foggyな読書

「アホイ」について

バベルの塔
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マゼランが世界一周したときに乗っていたビクトリア号を復元した船が、今、日本に来ています。 5月はしばらくの間、東京の有明に停泊していたのですが、そろそろ名古屋に向かうはず。名古屋の次は大阪だそうです。 西日本の帆船好きな方、このチャンスを逃しませんように。 で、私はというと、先週末に見てきました。その詳細は、そのうちにメインサイトのアーサー・ランサムのコーナーにアップする予定です。ただし、予定はあくまでも未定であって、決定ではありません(苦笑) 本記事のカテゴリーは「バベルの塔」。すなわち言語ネタ。それもヒジョーに軽いネタです。正直、こんなのアップしちゃっていいのかねと思わないでもないのですが、まあいいか。 私たち(「アーサー・ランサム・クラブ(略してARC)」という名前の団体です)は、船上に通訳がいるとわかったとたん、思いつく限りの質問を浴びせかけました。その質問の中には、船に関するまともな質問、たとえば「この船のバラストはどうなっているのか?」というのもありましたが、まともでないのもかなりあったわけで。 普通の人はまず絶対にしないだろうけれど、私たちにとっては最重要かもしれない質問はこれでした。 「スペイン語で『アホイ!』はどう言うのか?」 "Ahoy!"とは、英語で船に呼びかけるときの決まり文句。 日本語にはそれに相当する水夫言葉は無さそうだけれど、あえて言えば「おーい!」でしょうか。 スペイン人乗組員に、その質問の趣旨を理解させるだけでもけっこう大変でしたが、手を変え品を変え例を変え説明した結果、得た答えは 「アッ デルバルコ」 この時は「バルコ」はたぶん「船」という意味だな、と想像しただけでしたが、その後、ARCのメーリングリストで事後研究がなされ、この言葉が"Ah del barco!"であり、英語の"Ship ahoy!"に相当することが判明しました。つまり、ただの「アホイ」ではなかった。 ここで私は考えました。 フランス語で「アホイ!」は何と言うんだろう? フランス語の間投詞としては、"Ah!"(アー) とか、"Oh!"(オー)をまず思いつきますが、"He!"(エー。"e"の上に右上がりのアクセント記号が付きます)なんてのもあります。 そう言えば、フランスの古い子どもの歌に"Il etait un petit navire"(昔、小さな船がありました)というのがあって、「オエオエー」というかけ声が出てきたなあ。 日本人の語感には、まるで船酔いしてるみたいで、初めて教わったとき、「げげっ」と思ったものです。 そんなことを考えながら、英仏辞典を調べたら、 Ship ahoy! = Oh du navire! (オー デュナヴィール) または Ohe du navire! (オエー デュナヴィール)とあるではありませんか!! ("ohe"の"e"の上には右上がりのアクセント記号が付きます) 「オエー」は「アホイ」だったんだ。。。しばし感慨に浸った私でした。 この歌はこちらで歌詞を見ながら聴けます。歌詞を読むときは「文字のエンコード」を「西ヨーロッパ言語」にしてください。 楽譜が見たい方には、こちらがいいでしょう。ただし、楽譜の下の歌詞にミスプリントがあって、肝心の「オエオエー」が「オアオアー」になっていますが。 この歌、1番しか知らなかったのですが、最後まで読んでみたら、けっこう面白かったので、ご紹介します。 ================================== 昔 一度も航海に出たことのない小さな船があった オエオエー それが長い航海に出た 地中海を航海した オエオエー 5、6週間たったら食べるものがなくなった オエオエー みんなでクジを引いた 誰を食べるか決めるために オエオエー クジに当たったのは一番年下の水夫だった そいつを食べることになった オエオエー みんなはソースは何にしようかと考えた 可哀想に少年は食べられてしまう オエオエー ある者はフライにしようと言い またある者はフリカッセにしようと言った オエオエー みんなが話し合ってる間に 彼はトプスルに登った オエオエー 彼はてっぺんで神に祈った そして果てしない海を眺めた オエオエー 周りは海だけ そしてどっちを向いても 波しか見えない オエオエー おお、聖母マリアさま! 不運な少年は叫んだ オエオエー 私が罪を犯したというのならお赦しください あいつらが私を食べないようにしてください オエオエー その瞬間 少年にとって大きな奇跡が起きた オエオエー 何千という小さな魚が 船に飛び込んできた オエオエー その魚を捕まえてフライにした 少年は助かった オエオエー この話が気に入ったんなら また始めから話してやってもいいんだぜ オエオエー ==================================== めでたしめでたし。 途中までは、日本人にとってまさに「オエオエー」の世界なのでした(笑)
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