「ナルニア」観ました
2006年 03月 09日
以下、多少のネタバレがあります。
驚くほど原作に忠実でした。ディズニーのことだから、どれほど改変されてしまうかと覚悟していたのですが、まんまでした。抜けてる台詞はビーバーさんの「魔女の食べ物を食べた顔つきをしてました」ぐらいじゃないでしょうか。本を読むのが面倒臭かったら映画を観ましょう(苦笑)
あのぐらいの厚さの本だと、普通に作ってちょうど良い長さの映画になるんだなあとしみじみしてしまいました。しかも、原作に無いシーンを付け足す余裕すらある。しかもその部分---冒頭からナルニアに行くまで---が出色の出来映え。原作のナルニアで私がいちばん物足りなく感じるのは、子どもたちのキャラがあまり立っていないことなのですが、映画のほうが追加シーンのお陰で個性が出ています。特に次男坊はつらいよ感がうまく描かれています。
つくづく思い返してみると、「ええっ?」というところは、すべて予告編に現れていたのです。だから今回本編を観て、原作そのままだと感じたのでしょう。
予告編を観て、ルーシィが衣装だんすの扉を開けると、いきなり明るい光が射すのではないかと心配していたのですが、これは杞憂でした。
結局のところ、最大の改変は子どもたちなのでしょう。
四人きょうだいの年齢順がビジュアル的にわかりやすいという利点はあるけれど、ピーターとスーザンが大きすぎて、ルーシィが小さすぎる。ちょうどいいのはエドマンドだけ。(エドマンド、お気に入りです♪)
でも、少なくともルーシィを原作よりも小さい子どもにしたのは成功だと思います。衣装だんすの奥のナルニアを見つけて大喜びするのを、今の観客に納得させるには、あのぐらい小さい子であったほうがいい。
そして、予告編観て予感していたとおり、自由ナルニアVS魔女軍の戦いは、ゴンドール&ローハンVSモルドールの戦いでした。舞台はペレンノール。ああ、どこまで続くこの既視感。魔女の軍隊の指揮官が高い岩に登って「ウオー!」はヘルム峡谷ですな。魔女軍にはやっぱオークがいるじゃん。失業して魔女に拾われたのね。王が先頭切って走っていって、敵軍とがっつん。なぜか頭の中には哀愁こもったフィドルが鳴り響く。。。こーゆーのはもっとずっと迫力あるのを何十回も見てあるから、もう見る必要ないのよ、お願いだからささっととばしてちょうだい、どんどん先にいって!
私の後ろにいるカップルの声が聞こえました。
彼女「食いつかれるところを見せないのね。やっぱりディズニーだからお子様向けなのね」
彼氏「でも、ここでは死なないんだから」
おお、よくご存知でいらっしゃる!
原作を知っていて見に来る人が、指輪と比べて圧倒的に多いのでしょう。
だから下手に改変しなかったのかも。
ところで「つのぶえ」ですが、原作でどういうときに使ったか、記憶にないのです。あんなところじゃなかったんじゃないかなあ。しかもあの程度の効き目じゃしょぼすぎ。原作の「ライオンと魔女」で使ってましたっけ? 次作品ではあれが最重要アイテムになるのですが。
・ナルニア国物語 ライオンと魔女@映画生活
あと、「ぼくは長男だ」と気負うピーターをジョンに重ね合わせてしまったんですが。スーザンも、スーザン・ペベンシーというより、むしろスーザン・ウォーカーだったような。ああわけわかんないこと言ってすいません。
by foggykaoru | 2006-03-09 19:25 | 児童書関連 | Trackback(4) | Comments(23)
●聖書のエピソードが豊富にちりばめられた物語●イエス。ピーター(使徒ペテロ)。善悪を知る木の実。裏切りのユダ。エソウとヤコブ。ゲッセマネの園。マグダラのマリア等。これらを知らないでも楽しめるが、知っていればさらに楽しめる。... more
今日3/21に、デックスエンタテイメント社から、アニメ版ナルニア国物語が届いた。実は以前、kapiさん主催のオフ会で紹介してもらったのだが、こうして全体を観賞するのは初めてだった。想像と違い、けっこう良作だったし感動もした。BBC版(のライオンと魔女)よりかはし...... more
いやー、公開してから大分経つのに、 映画館、ほぼ満席でしたよ~。 ナルニア国物語。 結構評価が低いので、 観にいくのやめようかな~、と何度も考えたんだけど、 実際に観てみたら、そんなにひどく無かったです。 みんな、大スペクタクルドラマに仕上がった、 「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズと比べちゃってるんじゃない? ナルニア国物語って、子供向けの ほんわかした話だから、 この映画はこれでいいのではないかと思いました。 でもね。 映画観ながら、 この話、こんな...... more
そう、そうなんです、次男はつらいよ、という次男坊の立場が今回の映画ではとり上げられていてよかったと思います。原作じゃはなっからの意地悪っ子にしか見えませんからね..。戦地に赴いているお父さんの写真を取りに戻るエド、屈折した次男坊をうまく演じてました。かおるさんのいいたいこと、ワカルヨウナキガシマス...。ペベンシーじゃなくてウォーカーとかというの。確かにありピーターもスーザンも丸々ぺベンシーぽくない所、ありますよね?
