野村進著「アジア新しい物語」(文春文庫)

今回のチェコ&ドイツ旅行のとき、持っていった本がこれ。「なんでヨーロッパに行くのにアジアなんだ?」と思われるかもしれませんが、私はそういうことは全く気にしないタチなのです。

これは、アジア各国に定住する日本人たちのルポです。たまたま今住んでいるのではなく、骨を埋める覚悟を決めた人たちなので、日本企業の駐在員ではありません。そのたくましい生き様に、頭が下がる思いがしました。

もっぱらヨーロッパを中心に旅してきた私にとって、アジアの国々は遠くて近い存在です。でも、行った回数が少ない分だけ、かえって得体の知れない感じがして、心惹かれます。

日本人は自分たちの価値観を、戦後60年を通じて、絶えず欧米のそれに近づける努力をしてきたように思います。私自身のたどった道を振り返ってみてもそうです。

でも、すぐ近くに、違う価値観が支配する国々があるのです。地理的・人種的に近いとはいえ、いや、近いだけになおさら、実際にその国に定住しようとしたときにぶつかる壁は厚く感じられるかもしれません。それにも負けずにそこで生き抜こうとする人たちは、実に魅力的です。

ここにとりあげられた人々それぞれについてコメントすると、限りなくネタバレになってしまうので、何も申しません。とにかく面白いのです。どなたにもお薦め。だまされたと思って読んでみてください。

あえて感想を1つだけ挙げるなら・・・
人間はみな、自分で生きる場所を選びとり、自分の責任において生きているのだということ。
「ここに生まれたから」とか、「こういう家庭環境に生まれたから」というのは、確かにその後の人生行路に多大な影響を及ぼすものですが、それでも、人生というのはその人がどう生きるかによって違ってくる。特に、日本のように、貧困を克服した国においては。そんなことを考えてしまいました。

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by foggykaoru | 2005-09-02 21:08 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

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