カテゴリ:エッセイ( 149 )

目まいのする散歩

武田泰淳のエッセイ。
この人については「ひかりごけ」という小説を書いたということと、奥さんが武田百合子という人だということだけ知っていた。
古本屋で見つけて、裏表紙に野間文学賞受賞作と書いてあったから、ためしに読んでみた。

彼のかなり晩年のエッセイ。
なにしろ、すぐ目まいがするような体調なのです。

古き日本を訪ねるような感じ。
そんなにせっせと続きを読みたいという気分にはならなくて、読み始めてから終わるまでに1か月ぐらいかかった。
しかも、その途中ではさんだのが、白洲正子のエッセイだったりしたものだから、「ひとり昭和初期モード」に入ってしまったような。

いちばん最後に収録されているのが、ソ連旅行記。
これはこれで、最近読んだ椎名誠のシベリア旅行記とかぶるし。

で、一番興味を惹かれたのは奥さんである。
かなりぶっとんだ人だったようで。(そうい意味で白洲正子とかぶる)
彼女の本を読んでみたくなった。

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by foggykaoru | 2017-10-29 16:01 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

ほんもの

副題は「白洲次郎のことなど」
著者は白洲次郎の妻である白洲正子。

この夫婦と青山二郎という人の名前は昔から知っているのだけれど、いったいどういう人たちなのか、さっぱりわかっていなかった。
この本のお蔭で長年の疑問がようやく解けた。

興味深い夫婦ですねえ。

そして、巻末の解説を書いているのが夫妻の娘。
これが面白い。もしかしたら、本編よりも面白い?!
有名人の子どもが、親をネタにして商売しているのを馬鹿にしていた。でも気づいたら自分も同じことをしている、、と正直に言っているところがオモシロイ。
しかも、「母は子どものことをほっぽらかしにしていたと言っていたけれど、それは本当。だから子どもたちはみんな、ろくなものになってません」と結んでいる。あっぱれです。

白洲次郎は「これから戦争で大変なことになる」と考え、田舎にひっこんで農業を始めた。
イギリスのカントリージェントルマンをお手本にしたらしいけど。
その「田舎」というのが、小田急線の鶴川で、旧白洲邸は「武相荘(ぶあいそう)」という名前で一般公開されているのだそうだ。

今度そっち方面に行く機会があったら、寄ってみようかな。

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by foggykaoru | 2017-10-22 21:50 | エッセイ | Trackback | Comments(2)

薬石としての本たち

著者は南木佳士。
ずっと勤務医と作家の二足の草鞋を履き続けてきた南木さんだが、この本は定年退職後に書かれたもの。
作家一本になって、雰囲気が少し変わった。
元気になった感じ。余裕が出たのだろう。

この本は小説ではなく、エッセイだが、各エピソードごとに南木さんの愛読書が紹介されている。本の紹介がメインではないけれど。
全体的にかなり難しげな本ばかりで(哲学書とか)、気軽に手を伸ばせないのが残念。

一つだけ、これなら読んでみようかなと思ったのが、佐久総合病院のもと院長・若月俊一の「村で病気とたたかう」
でも、全部読むかはわからない。

なんせ、酒の席で若月院長にからんだ南木さんが
「あの本で面白いのは最初の2ぺージだけだ」
とほざいたら、
「真面目に書いたのはあそこだけだから」
と返されたんだそうだ。

図書館にあったら、とりあえず2ぺージだけは読んでみよう。






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by foggykaoru | 2017-10-14 06:41 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

皿の中に、イタリア

内田洋子のイタリア・エッセイ集。

読んでから1か月ぐらいたってしまったので、ほとんど覚えていないのだけれど、「久しぶりにいい本に出会えた」と思ったことだけは覚えている。

今まで読んだ本よりも、一篇が短いような。
タイトルどおり、食べ物に関わるお話でまとめられているので、美味しそうで楽しい。
けど、内田さんのエッセイは楽しくても、能天気ではない。人生の悲哀がある。そこが味わい深いゆえん。

今、これを書きながら、ぱらぱらめくってみているのだけれど、また読んでみよう。

ヨーロッパ好きにはお薦め。
イタリア好きには超お薦め。
イタリア好きでなくても、読んだらイタリアに対する興味が湧くかも。
とにかく、地方によってこんなに違うのか!と驚いてしまう。
イタリアだけじゃなく、今カタルーニャ独立問題で揺れているスペインあたりは、地方ごとの違いが大きいのだろうな。



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by foggykaoru | 2017-10-07 19:39 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

パリ仕込みお料理ノート

石井好子の料理エッセイ。

この人の本は古いので、刊行当時は新鮮だった料理も、今の日本人にとってはもはやおなじみだったりする。

で、今の私にとって新鮮だったのは、食べ物関係よりも、往年のシャンソン歌手の逸話。
「ラ・メール」で有名なシャルル・トレネが、実はとっても嫌な人だったとか・・・。

どうでもいい話ですがね。

しかも、こんな話が通じる人は、あんまりいない。
私の同年代にも古すぎる話。
私は、父が愛聴していたNHK・FMの「午後のシャンソン」(by葦原英了)を、なんとなく聴いていたからこそ、わかるんです。

