「フランスの歴史をつくった女たち・第2巻」

このシリーズは古本屋で見つけるたびに順不同に読んでいて、今回で3冊目。
原題が「Histoire d'amour de l'histoire de la France(フランス史の愛の歴史)」だけあって、早い話が国王ナントカ○世は女好きだったとか女に目がなかったとか女に手が早かったとか漁色家だったとか、王妃ナントカは負けず劣らず男たらしだったとか淫乱だったとか、そんな話ばかり。
フランス史の知識が深まるとかいうことを期待して読んではいけないのだが、超お気楽に読めて、多少は雑学が増える。

この巻はルイ11世から始まり、シャルル8世、ルイ12世、フランソワ1世、アンリ2世(妻はカトリーヌ・ド・メディシス)、そしてカトリーヌの息子3人がばたばた死んで、ヴァロワ朝が終わるまで。

今回増えた雑学。

・ブルターニュ王が亡くなった後に残されたアンヌ・ド・ブルターニュがフランス王と結婚せざるを得なくて、その結果、ブルターニュがフランスに併合されたのはなんとなく知っていた。でも、最初の夫シャルル8世が亡くなった後をついだルイ12世と再婚したのは知らなかった。立場上、(ブルターニュが併合されてしまった後は)できるかぎり王妃でいなければならなかったのだろう。男子の跡継ぎが欲しかっただろうし。ルイ12世のほうがもともとずっと魅力的だったということもあるようだけど。

・そのアンヌは男子を残すことができず、娘クロードの婿であるフランソワ1世が後を継いだ。クロードは女好きの夫の蔭でひっそりと暮らし、亡くなった。プラムの一種「レーヌ・クロード(クロード王妃)」は彼女の名前からとったもの。

・フランス国王の中で人気があるのが、フランソワ1世とアンリ4世だということは知っていたけれど、この二人はどちらも前国王の娘婿。外の血はイキがいいということなのかも。

・フランソワ1世は女好きで、気に入った女性はみんな自分のものにしてしまった。でも、絶対に「腕づくで無理矢理」はなかった。だから人気があるんだろうな。

・フランソワ1世と英国王ヘンリー8世は同世代で、「巨頭対談」をしている。会ったとき、口にキスをした。それが当時の正式なマナー!

・アンリ2世の愛人ディアーヌ・ド・ポワティエは、父王フランソワ1世の愛人だったという説があるけれど、事実ではない。

・カトリーヌ・ド・メディシスが美しい侍女たちを政敵を籠絡する部隊として使っていたことは細かく描かれているが、彼女が邪魔者を次々と毒殺していったという話は一切出てこない。

・男色趣味があったことで知られ、ヴァロワ朝最後の国王となった彼女の三男・アンリ3世。最初から男一筋だったわけではなく、若いときは人並みに女性を愛していた。

・「3人のアンリ」の1人、ギーズ公。ギーズ家がのしあがったのは、ディアーヌ・ド・ポワティエの親戚だったから。

3冊目にして思ったのだが、このシリーズ、案外まともである。単に王侯貴族の風説をちりばめておもしろおかしく書いた本ではないような気がしてきた。風説中心だったら、「メディチの毒薬」が無視されるはずがない。

でも高校生にはお勧めしません。たとえ世界史受験であっても。

あと、フランス人以外の人名表記に問題有り。
カエサル・ボルジアとルクレス、アンヌ・ブーリンには目をむいてしまった。チェーザレ・ボルジア、ルクレツィア、アン・ブーリンにしてください。


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by foggykaoru | 2008-06-22 13:49 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(6)

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Commented by サグレス at 2008-06-22 19:59 x
面白そう♪ でも高校生にはお勧めではないんですね(笑)。私は高校生の頃、マルドリュス版の「千夜一夜」を読みました。バートン版ほど凄くはないものの・・・、なぜあれが高校の図書館にあったんだろうなぁ。

カエサル・ボルジアにはびっくりですね~。ルクレスもアンヌ・ブーリンも。そりゃフランス語読みではそうかもしれませんけど・・・。
Commented by むっつり at 2008-06-22 22:18 x
私が高校生の頃に学校の図書館で見つけた「イケナイモノ」
日本の浮世絵全集です
「枕絵」が無修正で載っていました

閨閥ですね
政略結婚の上に、子孫を残すのが最大の仕事みたいなものでしたから…
致し方なかったのでしょう(高貴な方々が本能の赴くまま行動したと考えたくないので)
Commented by naru at 2008-06-22 22:56 x
高校生に薦めたくない本が、高校の図書館にあったというサイドストーリーまで十分に楽しめる、おもしろくて役に立つ日記でした!!(因みに、それらの図書館にあった理由は、その担当の司書の人が「図書館の自由」にこだわる人だったから、と考えられます)
Commented by foggykaoru at 2008-06-23 21:37
サグレスさん。
高校生には不道徳すぎます。
「千夜一夜」なら古典だからいいんじゃない?
Commented by foggykaoru at 2008-06-23 21:39
むっつりさん。
王子様やお姫様というのは、顔でなるわけじゃないから、どうにもいただけない容姿の人も少なくなくて、結婚式で相手を一目見たとたん、げんなり、というのがざらだったみたい。
だから他で遊んでもしょーがない?(爆)
Commented by foggykaoru at 2008-06-23 21:40
naruさん。
えっ? この本は古本屋で買ったんですけど。

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