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RotKをより良い作品にするための一提言(9)

原作ファンが心待ちにしていた「療病院」、蓋を開けてみたら、なんのことはない、単なるビデオクリップにされちゃってました。トホホ。
あれ以外にやり方はなかったのでしょうか?

エオウィン役のミランダ・オットーは、オーディオ・コメンタリーにおいて、「アラゴルンのことが好きだったのに、その後すぐに違う人と恋に落ちる、という演技はやりにくかった」と語っています。
なるほどね。

でも、そうなったのは台本のせい。違う台本だったら、ファラミアのことを好きになる演技も、それほど難しくなかったはず。



まず、PJ版指輪ではエオウィンがアラゴルンにからみ過ぎ。
TTTならともかく、RotKはそれぞれが正しい相手と結婚しなくちゃならないのですから、ツーショットシーンをもっとあっさり流しましょう。(TTTもシチューの場面は不要。一応確認です(笑))

ツーショットシーンだけでなく、黄金館での祝宴での、セオデン王の思わせぶりの台詞もカットしていいのでは。
エオウィンの「ウェスツ・アラゴルン・ハル!」と、セオデン王の「お前が明るく元気なのが嬉しい」だけにしましょう。

ローハン軍出陣のとき、「貴女も行かれるのですか?」という台詞はアラゴルン以外の人に言わせましょう。
誰がいいかな? レゴラス? 違うなあ。メリーもちょっと違う。。。そうだ、ギムリがいました。この台詞はTTTでエオウィンとの仲良しシーンがあった、彼にこそふさわしい。
たまたま剣を見つけてしまって、「姫君、無理してるんじゃないかなあ」と心配するギムリの表情が、今から目に浮かびます。
お肌の弱いジョン・リス=デイビスさん、申し訳ないんですが、もう1度だけドワーフメイク、我慢してくださいな。

死者の道を行くアラゴルンとの会話、これは先日書いたとおり、若干の手直しが必要ですが、会話自体はあっていい。

こんなふうに、アラゴルンとの関わりの描き方を現行よりあっさり目にした上で、いよいよ療病院へ。

ここに登場するのがあの人。
そう、ヨーレスです。
なぜ彼女が必要なのかというと、私の贔屓ではなく(笑)、彼女のお喋りが無いと、何が何だかわからない。それに加えて、彼女のお喋りで間を持たせれば、エオウィンがファラミアと恋に落ちるまでに、適度に長い時間がかかることになるからです。

アラゴルン、療病院にやってくる。
ヨーレスの声が聞こえます。「こんな症状って見たことない。ほとんど息をしてらっしゃらない。怪我もひどいけれど、それだけではないわ。おかわいそうに」
アラゴルン、どうしたんだ?と見ると、瀕死のエオウィン。
あとは原作どおり。「アセラスはないか」「アセラス?」「王の草とも呼ばれている」「ああ、あれですか。良い香りがするんですよね。王が使うとすべての病や怪我を癒すことができるとかいう、古い言い伝えがあるんですよ」「お喋りはいいから早く」
アセラス治療を受けたエオウィン、見る間に顔色が良くなり、深い息をする。
「あれまあ。不思議なこと!! そうそう、ファラミアの大将殿もいっこうによくおなりにならないのです。怪我はほとんど治っているのに。医者も訳がわからないと言っています」
アセラス治療を受けたファラミア、見る間に顔色が良くなり、深い息をする。
「おお! 殿様はいったい何者でいらっしゃるのですか? 王の草を使えるということは・・・まっ、まさかっ!」
ヨーレス、療病院中に喋りまくる。「あのかたはきっと王様だよ。ゴンドールに王様が戻られたんだよ!」


この場面はどこに入れましょう?
例のゴンドール人が1人もいない会議(「陽動作戦ですね」「早くやろうぜ」の場面)のすぐ後に入れる? それとも「パランティアに勝つアラゴルン」の後に入れる?
「陽動作戦ですね」の場面で、「サウロンは信じるだろうか」と言われて、アラゴルンが「私に考えがあります」と言ってパランティアに向かう・・・という流れが大切だから、パランティアの後にしましょうか。
パランティアに勝ち、さらに「癒しの手」であることを証明する。いい流れだわ~♪

とここまで考えて、はたと思い当たりました。
もしかしたら、PJはこう考えたのではないでしょうか。
アラゴルンが堂々たる王の風格を漂わせてしまうと、「中つ国が危ない!感」が足りなくなる、と。
サウロンの勝利は目前に迫っている。
なにしろ、フロドはあんなによれよれだし、それを助けるゴンドールのリーダーもヘタレときては、万に一つも希望はない。。。

でもねえ・・・、あのオークの大群を目の前にしたら、誰だって万に一つも希望はないと思うものですよ。

原作ファンといたしましては、やっぱり黒門に向かうアラゴルンはヘタレであってほしくありません。
PJ、貴方の好みではないかもしれないけれど、やっぱり「パランティアをねじまげるアラゴルン」「王の手は癒しの手」を入れてくださいな。

療病院をここに挿入する利点として、こうすれば、黒門に向かうときはまだファラミアは病床にあるということが挙げられます。

現行のSEEのファラミアは、もうぴんぴんしてるくせに他の人たちと一緒に出陣せず、ミナス・ティリスでぼやぼやしてる軟弱男。いくら文化系だからって、あれはないでしょ。メリーが出陣してるのに。
あげくの果てに、みんなが一生懸命戦うときに、女に懸想してる。こんな奴がヘタレアラゴルン王を支えるなんて、やっぱり(エルロンド卿が吐き捨てるように言ったとおり)人間は弱いんだ、こんなことじゃミドル・アースの先は長くないなー、、と思わせてしまいます。
だから、他の人が出陣するとき、ファラミアは意識不明でいなくちゃならない。

