5万4千円でアジア大横断

バックパッカーの大御所、下川裕治氏の本。これもプロバンスの旅の「おとも」だったのだが、こちらは300円もしたし、旅つながりの友人たちが読みたがると思って、大切に持って帰ってきた。

2005年、東京から極力バスでトルコまで行こうという、共同通信社の企画で敢行された旅。51歳の著者は「こんな旅はもう僕には無理なのではないか」と自問しつつも、ついその企画に乗ってしまう。よって、「ノルマ感」が色濃く漂っていることは否めないし、とにかく前進あるのみなので、「旅先での出会い」とか「ふれあい」は皆無。でも、老体に鞭打って(?)がんばる下川氏の姿が、妙にほほえましかったりするし、長年世界各国を旅人として見つめてきた氏の視点には感服させられる。

日本→韓国→中国→ベトナム→ラオス→タイまで行き、陸路では入国できないミャンマーを飛ばして、バングラデシュ→インド→パキスタン→イラン→トルコというコース。

この中でいちばん印象的なのは中国とインドのバス事情である。

中国のバスとか道路は一昔前とは比べ物にならないほど改善され、下手をすると日本以上に快適になっているのに、それ以外の部分には、先進国としてのシステムがまったく整っていないらしい。たとえば、高速道路を自転車が走るのも、人間が歩くのもアリ。高速道路の脇に降ろされたら、ガードレールをまたいで、急斜面をよじのぼって、一般道にたどりつかなくてはならない。

一方、インドのほうは、長距離バスという概念そのものが存在しない。あるのは「非常に遠くまで行く路線バス」のみ。たとえるならば、「東京発仙台行き」みたいなバスがあることはある。でも、そのバスは、東京駅八重洲口→銀座4丁目→日本橋、、、という具合に、乗降客がいる限り、こまめに停まっていくのである。そして、長時間乗る客に対するアメニティーなんて念頭にない。

中国とインドというのは、面積的に世界最大級の国であり、もっとも人口の多い国と2位の国であるわけで、やはりそういう国というのは、弱肉強食というか、どんな悪条件をも乗越える人でなければ生き抜いていけないのかなあなんて、島国でのほほんと暮らしている私は思ってしまう。

これ以上ネタバレしたくないので、それ以外のバス事情は省略するが、それぞれのお国柄が現れていて、とても興味深いということだけは保証する。旅好きにはお奨めの本。

ちなみに、この本を読んで私が行きたくなったのはラオスです。(前から行きたいと思っているんだけど)


この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2008-01-03 19:18 | その他のジャンルの本 | Trackback | Comments(5)

トラックバックURL : http://foggykaoru.exblog.jp/tb/7896162
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by ふゆき at 2008-01-03 20:24 x
あけましておめでとうございます!
本もって帰ってきてくれてありがとうございます(^-^)/
週末にでも取りに伺います。
Commented by naru at 2008-01-03 21:41 x
なーんだ、ご自身が決行した旅じゃなかったのですかぁ(笑)??
ラオスに行ったことがある中高年女性を知っていますが、とても良いところだったそうです。
Commented by foggykaoru at 2008-01-05 20:04
ふゆきちゃん。
明日、共通の友達に会うかもしれないので、持っていってみますね。
Commented by foggykaoru at 2008-01-05 20:05
naruさん。
こんなことできるのは、本物の筋金入りのバックパッカーだけですよ。
ラオスは何もないんですって。でもいいんですってね。
Commented by KIKI at 2008-01-08 23:39 x
ふゆきちゃん、ごめん、私が先に読まさせていただいてます。

まだ日本のとこしか読んでませんが言われてみればインドのバス、路線バスの延長でしたね。州によってバスの整備度が違うので、貧しいケララ州のバスはお尻が痛かったなぁ。

私もアジア横断やってみようかしら・・・とチラリと思ったけど今はパキスタン~イラン ラインが不安ですよねぇ。

ラオスは整備が遅れてるけどいい国ですよー。
特に私はご飯が最高でした。是非に!

<< のだめカンタービレ 十五少年漂流記 >>