私も映画のエドマンド、屈折してるんだけど、根っこではちゃんと4人兄姉弟妹、というところが自然に出ていて良かったなあと思いました。予告編を見た時はいったいどうなるの? と思ったあたりも本編の中でみるとなるほど、という印象でした。
原作だと、子どもには「いい子」と「悪い子」しかいないんですよね。そこが物足りない。
スーザン・ペベンシーははもっと華やかな美人のはず。
あの質実剛健さは絶対にスーザン・ウォーカーです。
>予告編を見た時はいったいどうなるの?
思いましたよねえ。
ちょうど、「二つの塔」の予告編で、エオウィンがアラゴルンと剣をつきあわせているのを観て、ぞぞ~っとしたけれど、実際に本編を観てみたら、ああよかったって思ったのと似てます(^^;
ナルニアは間違いなくファンタジーですものねえ。
しかし、ランサム・サガは、ほとんど見かけません。
地元の図書館でも、ランサム・サガは、本棚の下の方にあって、目立たないんです。ランサマイトというのはマイノリティーという気がします。
自分はすっかり忘れていたのですが、中学生のとき妹に、
「ナルニア国物語って、どんな話?」
と聞かれて
「簡単に言うと、ウォーカー兄弟が別の世界に行って冒険する話よ」
と答えたんだって!
最近妹から改めて聞いて、そんなこと言ったかなあ、と驚きました。
スーザンの常識人ぶりは、ランサムサガではプラスの、ナルニアではマイナスの要因になっているのが面白いですね。
スーザンが、最後にまことのナルニアに行けないのは、今では単にルイスが女嫌いだから、と思っていますが、子供の頃には「ずいぶんだなあ。スーザンかわいそう」と思っていました。
賛同してくださるんですね、嬉しい♪
嬉しがりついでにもっと言いますと、あのエドマンドを見て、ロジャって精神的にタフな奴だな、とか、いや、タフというより、兄、姉のすぐ下じゃなくて、間にティティという緩衝剤?があって、しかも長年末っ子でかわいがられていたから、ああいうふうに育ったのかな?とか、妄想は果てしなく続くのであります。。。(自爆)
>「簡単に言うと、ウォーカー兄弟が別の世界に行って冒険する話よ」
あははは。。。ラッコ庵さんに座布団1枚!
ランサムのキーワードは「分別」
そしてスーザンは重要アイテム(爆)
あなたのお宅にも、消化器を1台、そしてスーザンを1人は用意しましょう!
女嫌いか。そうかもね。大人の女が嫌いなのかも。
・・・・ってことは、ルイスはロ○コンだった? あーーー問題発言だわ。ルイスのファンの方は読まないでね!
いえいえ、それに加えて、ジョンの性格もあると思います。
ピーターは、映画で見る限り、ちょっと高圧的な感じもしました。
ロジャは一番末っ子だし。
ナルニアでは末っ子はルーシーなので、エドマンドはなんとなく「ちい兄さん」であることも要求されたんじゃないかな。4人中3人目はつらいのですね。
ティティは、3人目だけど、感受性の強さで大事にされるのと、自分の世界を持つことで、うまく行っているんでしょう。
>あなたのお宅にも、消化器を1台、そしてスーザンを1人は
笑いました!
「ナルニア」と「ツバメ号とアマゾン号」を読んだ小学時代に刷り込まれた
「スーザンという名前の女の子は分別くさい」という『スーザン観』は映画でも炸裂していましたね。
長じてからの『スーザン』は「もー、男ってほんとにバカ!」と夢見がちな男性をたしなめる女性になるのでは?
やっぱり一家に一台は必要な安全装置ですね。
「あるまじろ」の管理人さんなのですね!!
貴ブログは以前から拝見していました。
で、ブログのタイトルが気になって気になって。やっぱりランサムからお取りになったのですね♪
ところで、「消化器」じゃなくて「消火器」でした。消化器担当はロジャです(爆) 間違えてもわかってくださってありがとうございます。
私もスーザン・ペベンシーとスーザン・ウォーカーの違いが分かる女なものですからついつい書きこませていただいちゃいました。(^^ゞ
スーザン・ペベンシーは「朝びらき丸...」では、見た目は綺麗だけどお勉強はあまり出来ない...などと書かれているうえ、ストッキングに熱中する女性になってしまいますものねぇ。優しい反面精神的に弱い感じがしますよね。
あの安全堅実思考はやはり分別第一のスーザン・ウォーカーでしょうね。おっしゃるとおりだと思います。
ところで、ものの本によるとピーターとエドマンドの歳の差は3歳だそうです。意外と近いですよね。
対してジョンとロジャの歳の差ははっきりしませんが、5.6歳はありそうですよね。ここまで違うともうお兄ちゃんは絶対でしょう。
この歳の差とそれぞれの兄弟関係って納得できると思いませんか?
たしか船の赤ちゃんはヴィクトリア女王の子供の頃に似ているから...と言う理由でヴィッキーと呼ばれていませんでしたかしら?
エリザベスは...う~んよく分かりません。すみません。
ナンシーがルース、ペギーがマーガレットなのは憶えているのですが...。
ようこそ♪
おお、またもや「2人のスーザン」ネタに反応してくださる方が!!
わけわからないことをつぶやいてみるのも無駄じゃないのね・・・(自爆)
映画のナルニアのピーターとエドマンドの場合、年齢差は5、6歳以上ありそうに見えました。そんなに年が離れているのに、あんなにきつくあたるなんて、(映画の)ピーター兄さん、人間ができてませんよね。
そう。ヴィッキィ。2巻では「もう年取ったヴィクトリア女王に似てなくなった」と書いてあって、本名のブリジットに戻ってます。