意識を回復するのは、みんなが黒門に到着した後にしましょう。
その後のエオウィンとの仲良しシーンは、現行だと城壁の上でもないし、衆人環視でもないけれど、別に文句は言いません。でも、戴冠式のブチューグルグルがなくなるのだから、エオウィンとファラミアが普通の恋人らしく甘いキスするのも悪くないかも。だって普通だもの。2人とも人間だし。でもグルグルはやめてねグルグルは。ガハハも無しで。頼みますよ。

いくらDVDでも、こんな長いシーンを追加するわけにはいかない?
いいえいいえ、死者の道でのドタバタや、意味不明の戦闘シーン(エオウィンの素手パンチとか)をカットすれば、たぶんトントンです。大丈夫です。

次回はいよいよ最終回。「肝心のフロド組はどうなる?」です。

by foggykaoru | 2005-07-20 19:20 | 指輪物語関連 | Trackback | Comments(10)

Commented by fendi_jp at 2005-07-21 13:16
見たい見たい見たーい!
療病院のシーンはかおるさんバージョンが良い!!
そうなんですよ、私もあの場面納得いかないんですよ!
「もう病床から起きあがってるくせに、一緒に出陣しないでエオウィンとうっとりしてるファラミア」ってのが、もの凄く納得いかないんですよ!
骸骨ゴロゴロは、オールカットでいいです。あの場面中、一度もギムリの名前を口にしてやらないアラゴルンなんて、いらない。
Commented by Titmouse at 2005-07-21 15:29 x
ヨーレスのおしゃべりによる解説、やっぱり必要ですよね~。
でも、どこかで聞いた、「ファラミアの夢の中でボロミアが『王が戻られた!』と言い、ファラミアが意識を取り戻すと目の前にはアラゴルンがいた」というのも追加してほしいな。原作のようにまずファラミアが王だと認めて、ヨーレスはそれを宣伝する。出陣できないのは、腕でも三角巾でつっておけばいいから…。
Commented by wata at 2005-07-22 01:43 x
お邪魔しま〜す。
TItmouseさんの「夢の中で」いいですね。それが入れば、ゴンドール人が1人もいないで黒門出陣を決める会議の不自然さも、急に野伏から王様装束に着替えてるのも気にならなくなるかも(笑)。そして何より、ボロミアのそのセリフが聞きたいです。
Commented by mog at 2005-07-23 23:01 x
☆療病院のシーン、入れれば良いってものじゃないのよ、あの場面は。アラゴルンがゴンドールの国民に王として初めて認められる大事なシーンであり、わずかながら希望がファラミアとエオウィンの初々しい二人の姿にみえるという重要な場面なのに、ビデオクリップで済まそうなんザ、とてもじゃないが『イオレス』は許せませんよ、ねえ~?
 結局あんな出し方するからファラミアが軟弱に見えちゃうし、最後まで執政家はPJに祟られる羽目になってしまうのですから、かおる様の案で是非押していただきたい。
 骸骨作るのは大変だったとは思うけど山の民たちにとってもあれはないと思いますよ...。趣味やっぱり合わない!!とつくづくSEEみて思い知らされたシーンでしたしね。アラゴルンのヘタレココに極まれりかと思いましたもん。なんにしても療病院にもっと光を、です。
Commented by foggykaoru at 2005-07-24 21:16
フェンディさん。
でしょでしょ、あのファラミアじゃまずいでしょ。
追加映像ってのは、ただ追加すりゃいいってもんじゃないのです。
>あの場面中、一度もギムリの名前を口にしてやらないアラゴルンなんて、いらない。
劇場版でも「レゴラス!」ばかりのアラゴルンでしたが、追加映像で増えたのも「レゴラス!」だけだなんて、想定外でしたよね。
ほんとのこと言うと、「ギムリの尊厳を取り戻させるための一提言」も必要なんです。。。
Commented by foggykaoru at 2005-07-24 21:20
Titmouseさん。
その編集案に賛成!! ボロミアの登場シーンが増えるのに文句を言う幽鬼はいないだろうし。
腕を三角巾でつるのもいいし、足を骨折してロジャになってるっていうのもいいかも(爆)
Commented by foggykaoru at 2005-07-24 21:21
wataさん。
ふむ。腕を三角巾でつったファラミアが作戦会議に参加するんですね。
それはいいわ~♪
Commented by foggykaoru at 2005-07-24 21:30
mogさん。
「王の帰還」ですものね。そのことがはっきりわかるのが療病院なのだから、ちゃんとやってもらいたかったです。
PJの趣味は「お笑い版」にはばっちりだと思うので、全否定するわけじゃない、それどころか、毒皿気分が盛り上がった今、もしもほんとうに「お笑い版」が出たら買うつもりです(きっぱり爆)
要は「まともな指輪物語」とは違うということですよね。。
Commented by wata at 2005-07-26 17:46 x
すみません、言葉足らずなので補足です。私が入るといいなと思ったのは「王が戻られた」というセリフが入ること、それをファラミアの夢の中のボロミアが言うことです。ファラミアが会議に出ていて、留守を預かることがはっきりするのもうれしいですけど。
現実に撮影&編集するとしたらまとめ方が難しいとはわかることでも、あったらいいなと思う場面はいろいろありますね(笑)。
Commented by foggykaoru at 2005-07-26 21:25
wataさん。
そんな、謝っていただくようなことではありませんよ~
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