「リンゴ畑のマーティン・ピピン」

エリナ・ファージョンによる、名作の誉れ高い作品。
ファージョンはなんとなく子どもの頃に読みそびれてしまい、最近になってようやく「ムギと王様」を読んで、つくづく感心したのだったが、この作品は感心したなんてレベルではなく、圧倒されてしまった。

この人、天才ですね。
ストーリーテリングの巧みさ。
そして、文章の美しさ。(石井桃子先生、素敵な翻訳をありがとう。)
子どもの頃にこの本を愛読した友人は、気に入った文章に傍線を引いていたのだそうだが、確かにそういうことをしたくなる。

これは果たして児童文学の範疇に入るのか?
大人のための本なのではないか?
と思いながら読んだのだが、あとがきを読んで納得。
やっぱりこれはもともと大人のために書かれたものだったのだ。

決してませた子どもではなかった私が、子ども時代にこの本を読んだら、どのように感じたのか、ちょっと想像がつかない。

全編に漂うものは甘美な香り。そして哀切、孤独。
「真の愛を得ることができるのは、真の孤独を知る人なのである」・・・とか、唐突に思いついてしまった。

これは買って身近に置いておくべき本のような気がする。
(ちなみに、いちばん最近、同じように思ったのは「指輪物語」を読んだときである。)

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by foggykaoru | 2008-04-25 23:00 | 児童書関連 | Trackback | Comments(11)

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Commented by ケイ at 2008-04-26 00:13 x
「リンゴ畑のマーティン・ピピン」はお気に入りです。
楽譜入り。

私が読んだのは高校生のころ。確かそのころ、ファージョンの全集が出たんだったと思う。だから、残念ながら読んだのは子どものときではなかった。
高校生は子どもであるけど、子どもではない。
もっと小さいときに読んだらどうだったかなあと私も思います。
書泉グランデの地下で買った気がする。
Commented by Elfarran at 2008-04-26 00:45 x
ひなぎくまで突っ走りました・・・
ムギとリンゴは比較的早くに刊行されていた気がするのです。
子供の頃の方がオトメなものであった気がします自分。
児童文庫に置いてあったので、なんのオトガメもなく小学生で
読んでましたが、親が話を知ってたらどうだったんだろう・・・と思います。
子供だからたくさんのメッセージは読み取れなかったです。
ただただ、息を詰めてドキドキ(若干の後ろめたさと・・・)

でも、手元に購入して持ってるのはムギの方です(笑)
Commented by ケイ at 2008-04-26 03:21 x
そう、そう、少なくともムギは児童文庫で出てました。
リンゴもあったのかもしれない。

そうか。小学生だったら、「少し後ろめたく感じる」ってことがあるんだ。
Commented by ドミノ at 2008-04-26 04:17 x
おはよーございます。仕事の納品を終えて、こんなとんでもない時間に一息いれてます。

私も小学生で読んじまいました、コレ。
感想は「なんだこれエロい・・・ドキドキ」でした。まあもうちょっと子どもらしい言葉で考えてたと思いますが。

なんといいますか、私にとっては、いまどきの言葉で言う「腐女子」的妄想の原点かも。ファージョンさんごめんなさい。でも超大好きな一冊ではあります。「地」の部分の構成がすばらしい。

そのあと、高校生くらいで「ヒナギク野」を読んだのかな?

こっちはもう哀しくて怖くて、「これ絶対子どもむきじゃない!」と思いながら読んでいました。先日朝日新聞の書評で「エルシー・ピドック」の絵本が紹介されていたけど、あれも決して「めでたしめでたし」な話じゃないと思います・・・やっぱり大好きなんですけどね。
Commented by foggykaoru at 2008-04-26 09:28
ケイさん。
そうそう。少年文庫には楽譜が付いてます。サービス満点♪
今確認したら、「リンゴ畑」の文庫は2001年刊行なんですね。
だから子どもの頃は、読みたくても「ムギと王様」しか読めなかったんだわ・・・。
Commented by foggykaoru at 2008-04-26 09:35
Elfarranさん。
ドキドキしながら読んでらしたなんて可愛いっ♪
今確認したら、「ファージョン作品集」の中の「リンゴ畑」は1972年刊行。
私はすでに大人の文庫本を読む年齢になってたわけで。
だからご縁がなかったんだ・・・
Commented by foggykaoru at 2008-04-26 09:39
ドミノさん。
別にエロい場面があるわけじゃないのに、ムードが濃厚だからエロく感じちゃうんですよね。
「ヒナギク野」は今もハードカバーしか無いみたい。重たいんだろうな。
うーん、、、、いったいいつ読めるかしら。
Commented by リンゴ畑 at 2008-04-26 10:53 x
foggyさんは、初めてだったんですね。少し意外でした。
>これは買って身近に置いておくべき本のような気がする
そうです!私もこの本は一生の友、という感じです。心のずっと奥の方にしまいこまれている本です。それでいて、いつも折にふれては思い出す本でもあります。

>真の愛を得ることができるのは、真の孤独を知る人なのである
いいですね、この言葉。この本を読んだときは13歳でしたが、「寂しいことも素敵なことなんだな」と思いました。ファージョンは孤独を生涯の友として悠々と受け容れ、常に、つらい立場にある人に思いやりを持つひとですね。文章から垣間見える、彼女の人柄が大好きです。
Commented by naru at 2008-04-27 00:45 x
みなさまのやり取りを読んで、ぜひとも読むべき、断固読まなくては!!と思います。
今までファージョンは何となく手を伸ばしかねていました。改めますね。
どうもありがとうございました。
Commented by foggykaoru at 2008-04-27 10:28
リンゴ畑さん。
年代的に読むチャンスがなかったんですよ~
>寂しいことも素敵なことなんだな」
素朴で素敵な感想ですね。
子どもにそんなふうに感じさせるなんて、さすがです。
Commented by foggykaoru at 2008-04-27 10:30
naruさん。
今の私にとって、こういうファンタジックでロマンティックな話は、必ずしも直球ど真ん中ではないんです。
それでも思わず熱帯雨林をぽちっとな、させてしまうという、すごい作品です。
ぜひご一読を。

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