カテゴリ:ルポ・ノンフィクション( 95 )

ブータン「幸福な国」の不都合な真実

著者の根本かおるという人は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の職員だった人。
だから難民問題の本。しかも「幸福な国」として大売出し中のブータンの難民。

「幸福度」で有名になる前から、ブータン王室は皇室と交流があることで知られていたけれど、この王室、実はとっても新しい。まずそこにびっくり。日本の皇室とはぜんぜん違うんです。

そして、その国王(今の人のお父さん?)が、あるときいきなり国勢調査を行い、国民を仕分けした。
そして「これこれの条件に合わない人はブータン国民ではない」と、国籍をはく奪してしまった・・・

知らなかった。
報道ってほんとに一面的。

エンタメ要素のない、正統派のノンフィクションなので、ひたすら真面目。高野秀行さんや内澤旬子さんの本とは違う。
でも、読んでおいて損はない本。

国連難民高等弁務官事務所というところの仕事ぶりもわかる。
当然のことながら、かなり苦労が多そう。
確か、雅子妃の妹さんが働いていたんですよね。
外務省でなく、そういうところで働いていれば、皇室に入ることはなかっただろうな・・・なんて、どうでもいいことを思ったり。




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by foggykaoru | 2014-02-15 16:31 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(4)

飼い喰い

ずっと前から気にしていた本。
2週間ぐらい前に読み終わったので、すでに印象が薄れているのだけれど、

とても面白いです。

『世界屠畜紀行』で世界中の屠畜の現場をルポしてまわった内澤旬子さんが、自分で育てた豚を食べよう!
と思いついて実行してしまった顛末。
その間、彼女のブログで逐一報告されていて、「最後の晩餐」にはブログの読者も同席していたという。
ほんとに残念。私が彼女のブログを見つけたのは、この本が出版された後だった・・・

「豚を飼うのはそんなに難しくない」と言われて思い立ったはいいものの、実際にはそんなに簡単ではないわけで。
でも自分で始めたことだし、乗りかかった船、やめるわけにはいかない。その必死な姿が面白可笑しい・・・というところが、高野秀行氏と似ている。

考えてみたら、これって彼女の新境地?

というのは、『世界屠畜紀行』はルポ。あちこちに行っているけれど、身体を張っているわけじゃない。
『身体のいいなり』は、身体を張ってるけど、自らの意志とは関係なく病気になったわけで。

豚をほふるところのは自宅ではなく、屠畜場で、育てた本人はただ見てるだけ、、というのがちょっと残念でした。
しょうがないんだけどね。


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by foggykaoru | 2014-02-03 20:07 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

あやしい探検隊

副題は『バリ島横恋慕』
椎名誠著。ユーズドでしか買えません。

椎名さんとその友人のバリ島探訪記。
登山あり、キャンプあり、たまに高級ホテルあり、という、私が絶対にしない(できない)旅。
気の合う仲間同士のアウトドアっていいな。

今から20年近く前なので、ウブドもかなりのどかな感じ。
行くのが遅すぎたかもと思ったり。
でも観光客用にある程度しつらえてもらってから行くほうが楽なのは確かなんだよね。
年齢とともにもとから大して無い体力がますます衰えている私には、今のウブドは悪くないです。

メインサイトでバリ島滞在記連載中。


下の写真はウブドのホテルの朝食券とアフタヌーンティー券。
日本人経営のホテルなので、部屋の名前が日本語なんです。「海」とか。
私たちの部屋はMORI、つまり「森」だったんです。

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by foggykaoru | 2014-01-04 10:40 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

アフリカで寝る

1997年度エッセイスト・クラブ賞受賞。私が読んだのは文庫で1998年刊。ユーズドでしか買えません。
著者の松本仁一がナイロビ支局にいたころ、朝日新聞に連載していたルポ。もしかして、連載当時に読んでたかも?

