エリス・ピーターズ著「修道士カドフェル」シリーズ(光文社)

c0025724_20204134.jpgカテゴリーこそ違いますが、前回の記事の続きです。

「指輪物語」の師匠である友人が、現在、カドフェル布教活動を推進中なのです。その口車に乗せられて(爆)読み、ついにここにご紹介する運びとなりました。

ジャンルとしては推理小説。でも、「捕物帖」と呼ぶほうがふさわしいかも。なにしろ12世紀の話なので、とにかくのほほ~んとしてます。
このシリーズを楽しむコツは、「カドフェルの推理に細かい突っ込みを入れない」ことかもしれません(笑)

全部で20作品(+番外編1巻)もあるせいか、何冊か読んだことがあるという人はけっこういるけれど、全巻読破した人は案外少ないような。「カドフェルが好きになるにちがいない」と思われる人も、訊いてみると、たいてい3、4冊程度でやめてしまっているのです。
その気持ち、わからないでもないのですけれどね。
正直、中だるみ感の漂う作品もあるし。

でも、歴史の香りのする小説が好きな人は、たとえちょっと飽きても、とにかく読み進んでみてください。また、特に歴史好きでなくても、アガサ・クリスティーの推理小説が好きな方だったら、きっと楽しめます。読むのは刊行順がベスト。

私の場合は、まず1巻で唸りました。これは「聖遺物」(仏教で言えば「仏舎利」みたいなものです)の話。ヨーロッパ史好き必読です。
その後しばらくの間、のんびり読み進み、再び唸ったのは7巻。そして、10巻、11巻で続けざまにノックアウトされ、このあたりから全巻読破を決心。

18巻あたりになると逆に「最後を読むのはやめよう。もうこの先は無いと思うと悲しいから」と思い始めたのですが、友人に励まされながら20巻「背教者カドフェル」を読み終え、心の底から満足しました。著者エリス・ピーターズ女史は、21巻を書いている最中に亡くなったのだそうで、それは大変残念なことなのですが、それでも彼女に20巻目を書かせてくださった神様に感謝!という気持ちです。

カドフェルシリーズの大きな魅力は、登場人物のキャラが立っていること。主人公カドフェルはもちろん、脇役陣もそれぞれいい味出してます。それ以外にも素晴らしい「特別ゲスト」が登場します。ここに言及した巻以外にも、「作品としては平凡だけれど、○×が登場するから必読!」というものもいくつかあります。それがどの作品なのかは、自分で読んで見つけてくださいね。
また、修道院というのは、めったに入れるところではないので、中がどうなっているのか、非常に興味深いものがあるのですが、その点に関しては、「神父の卵(後に俗人に戻り、結婚した)」である知人が、「あの世界の素晴らしいところも、そうでないところも、よく書けていて感心した」と言っています。

最後に、カドフェル布教活動に日夜いそしむ友人・ゆきみさんからのコメントをご紹介。
「1巻と、2巻はカドフェル・シリーズの2つの流れを代表する作品なので、絶対に両方読んでね。6巻は重要な作品なので、絶対に読んでね。私のお薦めは10巻、13巻、16巻、17巻、そしてなんと言っても20巻。最後の方は泣きながら読んでました」

なお、カドフェルシリーズのうちの何作かはBBCがドラマ化していて、NHKのBS?で放映されたことがあるそうですが、ゆきみさんによると、その多くは「原作を読んでいる人には観るに耐えない」ものなのだそうです。作品の最重要ポイントが改変されてしまったものもあるとか。なので、もしもテレビで観て「大したことない」と思った方も、だまされたと思って、ぜひ原作を読んでみてください。


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カドフェルシリーズの作品一覧はこのサイトこのページにあります。
社会思想社倒産後、一時期絶版になりましたが、現在は光文社から順次刊行されています。(ここにアップした画像は社会思想社刊のもの)

カドフェルの町シュルーズベリーのサイト

シュルーズベリーで行われていたシュルーズベリー・クエスト。面白そう♪ でも現在は行われていないそうです。残念!
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by foggykaoru | 2005-01-24 20:42 | 過去に読んだお薦め本 | Trackback(1)

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Tracked from Sextans 好奇心の.. at 2005-01-25 22:12
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