ジェイン・オースティン著「マンスフィールド・パーク」

私の友人には、大きくわけて、「イギリス好き」と「フランス好き」という2つのタイプの人がいます。
イギリス好きの友人の間で、ここ2、3年、静かなブームを呼んでいるのがジェイン・オースティン。この「マンスフィールド・パーク」もそんな友人が貸してくれたものです。

オースティンは10年くらい前に「自負と偏見」(「高慢と偏見」だったかも)を読みました。最近、キーラ・ナイトレイが主演した「プライドと偏見」(←観てないんだけど)の原作です。内容的には「主人公の女性が紆余曲折を経て幸せな結婚する」という話だった、ということ以外、さっぱり覚えていないのですが、とにかく印象が良かったことだけははっきり記憶しています。「オースティンはすごい」と思ったものです。

この「マンスフィールド・パーク」も、大筋としては「自負と偏見」と同じです。
主人公の女性が紆余曲折を経て幸せな結婚をする。
それだけなのに、なんと700ページ近くもある。
正直言って、最初は多少退屈なところもありました。
オバサンのどーでもいー長話とか。これがどうしようもなく非生産的。
それが、3分の1を過ぎるあたりから、がらっと変わりました。別に物語が急展開するわけではない。それどころか、ずっと同じです。でもなぜか、面白くてやめられなくなる。
これを私は「オースティン・マジック」と呼びたいと思います。(←なにを偉そうに)

オースティンに関しては、なにかというと「批判精神」が絶賛されるので、今さら同じことは言いたくないのですが、やっぱり言わざるを得ません。
中産階級に生まれて、死ぬまで田舎のお屋敷で平穏無事な生涯を送った(らしい)。
そんな女性に、いったいどうしてこんなに鋭い批判精神が育ったのだろう?
さらに、古い時代の価値観にのっとった話なのに、どうして古く感じられないのだろう?
これまた「オースティン・マジック」です。


蛇足ですが、この作品が書かれたのは1814年。19世紀初頭。
英国海軍でジャック・オーブリーが頑張っていた頃なのだなあと思うと、さらに感慨が深くなりました。

この本に関する情報はこちら
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by foggykaoru | 2006-06-13 21:23 | 普通の小説 | Trackback | Comments(2)

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Commented by kali at 2006-06-15 08:25 x
オースティンは数年前にいくつか読みましたが、
ご紹介の「マンスフィールド・パーク」は未読です。
さっそく図書館に行ってみます~(^^)

オースティンの中では「高慢と偏見」をはじめに読んだのですが、
延々と続くおばさま方のおしゃべり、直接的には見せておらず、むしろおばさま方としては隠そうとしているのに、にじみ出てくる本音、
この辺りオースティンの冷めた目線を感じました。
かと思うと、ダーシー氏は一瞬たがが外れてしまったり(笑)。
面白かったです。
今思えば、これが「オースティン・マジック」だったのですね(笑)。

「エマ」
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4122000688/249-2517511-9459560?v=glance&n=465392
こちらも面白かったです。最後が唐突でしたが(苦笑)、これもまたこの時代的なのかも・・・などと思ったものです。
Commented by foggykaoru at 2006-06-15 21:05
kaliさん。
私もこの作品は、タイトルすら知らなかったぐらいでして(苦笑)
普通、「高慢と偏見」の次は「エマ」に行きますよね、うん。
そのうちに読むつもりです。

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