高野さんの本を読みなれた目には、お行儀がよくて、読み始めたときは少し物足りなく感じてしまいました。が、読み進んでいくと、なかなかいいな、さすが賞を取っただけのことはあると思いました。
でも、もともと新聞で1日に1篇ずつ読むために書かれたものなので、一気にたくさん読むと、ちょっと飽きます。
通勤時、行きに1篇、帰りに1篇読むのがいちばん。
古い話ばかりですが、古くなっていない。(たぶん)
政権が変わったりはしていても、アフリカの抱える本質的な問題はまったく変わっていないのだと思います。

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by foggykaoru | 2013-12-13 21:20 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(6)

雪男は向うからやって来た

角幡唯介著。
近日中にこの人の「アグルーカの行方」を読む予定なのだけれど、その前にこちらを。
講談社ノンフィクション賞を取り損なったという、彼の実質的なデビュー作なのです。

タイトルどおり、雪男の話です。
ヒマラヤに雪男を探しに行くという、高野秀行氏向きのネタです。
角幡さんはUMA(未確認生物)なんて、まるきり興味が無いのだけれど、せっかく来た話だし、ちょうど暇だし、、、ということで「雪男探索隊」に同行するのです。(高野さん、悔しかったでしょうね。)

当然、雪男は見つからない。
だって見つかっていたら世界的に報道されてたはずだもの。
そういう意味で、「ムベンベ」と共通するところがとても多いのですが、書く人によってこんなに雰囲気が違ってくるのか!と感動しました。「ムベンベ」を読んでないあなたにもお勧めです。「空白の五マイル」のときにも思ったのだけれど、角幡さんは読ませます。正直、「面白くてやめられない」というタイプではないのだけれど、読むうちにじわじわと感動する。「読書の醍醐味」という言葉を思い出しました。

賞を取れなかった本でこのレベル。ますます「アグルーカ」が楽しみになってきました。


文庫版あとがきを書いているのは三浦しをん。ほんとうは高野さんに書いてほしかったところだけれど、世の中にはあとがきを読んでその本を買う人も少なくない。だから、知名度抜群の三浦しをんが
本書は「読んで損した」ということが決してない傑作だ。
と書いているのは、売り上げに少なからず貢献していることでしょう。



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by foggykaoru | 2013-12-06 20:02 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

空白の五マイル

著者の角幡唯介氏は高野さんの後輩。早稲田の探検部出身である。そもそも彼の名前を知ったのは高野さんの「辺境中毒!」に収録されている対談の相手としてである。
今年、彼の『アグルーカの行方』が高野さんの『ソマリランド』とともに講談社ノンフィクション賞を受賞したというので、まずはデビュー作のこちらから読むことにした。

チベットの奥地にあるツアンボー峡谷は、長年、冒険野郎たちの心をそそってきたが、その険しさから、いまだに踏破した人は出ていない。まだ「空白の五マイル」が残っている。その五マイルを踏破するぞ!と思い定めた角幡さんの奮闘記である。

すごい。これぞ探検、冒険。
いくつ命があっても足りないとはこのことだ。
しかも元新聞記者。読ませる文章である。

単行本は2010年刊行。
いくつもの賞を受賞しているが、これだけハードでまっとうな探検記なら当然のこと。
「まっとう」というのは、高野さんの探検はまっとうではない、ということが、この本を読んでつくづくわかってしまったのである。
ハードはハードなんだけどね。たとえば『アヘン王国』とか『西南シルクロード』とか。でも、まっとうではない。だから高野さんは長いこと日の目を見なかったんだな。

私は高野さんの本のほうがタイプです。
というのは、高野さんの探索の対象が「人間」だから。
厳しい大自然も悪くないけれど、私は自然そのものよりも、自然と人間との関わりのほうに興味があるのです。

若いときに何かを読んで、「そこに行きたい」と思う気持ちはとてもよくわかります。
子供時代に本を読んだことがきっかけで、「死ぬまでに絶対に行こう」と思いさだめた土地が、(飛行機には乗るけれど)電車を乗り継いで行けるところでほんとうによかった(苦笑)

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by foggykaoru | 2013-11-16 19:09 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(6)

未来国家ブータン

高野本。ハードカバーを購入(←いばってどうする)

かなり長く続いた『ソマリランド』の余韻。
この本を読んだときに、ようやくそれが薄くなっていたのかもしれない。
あるいは、この本がそれに負けないほど面白かったのかもしれない。
とにかく非常に楽しめました。

なによりもまず、ブータン旅行の目的がいい。
ネタバレになるから詳しく書かないけれど、本来、というか、表向きは非常に真面目な目的がある。
でも、高野さんが本当にやりたいのは、それとは別。世間一般の常識から言ったら不真面目・不謹慎。
で、高野さんは、真面目なミッションをこなしつつ、不真面目(でも本気)な探索を試みる。
この二つのバランスというか、ミックスがいいのです。こういう本は高野さん以外には書けない。