もしも父が存命だったら、貸してあげたい本でした。






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by foggykaoru | 2017-08-29 21:11 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

旅をする木

これも旅の前に読んだんでした。

星野道夫著。
本屋に行くと、しょっちゅう目につき、ずっと前から気になっていた本です。

でも、アラスカの話でしょ。
私は自然ばかりのところは得意じゃない。
興味があるのは、人間の暮らし。営み。
しかも、しみじみしていて、じっくり味わう本でしょ。
そういうのも、実はあんまり得意じゃないのよ。

と思って、ずーっとスルーしていたのですが、今回、ブック○フで108円だったので、ちょっと勇気を奮って読んでみたのです。

1999年第1刷。2016年第33刷。
すごいロングセラー。いつも本屋にあるわけだ。

読んでみて

確かにしみじみ。
じっくり味わうタイプの本。
でも、思いのほか楽しめた。
星野さんの文章力に負うところが大きいと思う。
厳しい大自然に囲まれてみたいという気になる。

さらに、とても意外だったことがひとつ。

星野さんがアラスカに惹かれたきっかけは、北のさいはての集落の写真。
厳しい大自然の中で暮らす人々が、彼の興味の対象だったのだ。

そこにぐっときました。
星野さんを身近に感じました。



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by foggykaoru | 2017-08-25 22:07 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

探検家、40歳の事情

ご無沙汰いたしました。旅に出て、帰ってきました。
感想文がたまっております。
まずは旅行前に読んだこの本。

角幡唯介著。

この人と高野秀行の本は新刊で買うことにしています。
多大な経費をかけて、しかも体を張って、絶対に私が行けない(行かない)ところに行ってくれてるんだもん。印税をあげなくちゃね。

著者の日常や、過去の思い出を綴ったエッセイ集。
あとがきでご本人がおっしゃっているとおり、とても軽い。
「ネタ話」的な色合いが濃いものも散見。

で、いちばん記憶が残っているのは最初の話。
角幡氏は結局、どこに家を買ったのかしら?

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by foggykaoru | 2017-08-21 07:06 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

ショパンに飽きたら、ミステリー

著者の青柳いづみこの本職はピアニスト。「翼のはえた指」で知った人である。
彼女のピアノはいまだにきいたことがないのだけれど、ほんとうに書ける人だなと改めて感じた。
そして、すごい読書量だなと感嘆した。

というのは、この本、雑誌「EQ」に連載していたエッセイを集めたものなのであり、音楽に関わりのあるミステリー小説の紹介なのだ。
ミステリー専門誌にそんなエッセイを依頼されるなんて、ただものじゃない。
しかも6年も連載していたのだ。

紹介されているほとんどのミステリー作品は未読なのだけれど、とても面白くて、読んでみようかなという気にさせる。

この本はすぐには断捨離しないことにする。


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by foggykaoru | 2017-08-01 23:07 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

まひるの散歩

角田光代のエッセイ。
もともと雑誌「オレンジページ」に連載されていたものだそうで、最初のほうは食べ物関連のネタ。
でも、後半は種が尽きたらしく、普通のエッセイになってしまった。

さすが売れっ子作家だけあって、まあまあ面白かったけど、一つ一つが短すぎ。

再読は無いな。即処分箱行きです。

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by foggykaoru | 2017-07-20 20:54 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

ブラック・ジャックは遠かった

副題「阪大医学部ふらふら青春記」からうかがえるとおり、阪大出身のお医者さんが過ごした学生生活の思い出の記。

著者の久坂部羊(くさかべ・よう)という人を知らなかったので、あとがきを読んでみたらこんなことが書いてありました。
単行本になると決まったとき、彼女(著者の奥さん)が最初に言ったセリフはこうだ。
「そんな本、買う人おるん?」
私がムキになって「おもしろいことも書いてるやろ。昭和の医学生の記録にもなってるし」と反論すると、彼女はこう言った。
「わたし、基本的に他人のことは興味ないから」
「夫は他人かい!」と、そんときは悶絶しながらツッコんだ。
<中略>文庫化が決まったときも、彼女は反射的にこう言った。
「えーっ、大丈夫? わたしやったら、ぜったい出さへんわ」
わはははは・・・。これは楽しそうだな、と思って読んでみたのでした。

まあ、どうってことないけれど、面白いです。

南木佳士が自らの学生時代をもとに書いた「医学生」とは全然違う。
あっちは暗い。暗くても面白いけど。
こっちは明るい。能天気です。
あっちは秋田大学の学生のバイブルになってるそうです。
こっちはバイブル・・・・ではないかも。
こっちは私と限りなく同世代なので、その時代感がよーくわかるところが、個人的にはツボです。
のんきでいい時代だったなあ。


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by foggykaoru | 2017-04-17 20:29 | エッセイ | Trackback | Comments(0)