宮尾登美子作「天璋院篤姫」

宮尾登美子の作品、久しぶりです。

今年の大河ドラマだという意識もなく、貸してもらったので、なんとなく読み始めたのですが、面白かったです。特に上巻が。友人の「心理描写が多いこの作品をドラマ化するのはたいへんそうだ」と感想には同感。篤姫の心理描写は、たとえて言うなら「指輪物語」の後半のサムの心理描写のよう。あのあたり、PJの映画ではぜーんぜん描けませんでしたからね。

篤姫が将軍に輿入れしたいきさつとか、いわゆる「女にしておくのはもったいない」女性だったということは、なんとなく知ってましたが、これを読んで、「もしも男だったら」という妄想にとらわれてしまいました。

もしも男だったら、島津斉彬の養子になったかも。
斉彬の死後、周囲はまっぷたつに割れたかも。
でも、たぶん、賢く久光に譲って、久光の片腕としてがんばって、明治新政府でそれなりの地位を得たかも。
維新における薩摩の二大ヒーロー、西郷隆盛と大久保利通は、その後違う道を進むことになり、結果的に大久保は「うまいことやりやがった奴」と(薩摩では)憎まれ、西郷は「我らが西郷どん」として敬愛されるようになったんだけど、もしも篤姫が男だったら、両方を束ねることができたかも?
つまり、西南戦争は起きなかったかも?
(あくまでも妄想ですので突っ込まないでください)

あと、「女三界に家無し」とか、身分制度というのは、自分自身はその中には絶対に身を置きたくないものですが、そういう「しばり」というのは結局モラルだし、美学なのです。これは女性に限らない。「武士のやせ我慢」という表現もあるけれど、昨今、やせ我慢が無さ過ぎるのかも。その根幹は「プライド」なんだろうな。篤姫は知性に裏打ちされたプライドをもって生きたということなのでしょう。彼女にふさわしい形容詞は「素晴らしい」とか「立派」では物足りない。いちばんぴったりくるのは「あっぱれ」なのかも。



大河の公式サイトでキャスティングを見たんですが、主役の宮崎あおいって誰?
家定役の堺雅人はちょっと見てみたいです。

斉彬役が高橋英樹かあ・・・
高橋英樹は確か「翔ぶが如く」で久光役だったような。

まっ、大昔は美貌の側用人・柳沢吉保役だった石坂浩二が、しばらくしたら吉良上野介役になったときみたいな衝撃はありませんが。


この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2008-01-12 10:04 | 日本の歴史 | Trackback | Comments(16)

トラックバックURL : http://foggykaoru.exblog.jp/tb/7966704
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by タサ at 2008-01-12 15:23 x
今年の大河ドラマ、期待してみてます。
幕末ものってことと、わたしの田舎が鹿児島でして、
「西郷さんの悪口はご法度」でございます^_^;

初回、けっこうわたし的には気に入りました。
原作読もうと思うのですが、図書館にはありません。
予約もいっぱいみたい・・・。

Commented by むっつり at 2008-01-12 19:52 x
男だったら忠臣だったでしょうね
大義に殉じるだけの度量か゜あったでしょうから
Commented by KIKI at 2008-01-13 01:16 x
「あっぱれ」って上手い表現ですね。そうですね。確かにあっぱれがふさわしいです!
ほんとドラマはどうやって進めていくんでしょうね?
心理描写より表(男幕府社会)が最後メインになってそう・・・。

宮崎あおいさんは結構色々な映画で主役をはることが多い期待されてる女優さんです。有名は有名です。
Commented by naru at 2008-01-13 01:29 x
宮崎あおい数年前NHKの1月の短期スペシャルドラマで、若いのに堂々と あの泉ピン子と
主役を渡り合った若手女優です。
私としてはあの顔が好みで、可愛いと思います。うまく伸びれば「美形の 大竹しのぶ」になりえるかも、と個人的には思っています。
Commented by 茶柱 at 2008-01-13 06:28 x
「あっぱれ」とはまさにその通りだ!と納得してしまいました。
でも大河ドラマは原作の設定だけいただいた別物になることが多いので、今回も人物像が変わっていきそうで不安です…。
宮崎あおいはNHKの連続テレビ小説でも主役を演じたことのある女優さんです。
Commented by ケルン at 2008-01-13 23:47 x
>宮崎あおいって誰?

