須田純一著「30冊の宝物--『岩波少年少女文学全集』の思い出」(雲母書房)
2005年 11月 09日
赤いハードカバーの全集です。
この全集のうち、私が持っていたのは「夢を掘りあてた人」。トロイの遺跡を発見したシュリーマンの伝記です。確か小1か小2の頃、親が買い与えてくれたのです。
この本と、「風の又三郎」は、与えられたのが早すぎて、読みこなせるようになるまで、数年を要した本として、苦い記憶が鮮明に残っています。
数年にわたり、親から「いい本なのに、なぜ読めないの?」と責めたてられたのです。
「そりゃ酷だよ」と、今なら言えますが、当時の私は言えなかった・・・。
前書きが長くなりました。
(そう言えば、この本にも前書きがあります。ケストナーのように)
著者は東村山市の児童館に勤務している人。
子ども時代に愛読したこの全集のすべての本についての思い出が書かれています。
当然のことながら、30冊すべてがお気に入りだったというわけではないので、ごくあっさり片づけられている作品もあります。
お気に入りの作品は
「あらしの前」と「あらしの後」とか、、、
ランサムとリンドグレーンのようですよ!!
ランサム・サガ12冊のうち、全集が刊行される以前に出版されていたのは3冊。
1巻の「ツバメ号とアマゾン号」が岩波少年文庫で。
12巻の「シロクマ号となぞの鳥」が単行本だったのかしら? とにかく青と白の表紙のハードカバーの本がありました。
残る1冊が、この岩波少年少女文学全集に収録されていた、6巻の「ツバメ号の伝書バト」。
著者はこれを最初に読んだのです。
そしてすっかりハマり、1巻と12巻を読んだ。
しばらくしてランサム全集が刊行され、ようやく全貌がわかった。
こういうコースをたどった人の気持ちが包み隠さずに書かれていて、なんだか嬉しくなります。
ランサマイトの皆さん、機会があったらぜひご一読を。
この本は、正直なところ、非常に面白いというわけではありません。
著者自身「こんな個人的な感想文を読みたがる人なんかいるのだろうか?」と言っています。
でも、岩波の児童書を読んで育った人なら、感慨を抱くところがあるでしょう。
この本に関する情報はこちら
by foggykaoru | 2005-11-09 20:27 | 児童書関連 | Trackback(1) | Comments(6)
クレヨンハウスのブッククラブの今月分が配本されてきました。 今月はプロイスラーの「クラバート」。 これ昔読んですごく面白かった記憶があります。 帯で宮崎駿が「自信を持っておすすめできます」なんて言ってるけど、多分宮崎さんは本当はこれをアニメ化したかったんだと思う。 なんらかの事情で、それが出来なかったから仕方なく「ハウルの動く城」を作ったんじゃないかな。テーマも同じ「愛と魔法」だし。 このブッククラブはこのあと「空色勾玉」なんかも来るので楽しみ。 過去には岡田淳や斉藤洋さんなんかも来ました。 こん...... more
懐かしい!!(*^_^*)
ものすごーく通い詰めて図書室で読み漁りました。
児童図書館と児童館、子供の頃はコレを抜いては
生活が成り立たなかったです。久しぶりに思い出しました。
私がはじめて読んだランサムサガはなぜか「ひみつの海」で、登場人物の人間関係がわからず往生しました。(兄弟でも名前で呼び合うので。)
小学6年生の娘が、昔、私が3年生のときに読んだ名作全集をやっと読めるようになりました。ハハが、前に読ませようとして失敗した「飛ぶ教室」も、面白いといってくれています。適時性ってあるんですね。
トラバさせていただきますのでよろしく。
ようこそいらっしゃいませ♪
>ランサマイトで検索
ひぇ~~~!!!! そういう方がいらっしゃるとは!!! 書いてみるもんだ!!
最初が「ひみつの海」ですかあ。そりゃあ大変だったでしょうねえ。ウナギ族まであるんだもの。
実は先日ランサムファンの集まりがありまして、「デイジーの2人の弟の名前は何?」というクイズが出され、えーっと何だったっけと考えているうちに、ビリになってしまい、罰ゲームになったのは、何を隠そうこの私です(自爆)
トラバありがとうございます。
こちらからもお返しさせていただきますね♪
(と、ここで全集を確認)、ああ、ディーとダム!忘れていました~。
トラバありがとうございます。
面白そうな記事がたくさん。少しずつ読ませていただきます(過去の記事に「いまさら」なコメントするかもしれませんがお許しください。
そうそう、ダムとディー。
あのときのクイズには「ウォーカー家の子どもたちは何人きょうだいか?」なんてのもありました。
これはそんなに難しくないけど、慌てると間違えちゃうかも。
コメント待ってます~♪