カテゴリ:普通の小説( 123 )

太陽の塔

最近ちょっと注目の森見登美彦の出世作。

ファンタジーノベル大賞受賞作だというので、どんなファンタジーかと思ったら、いつまでたってもファンタジーにならない。
その代わりに、恋人にふられた大学生の悶々が延々と。
男子のこういう述懐は、女子の私にはあんまりピンとこないのよね。

結果的にファンタジーなんだろうけど、じゃなくて、確かにファンタジーなんだけど、その要素は10パーセントぐらい。
それでもファンタジーノベル大賞に値するのだというのが、わたし的には発見でした。

「宵山万華鏡」のほうがずっと好きです。

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by foggykaoru | 2016-12-21 22:27 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

3時のアッコちゃん

「ランチのアッコちゃん」の続編。

前作でちょっと唐突に感じられたエピソードが、ちゃんとつながります。
作者の柚木麻子さんは、子供の頃から児童文学に親しんで育った人なのだろうな
と感じてはいたのですが、絶対にそう。

「アッコちゃん」は、閉塞した現代日本で苦労している若者たちにとってのメアリー・ポピンズなのであります。

若者というには歳をとり過ぎている人にも、けっこうお薦めです。






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by foggykaoru | 2016-12-11 11:59 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

ランチのアッコちゃん

作者は柚木麻子という人。
本屋でよく見かけて、ちょっと気になっていた本。
友人曰く「けっこういいよ。・・・ものすごく期待されると、どうかなって感じだけど」
というわけで、あまり期待せずに読みました。

短編が4つ。
とても軽くて、さっさと読めます。
面白かったです。
とても軽いけれど、物足りない感じはしません。

アッコちゃんがメインの作品ばかりではありません。
面白いのはアッコちゃんメインのものです。
なかなか強烈。

この人の他の小説も読んでみたくなりました。

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by foggykaoru | 2016-12-05 21:35 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

宵山万華鏡

最近注目している森見登美彦の作品。
各章は独立した作品としても読めるけれど、密接に関連していて、最後まで読むと一つのまとまりとなっています。

ファンタジーの色合いが素敵です。私の好みです。
宵山というイベントは京都ではよっぽど特別なものなのでしょうかね。
行ってみたくなってしまいます。
でもきっと、行ったら、蒸し暑いだろうし、人ごみに辟易するのがオチだろう・・・




ところで、最近、あることに気づいたんです。
小説というのは、どうやら自分よりも年上の人が書いたもののほうが楽しめるらしい、ということ。

年を取るというのは、身体があちこち具合が悪くなったり、物忘れが激しくなったりするだけでも、なかなかに憂鬱なものなのですが、もう一つ、本好きにとって問題が生じてくる。
自分が年を取るにつれて、巷で目にする本の著者の「年下率」が増していくのです。
だから好きな作家を見つけるのが、だんだん難しくなってくる。。。

そんな中で出会ったのが森見登美彦。
この人の作品は食い足りなくありません。(少なくとも今のところは。)
いやー ほっとした。よかったよかった。








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by foggykaoru | 2016-12-01 21:01 | 普通の小説 | Trackback | Comments(2)

戦場のコックたち

作者は深緑野分という人。すごい名前だ。

友人から「翻訳ものをたくさん読んでいる人にお薦め」と言われて読んだ。

ありがとう友よ。
私はたいそう気に入りました。

久しぶりに読みごたえのある小説を読みました。
ここんとこ、ピンとくる本にあまり出会えず、欲求不満を覚えていましたが、この本は堪能しました。90点!

舞台は第二次世界大戦末期。
アメリカ人の若者が、生きるために軍隊に志願し、コック兵となる。
頼りになる先輩や同輩、頼りにならない先輩や同輩たちとともに、D-day、つまりノルマンディー上陸作戦に参加、その後も戦いの日々を送る。

軍隊を舞台としているけれど、ミステリー風味もある。
だから、2016年度の「このミステリーがすごい!」国内編で第二位になってます。
でも、ミステリーだと思って読むと物足りないかもしれない。いや、物足りないにきまってる!
だから、そんなランキングに登場してしまったのは、この作品にとって不幸なことだったかもしれない。
あくまでも「ミステリー風味の小説」なのです。

そんなことより
この小説の最大の特色は、日本の小説離れしている・・・まるで翻訳小説を読んでいるみたいであること。
でも翻訳じゃないから、翻訳調の日本語ではないのです。
つまり、下手な翻訳ものにありがちな、不自然な日本語は無い・・・とは言えない。
というのは、作者があえて翻訳調にしているところがあるのです。
たとえば、主人公はしばしば周囲から軽く見られて「キッド」と呼ばれる。kidです。
もしもこれが翻訳小説で、「キッド」と訳されていたら、私は相当イラっとくることでしょう。
をいをい、もっと工夫しろよ!「坊主」とかなんとか訳せないのか? と毒づくことでしょう。

