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ケルト紀行を読んでアンに思いをはせる

ケルト関連の本を2冊読んで、いちばんのツボだったのが、実は「アン」関連のネタでして。アンと言ってもブーリンではなくてシャーリー。つまり「赤毛のアン」です。

「赤毛のアン」の舞台であるプリンス・エドワード島がノヴァ・スコシャ(=ニュー・スコットランド)という地方に属することは知っていました。
スコットランドは中央集権化が進まず、各地方にクラン(族)があって群雄割拠状態だったということも知っていました。

で、「スコットランド紀行」によると、クランの中でも強力だったのがマクドナルド家。
ルイス島も(マクギンティではなく)マクドナルドが支配していました。


「イングランド紀行」にはスコットランドのこともちょこっと書いてあり、それによると、エジンバラのちょっと南にリンディスファーンという島がある。
この島は「聖なる島」と呼ばれ、その昔、有名な修道院があった。
この修道院にいた有名な聖人が聖カスバート!! Cuthbertなんです。
これはマシューとマリラの苗字です。
村岡花子さんの「クスバート」になじんだ人にはぴんとこないかもしれないけれど。

松本侑子さんの研究によると、
「アン」という名前は聖母マリアの母である「聖アンナ」
「マリラ」は「聖母マリア」
「マシュー」は「聖マタイ」
ということで、この3人は「聖家族」を象徴しているのだそうです。

でもきっと、ファーストネームだけではなく、苗字にもキリスト教的な意味がこめられていたのです。(深く考えずになんとなくカスバートという苗字を選んだという可能性もゼロではないけれど。)

そして、モンゴメリの夫はマクドナルド牧師。つまりスコットランド系。
モンゴメリ自身もきっとスコットランド系であるはず。

「赤毛のアン」にはスコットランド移民の物語であり、スコットランドのキリスト教徒の宗教感が込められている。(スコットランドの人々が新大陸に渡ったのは、「クリアランス」と呼ばれる、イングランドによる陰険な「追い出し政策」のせいである、ということも初めて知りました。)

スコットランドのキリスト教というのは大勢としては非カトリック。
節約・勤勉を旨とする。

アンの周囲の人たちって、ほんとに倹約家で働き者だったなあ・・・

by foggykaoru | 2008-10-16 21:40 | 児童書関連 | Trackback(1) | Comments(2)

Tracked from Sea Songs at 2008-10-21 07:06
タイトル : スコティッシュ・カナダ
友人のブログで話を出したので、カナダに見られるスコットランド的なものについて説明... more
Commented by Titmouse at 2008-10-16 22:32 x
プリンスエドワード島やノヴァスコシアは本当にスコットランドっぽいですよね。州のタータン柄が決まっていたり、おみやげのトレーナーにゲール語が書いてあったり、空港にバグパイプ吹いている人がいたりでびっくりでした。
母が行きたがっているけど、旅行友達に同好の士がいないらしいので、一緒に行けたらなあと思案しています。
Commented by foggykaoru at 2008-10-17 21:43
Titmouseさん。
へえええ、あのあたりってそんなにスコットランドっぽいんですか! 知らなかった~
「アン」にはタータンチェックもゲール語もバグパイプも出てこなかったから。
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