「クマのプーさん」再読
2008年 05月 15日
ほほー。
と感心しました。
それにしても、これって大人のための本かも。
っていうか、目線が完全に大人の目線。
ミルンは我が子がぬいぐるみと遊んでいる様子を見て、それをネタにして本を書いたんですね。
白状いたしますと、子どもの頃の私は、そのあたりのことをよくわかっていなかったのです。プーたちがほんとうの動物なのか人形なのかということを。
いや、わかってなかったと言うと嘘になります。
あれを生身の動物とは決して思っていなかったのだから。
でも、明確に理解していたというわけではない。
それでも、そこそこ楽しく読んでいた。それが子どもというものなのです。
長じてからのクリストファー・ロビンは「プー」のことに触れられるのをひどく嫌ったと聞きますが、その気持ちはわかります。
だって、ネタにされたんですから。しかもそのやり方が露骨だし。
1つ1つの物語の間に、クリストファー・ロビンと父親の会話が差し挟まれていますが、ほんとうに子どものための本だったら、この部分は無いほうがいいかもしれない。これはよくわからないものを楽しめない大人の読者のための解説文なのだから。
でも、ネタをふくらませたミルンの力量はすごい。
登場人物(「人」ではないけれど)の持ち味が絶妙です。
特にイーヨー。子どもの頃、(好きとは言えなかったけれど)非常に気になる存在でした。
今さらですが、石井桃子さんの訳もいいですね。
読み書きのあやしいコブタの手紙に書かれた「コプタ」の「プ」
これを読んだ(これまた読み書きのあやしい)プーが「この丸いところはプーのことなんだ、つまりぼくのことなんだ」と思うわけですが、これって「コブタ=Piglet」と「プー=Pooh」の「P」の丸いところなんだ!とわかったのが、今回ちょっと嬉しかったのでした(^^;
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by foggykaoru | 2008-05-15 21:57 | 児童書関連 | Trackback | Comments(10)
あのぉー・・・石井さんの訳の印象的なのは、やっぱり(しつこいようですが)、「ク・ロ」という署名です。小学校高学年だったか、その意味に気付いた時の私の、うれしかった事!!
自分のルーツである児童文学について、色々考えさせられます。
私は今、ムーミンを読んでます(笑)子どもの時の読書って、魂に染み込んでいる
のかもしれないですね。
完全に忘れています。
実家に岩波少年文庫があるので、今度持ってこようと思います。
私は幼いころ、ディズニーの紙芝居でプーと出会いました。
本物のプーとであったのは高校生になってからです。
本物のプーがイギリス出身(?)だということがわかり(それまでディズニーのプーしか知らなかったので、なんとなくアメリカ人だと思ってました)すごく喜んだことを覚えています。
棒投げ橋にも行って、私も棒を投げてきました(笑&汗)
そうそう、トピずれですが「天璋院篤姫」を読むきっかけを与えてくださってありがとうございます。いま、もう少しで上巻を読み終えるところです。
テレビとはちゃうなぁと思い、篤姫の実像を思い浮かべつつ、読んでいます。
「プー横丁」の最後、子どもの頃にはよく分からなかったのですが、高校生の頃には切なさを感じました。
大学くらいになってからだったと思いますが、英語のペーパーバックを買って、石井桃子さんの言葉遊びの訳し方の巧みさに、ほとんど度肝を抜かれました。「カトルストン・パイ」の歌の、「すずめは はえないが はえは すずめる」という部分、原語は " A fly can't bird but a bird can fly " だったんですね。もうビックリ。逆立ちしたってこんな訳はできない、と思ったものでした。
実は2ヶ月ほど前から、近所のブッ○オフにプーの愛蔵版が半額で売っているんです。ほとんど読んだ形跡がなくてぴかぴか、挿絵は全部カラーで詩もどっさりです。
…そんなに面白いのなら、やっぱり買っちゃおうかなあ?
私の場合、ムーミンはフィンランド旅行のために読んだのですが、子どもの頃に読んだらどう感じたか、謎です。
単に嫌だなと思ったか、妙に強い印象を受けたか。
とにかく、普通の作品じゃないですよね。
私はディズニーのプーをちらっと見て、「こんなのプーじゃない!」と思ったクチです。
あの茫漠とした味わいをアニメで描くのは無理なんでしょうけれど。
>[天璋院篤姫」
バラしてしまいますと、あれは某団体のお茶会メンバーの間をぐるぐる回っていて、私のところにもやってきたんです。
実は真○のふ○ろうさんのお陰♪
「クマのプーさん」は親が買ってくれたので、何回も読んでいるんですが、「プー横町」は図書館で借りたので、1度しか読んでません。
どんな話だったかしら・・・。読まなくちゃだわ。
>" A fly can't bird but a bird can fly "
おお、そんな英語だったんですか!! 翻訳者泣かせですねえ。石井さん、さすが!