確か、前に北村薫『スキップ』のドラマ版で竹下恵子の娘役(高校生)をやっていたような。
NHKの朝のドラマで昭和初期を舞台にピアノに情熱を燃やす女性を演じてました。
その相手役のエリートピアニストが、その後『のだめ』でオーボエの黒木くんをやりました。

境雅人さんって『新撰組!』で切腹させないでコールが高かった人ですよね。
Commented by foggykaoru at 2008-01-14 09:53
タサさん。
鹿児島出身の知人がいるのですが、地元の○ータリー財団の留学生試験の面接で「西郷さんをどう思うか」と訊かれたそうです。
そこで西郷さんの偉大さをえんえん語ったところ、「おお、君はよくわかっている!」と誉められ、合格したのだそうです(^^;
Commented by foggykaoru at 2008-01-14 09:54
むっつりさん。
薩摩藩の忠臣になったことは間違いないですね。
その後は・・・妄想するしかありませんが。
Commented by foggykaoru at 2008-01-14 09:57
KIKIさん。
>心理描写より表(男幕府社会)が最後メインになってそう・・・。
だからと言って、民放の「大奥」と同じになっても新味がないですし。
どのあたりで独自性を出すのかなあ。
Commented by foggykaoru at 2008-01-14 09:58
naruさん。
>「美形の 大竹しのぶ」になりえるかも
おお、そりゃすごい! どれほど期待されてるのかよくわかりました。
Commented by foggykaoru at 2008-01-14 09:59
茶柱さん。
>大河ドラマは原作の設定だけいただいた別物になることが多い
そうなんだ。確かに回数も最初からはっきり決められているから、原作どおりにはできないでしょうけれどね。
Commented by foggykaoru at 2008-01-14 10:01
ケルンさん。
>境雅人さんって『新撰組!』で切腹させないでコールが高かった人ですよね。
そうですー! 山南さんです。あのときは泣きました~
Commented by AngRophile at 2008-01-15 11:11 x
まったく見る気はなかったのに、この連休で初回の再放送と2回目を見てしまいました。
はまるかどうかはわかりませんが、ここまでの印象はいいですね。
歴史上の人物としては全く知りませんでしたが、薩摩藩家老の調所(ずしょ)さん役の平幹ニ郎の演技がよかった。最近の大河はあまり大物がでないので、ストーリーを追うだけで、演技を堪能のいうことはあまりなかったのですが。(そもそも大河ってほとんど見てない)
とは言っても2回めであっけなく自害...
Commented by foggykaoru at 2008-01-16 20:39
あんぐろふぁいるさん。
実は私もココのみなさんのコメントに刺激されて、第二回を見ちゃいました(^^;
>平幹ニ郎
こういう大物が出演するのがやっぱりさすがNHK、さすが大河です。

しかし、まだ全然原作の物語には入っていない・・・。
なまじっか原作を読んでいないほうがいいのかなあ。
Commented by leirani@crann at 2008-01-19 00:08 x
天璋院の孫嫁?にあたる16代宗家徳川家達夫人泰子(ひろこ)の聞き書きなど、なかなか貴重な話が満載の『花葵』という本があります。慶喜の孫にあたる方が書いた本ですが、天璋院のこともふれているようです。
以前から読みたいのですが、図書館で貸し出し中で・・・やっぱりこれも大河ドラマ人気のせいでしょうか?
Commented by foggykaoru at 2008-01-20 11:11
leiraniさん。
>慶喜の孫
へーえ。そういう筋の人から見た天璋院の話は、これまた確かに面白そう♪

<< 三連休に オーソン・ウェルズの「オセロ」 >>