果的には、ブータンという国のありようが描き出されます。
二つの目的が達成されたかどうかはおいといて。

高野さんという人は知的だなとしみじみ思います。
視野が広いのは世界旅しているから? いやいやいや。旅したって大して広くならない人もいる。
でも彼の場合、旅の経験が糧になっているのは確かです。

お父上は高校の先生だったそうですが、高野さんもいい先生になれただろうと思います。あ、これは『ソマリランド』のときにも思ったんだっけ。

この本に関する情報はこちら

by foggykaoru | 2013-10-28 20:28 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(2)

Commented by Titmouse at 2013-10-29 15:26 x
先日朝日新聞の読書特集に高野さんの対談がどーんと載っていました。ネット記事のURLを入れておきます。
Commented by foggykaoru at 2013-10-29 20:02
Titmouseさん。
なるほどね。
「人間は自分がなりたい人間になる」と言うけれど、今の高野さんはまさに文化人類学者です。
で、学者が書けないものを書いてます。
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