今さらまた「ハウル」
2007年 06月 25日
「紅の豚」の声なんか、なんとあのジャン・レノだったりします。
というわけで、もしもあなたがフランス語を勉強しておいででしたら、ジブリアニメをフランス語音声・日本語字幕で見ることをお薦めするのですが、それはそれとして。
最近、「ハウルの動く城」のフランス語版をチェックする機会がありました。
これがまたよかった。
この作品は日本語よりもフランス語のほうが合っているんじゃないかしら。
なんせ舞台となった町は、フランスのアルザス地方。だから、フランス語音声で観たほうが映像に合う。
それに加えて、フランス語版のハウルが魅力的なのです。(キムタクもいいけどね)
どうしてフランス語って、ハウルみたいな、「能力はあるけれど、本質的に軟弱なダメ男」に喋らせるとこんなに合うんだろう・・・?
とにかく声が素敵。台詞も素敵。
ソフィーが兵士にナンパされて困っているところにハウルが登場して、
兵「な、なんだおまえは」
ハ「この人の連れです」
この台詞、フランス語では
「Son chevalier servant」
ソン・シュヴァリエ・セルヴォン=この方に仕える騎士です
きゃーーーっ!!
・・・失礼いたしました。
それにしても、宮崎駿はなにゆえに「ハウル」をこんなふうに、つまり、女性用胸キュン映画に改変したのでしょう?
公開時、「わけわからない」とさんざん叩かれたけれど、結局のところ、観た女性は総じて「でも、ハウルがかっこいいからいいの」と夢見る夢子さんになってしまう。
(ああ、あの卵を割る手つき・・・! きゃーっ!!)
原作には全く出てこない戦争を無理矢理持ち出したのは、男性向けの、せめてもの罪滅ぼしだったりして(爆)
ハウルに関して今まで書いた記事
・原作を読んだときの感想
・映画を観たときの感想
・友人・ネタ大明神、ハウルを語る
by foggykaoru | 2007-06-25 21:24 | 児童書関連 | Trackback | Comments(14)
あれだけの強い反戦のメッセージはオリジナルだったんですね
絶対分からないのに(笑)
>ソン・シュヴァリエ・セルヴォン=この方に仕える騎士です。 いいですねえこの語感。
日本語で言っちゃうと、かまじいの手で背中を掻きむしりたくなるほど痒いセリフが、
フランス語だとサラっと御洒落に聞こえますね。不思議
でも、ダイアナ・ウイン・ジョーンズならば、他の作品にもっとおもしろいのがあるのにな、と主張し続けてきました。「魔女集会通り26番地」(新訳「魔女と暮らせば」)のクレストマンシー どうでしょ??
アニメが話題になったとき、原作読んだのですが、どうもぴんと来なかったんです。
(関連記事はこれからリンクしますね)
なぜこの作品がアニメ化されたか?
事情通によると、原作「魔法使いハウルと火の悪魔」の日本語版を出すときに、出版社のほうから「ジブリさんにアニメにしてもらえないか」と頼んできたのだそうです。
我が家のジブリ・ファンは「アニメはアニメ、原作とは別物!」と。一応それで私も納得しました。
動く城はアニメーターの腕の見せ所なんだろうでしょうね。
前々から翻訳がある本の場合、その愛読者ができてしまっているけれど、「ハウル」の場合はみんな「ぽっと出のファン」。
だからあれでもあまり問題にならなかったのでしょう。ゲドと違って。