京都ぎらい

井上章一著。ただいまベストセラーです。

今年度本屋大賞を受賞しただけのことはある。
とても読みやすく(文字が大きめ! そしてひらがなが多いのです)、面白い。

京都の「いけず」は伝え聞いているけれど、我々「よそもん」にとっては へー ほー の世界。
「いけず」の一番の被害者は京都の近所の人。
常日頃、洛中の人の「いけず」によって傷つけられているんですって。
大変ですねえ。関東に生まれ育ってよかったわ~

でも、物を書く人にとって、いろいろやられて屈託を抱えることは、むしろ糧となる。
だから今、筆で立つことができているのは、「いけず」のおかげなのだ、と筆者は一生懸命皮肉をこめて語っている。

そして古都で最大の勢力、それは寺。
そりゃそうなんでしょうねえ。
江戸時代まで寺の領地はそりゃあまあ広大だったそうで。
それを明治政府がふんだくった。
このあたり、英国のヘンリー8世が教会の財産をふんだくった歴史を思い出す。
近代化に至るまで、洋の東西を問わず、似たようなことがあるんだな。

そして、筆者の思いは南北朝までさかのぼる。

著者が言うように、京都に関する著者の発見が書かれているわけではなくて、誰もがなんとなく思っていたけれど、特に口に出さなかったことを、白日のもとにさらけ出した本。お薦めです。


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by foggykaoru | 2016-10-17 21:05 | エッセイ | Trackback | Comments(4)

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Commented by むっつり at 2016-10-18 21:17 x
お嫌いな熱帯雨林で注文しました。
近所の本屋には置いていませんでしたから
Commented by foggykaoru at 2016-10-19 21:24
むっつりさん。
関西の方は感じ方がちょっと違うかもしれない・・・
どうお感じになるか、興味があります。
Commented by むっつり at 2016-10-22 05:15 x
これほど極端じゃありませんが…
奈良県でもあります奈良市と奈良市以外の地域、そして奈良盆地と、その周辺の山岳地、という構造
奈良盆地は「国中(くんなか)」、周辺は「山端(やまが)」と昔は言われていたんです

でも、さすが京都は極端ですね
私のイメージどおりです
Commented by foggykaoru at 2016-10-24 20:48
むっつりさん。
洛中ってすごいですねえ。
東京の場合、たとえば銀座に生まれ育った人に対して「へええ、銀座で生まれたなんてすごい。都会っ子なんですねえ」とこっちが言うことはあっても、向うが「そちらは畑があったりするんでしょ」なんて絶対に言わない・・・と私は思います。

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