久しぶりの村上春樹
2015年 01月 23日
私は、往年の大ベストセラー「ノルウェイの森」が、どこがいいのかさっぱりわからなかったので、それ以後、村上春樹の作品には全く手を出さなくなったのです。Wikiで調べたら、「ノルウェイ~」は1987年刊行。ほとんど30年ぶり。
で、なぜこの期に及んでこの本を読んだか。
弟が入院中の母のリクエストにこたえて買って差し入れてやり、母が読み終わったので私にくれた、というわけ。
で、感想ですが
うーん。
最後まで苦労せずに読むことができました。
面白いかと訊かれると・・・
すごくつまらないわけではないんだけど。
他に読むものが無いなら、別に読んでもいいと思うよ、、、ぐらいな。
大昔読んだ村上春樹の作品の中で、一番面白かったのは「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」です。
母は読めなかったそうですが、ファンタジーを読んで育った人には読めるはず。
だからってもう一度読みたいというほどでもないけど。
他に「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」を読んだような気がします。
「羊をめぐる冒険」は確かに読みました。
遥か昔なので、よく覚えていないのですが、それまでの日本文学とは違うと感じたのは確かです。アメリカ文学っぽいような気がして、新しいタイプの作家が生まれたんだな、みたいなことを思ったものです。
でも、ジョン・アーヴィングの「熊を放つ」「ガープの世界」「ホテル・ニューハンプシャー」を読んで、「なあんだ、村上春樹はこの人のパクリじゃん」と思ったのでした。
(「熊を放つ」はわけがわからなかったけれど、「ガープ~」と「ホテル~」は強烈に面白かったです。長い小説を読みたくてたまらない人にはお薦めします)
ちなみに、「熊を放つ」は村上春樹翻訳。
プロの翻訳家でもないのに、あの長編を訳そうなんて、よっぽどアーヴィングのファンなんだろうし、翻訳作業を通じて作品の中にどっぷり浸りきってしまったのだろうから、影響を受けるのはしょうがないのかも、と思ったものでした。・・・妙に寛大だが偉そうだ>私(自爆)
「ノルウェイの森」は、もしかしたら、アーヴィングから脱皮した作品だったのかもしれない。(何も覚えていないのでよくわからない。きっと的外れです)
でもとにかく面白くなかったんで。
まあ、この本をきっかけに彼の他の本も読んでみるか、、、とはつゆほどにも思わなかったというのが、今日の結論です(苦笑)
この本に関する情報はこちら
by foggykaoru | 2015-01-23 21:20 | 普通の小説 | Trackback | Comments(8)
感覚的に似ているところが多いと感じます。
私も実はノルウェイの森しか読んだことがなく(インターの日本語の授業で読んだ)、リアルタイムな日本の文学をそれなりに楽しんだものの、私のお友達じゃないと思って、どんなに友人知人が褒めても薦めても他の本は無視していたのですが、この記事を読んだら、「熊を放つ」を紹介する文章(多分村上春樹が)を新聞で読んだ記憶がよみがえりました。そうか、あれか!
確かに引用部分は鮮烈な印象でした。
それから、ホテルニューハンプシャーは好きです
映画も好きでした(笑)
というわけで、機会があったら私も読んでみるかもしれません。
おお、仲間がいた!(笑)
「ノルウェイ」はつまらなかったけれど、「世界の終わりと・・・」は悪くなかったですよ。
このポストを書くために、関連本のレビューを熱帯雨林で読んで、「ホテル・ニューハンプシャー」を再読してみたくなりました。映画も観ましたよ!もしかしたら映画を観てから読んだのかも。
この人のエッセイ群とルポ?のアンダーグラウンドは面白いですよ。小説は読まなくて良いと思いますが、それらは機会と興味があれば。
この作家の言葉づかいの癖が、私はあまり好きではありません。例えば、「ある意味で」という記述を昔の作品からよく見かけるのですが、「ある意味で」が「どのような意味で」なのかを書いて読み手に伝えるのが作家の仕事だと思うので、そこを省略して満足している点は疑問に思っています(そのような言葉づかいはファンにはカッコいいと映るらしく、模倣した文章はよく見かけます)。また、英語を和訳しないカタカナ表記が多い(例『キャッチャー・イン・ザ・ライ』)ことも気になります。
この本は、さらりと楽しめるという点で、他の作品より好感はありますが、もっとひっそりと一部の読者に売れれば良い本じゃないか、という印象です。細部は忘れましたが、後半に出てくる、駅についてのまとまった記述には、良い印象を持ちました。
旅のエッセイ(スコットランドのウイスキー蒸留所めぐり)、短編にはいくつか好きな作品があります。
そうなんですよね。
ひっそりと読まれるのならともかく
なぜあんなに売れるか?
なぜあんなに話題になるか?
私にも謎です。一つ思いついた説としては、村上春樹にはマスコミ関係に友達が多いんじゃないかと・・・(毒爆・以下自粛)
マスコミや 自分は他人と違うと考えたい人に受ける小説ではあるのかなと思います。