結果的には、ブータンという国のありようが描き出されます。
二つの目的が達成されたかどうかはおいといて。

高野さんという人は知的だなとしみじみ思います。
視野が広いのは世界旅しているから? いやいやいや。旅したって大して広くならない人もいる。
でも彼の場合、旅の経験が糧になっているのは確かです。

お父上は高校の先生だったそうですが、高野さんもいい先生になれただろうと思います。あ、これは『ソマリランド』のときにも思ったんだっけ。

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by foggykaoru | 2013-10-28 20:28 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(2)

世にも奇妙なマラソン大会

見放題だと思うとついつい『あまちゃん』を観直してしまい、更新どころじゃなくなりまして。ほんとうは綾野剛くんが出演した『カーネーション』も観てみたいのですが、必死に我慢してます。
NHKオンデマンド、退会するべきかも。

この本読んだの、1か月近く前です。印象薄くなってるので、感想文も薄いです。ごめん。

時系列としては『腰痛探検家』の悪戦苦闘のあと。
そんなにあとではなさそうなのに、衝動的にマラソン大会に参加しちゃうなんて。
しかも灼熱のサハラ砂漠で。
フルマラソン経験ゼロなのに。

ありえない。

フツーの人だったらやらないって。

そこをやっちゃうところが高野さんです。
だから本が書ける(笑)

マラソン大会だけでは1冊分にならなかったようで、後半は高野さんが体験した奇妙な出来事を綴った短編集となっている。
ブルガリアの体験とか・・・あれだけ旅してるのに、鈍すぎでしょう!!

高野本としてはまあまあねというレベル。
っていうか、『ソマリランド』の余韻が強すぎて。

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by foggykaoru | 2013-10-20 17:17 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(2)

移民の宴

『ソマリランド』を読んで、高野本は文庫化を待たないことにしました。
これからも高野さんにいろんなところに行ってもらうためには、印税の高い単行本を買うべきだと。

で、買ったこの本。

日本に暮らす外国の人々の食生活のルポ。
高野さんならではの企画、なんだけれど・・・
たぶん、順番がいけなかった。渾身の『ソマリランド』のすぐあとに読んじゃいけなかった。
しかも読んだのが1か月前。ほとんど覚えていない(涙)


印象に残っているのは朝鮮出身の整体の先生(カムバ~ック!!)と、イラン出身のダンサーの女性。
イランは外食するといまひとつ美味しくない、ということは、この本を読む前から聞いていた。
でも、家庭料理は非常に美味しいんだと。その理由は(以下略)

あと、日本のモスクは東京ジャーミーだけではない、それどころかあちこちにある、ということを知りました。

西葛西にインド人が多い理由もわかった。

フランス料理はそんなに気取ってないんだよね、と思ったことも今思い出した。

311を体験した外国人妻たちのことも・・・

なんだかんだ言って、けっこう覚えてるじゃん。
どうやら、けっこう印象深かったってことらしいです(苦笑)

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by foggykaoru | 2013-10-10 19:16 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(2)

謎の独立国家ソマリランド

高野秀行渾身の作ということで以前から注目していたら、講談社ノンフィクション賞を受賞、さらに本屋さん大賞のノンフィクション部門で1位を取った!
文庫になってないけど、しょうがない、読もう、ということに(苦笑)
ちょっとご無沙汰だった高野本、読み始めたらやっぱり面白い。
分厚くて重たいけれど、電車の中でも読みました。一気読み。

賞を取るだけのことはある。
高野本はそれぞれに魅力があるけれど、これはベストかもしれない。

ソマリアの海賊は有名だけれど、ソマリアの実態は3つの国家に分かれているのだそうだ。
国際的に認められているソマリア。これは南の3分の1。非常に治安が悪い。
それ以外にソマリランドとプントランドがあり海賊国家はプントランド。
一番北に位置するソマリランドは他の2つとはくらべものにならないほど平和。
しかも民主国家。ある意味、日本よりうまくいっている?!

高野さんのディープな潜入ぶりは「アヘン王国」や「西南シルクロード」を書いた二十代のころと変わらない。
昔と違うのは経済力。今回は相当なお金をかけている。
お金がないとどうしようもないエリアなのだ。
ガードマンを雇わないと危なくてしょうがないから。
文庫が売れて、印税が入ったからこそできるようになった旅だと言える。
よかったね。
私も文庫をせっせと買ってよかった。


これ以上ネタバレしない。とにかく読んでみて。


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by foggykaoru | 2013-09-09 21:46 | ルポ・ノンフィクション | Trackback(1) | Comments(14)