さらに、舞台がヨーロッパ、というところも、私には直球ど真ん中でした。

たくさんの資料をもとにして書き上げられた作品です。
世界史の授業では、ノルマンディー上陸大作戦後、連合軍(というよりアメリカ軍)は、大量の物資を後ろ盾として、怒涛の勢いでドイツ軍を蹴散らしていった、というイメージだったのですが、実際の戦場ではそんな楽勝だったわけではなく、血みどろの戦いだったということをしみじみ感じました。
兵士たちは若い命をどんどん散らしていくのです。アメリカ人も、ドイツ人も。

ところで
思わぬところでトールキンの名前が出てきてびっくり。
この作者は指輪物語のファンに違いない。
・・・だからこんなに長い小説を書いたに違いない!(笑)




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by foggykaoru | 2016-11-16 20:49 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

さがしもの

角田光代の短編集。
すべて「本にまつわる物語」です。
ただ、具体的に本の題名は出てこない。
そこがちょっと物足りない。

もしも実在の本の名前が出ていたら、たとえその本を読んでいなくても、「へえ、そういう本があるのか」と思いながら読むのに。
そして、もしかしたら、潜在意識に残って、いずれその本を手にすることがあるかもしれないのに。

まあまあです。でも前項の池澤夏樹に比べると浅い感じ。70点。


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by foggykaoru | 2016-11-07 21:14 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

きみのためのバラ

池澤夏樹の短編集。
旅を題材としたものが多くて、なかなか面白いなと思って読み進み、最後の一篇を残したところで雑事に取り紛れてストップしてしまった。

再び手にとったのは1か月ぐらい後。
前に読んだ部分はほとんど忘れてしまっていた・・・(涙)

読了してからぱらぱらっと読み直して、
そーか、そーか、この話けっこう面白かったっけ
とか
こっちはそれほど好きじゃなかったな
とか
少~しだけ思い出しました(苦笑)

たぶん、100点満点の85点ぐらい。

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by foggykaoru | 2016-11-03 07:19 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

新版 走れメロス

「聖なる怠け者の冒険」で興味を惹かれた森見登美彦の短編集。
タイトルで想像できるとおり、古典的な小説のパロディーです。

こういうのはもとネタを知っているほうが面白いもので。
だから、原作を読んだことのある、「山月記」と「走れメロス」は面白かったです。
「山月記」のほうは、ある意味、常識的。
「走れメロス」のほうがぶっとんでいます。
「藪の中」「桜の森の満開の下」「百物語」は読んだことがないのでちょっと・・・

でもそれなりに楽しめました。
「聖なる・・・」の作者ですから、基本、かなりくだらない。

京都の学生のおバカ具合がなかなかです。

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by foggykaoru | 2016-10-26 20:07 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

聖なる怠け者の冒険

「京都ぎらい」でちょっと京都モードになっていたところに、「京都本大賞受賞」という言葉が飛び込んできて、ついつい買ってしまった。

森見登美彦という作家は知らなかったのだけれど、ファンタジーノベル大賞を受賞しているそうだから、この小説もファンタジーなのかな? と思いつつ。
確かにファンタジーでした。ジブリのアニメか何かを見ている気分。

なんともはや、とことんくだらない話です。
どの登場人物にも、感情移入なんかできない。
でも、ついつい読んでしまいました。
(「ついつい」が多いなあ)
そして、もう1度最初からじっくり読み直しました。
ということは、かなり気に入ったらしい(苦笑)

素晴らしき週末、しかも土曜日1日の冒険です。
たった1日のことを1冊かけて書いているということ自体が、わりと好みなんですよね。
なにしろあの長~いランサム読んで育ったもんで。

この作家、もうちょっと読んでみようかな。
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by foggykaoru | 2016-10-20 19:57 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

家族

古本屋で購入。
南木佳士の私小説。
このブログを読んでくださっている方はよくご存知だと思うけれど、私はこの作家をわりとフォローしているのです。

実父を見送る話。
題材的に、ただでさえ暗い話になるしかない。
そしてなおかつ南木さんの描く世界はもともと「しんねいむっつり」の世界。
自らの生い立ちと、父親に対する屈折した思いが丹念に描かれてます。
一般受けはしないでしょうね。
でも、南木さんのファンなら読むでしょ!
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by foggykaoru | 2016-06-14 23:07 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)