カテゴリ:日本の歴史( 9 )

殿様の通信簿

「武士の家計簿」(←未読です)で知られる磯田道史の本。

歴史上の有名人が、実際にはどんな人となりだったのか。
浅野内匠頭はもともと「殿中」をやらかしかねない人だったらしい、とか、面白いです。

一番スペースを割いて書かれているのが前田家。
前田利家は秀吉の仲良しだったけれど、徳川の世にもしっかり前田家は存続し、ただ存続しただけではなくて、最後まで相当存在感があった、ということは知っていた。
ひょっとしたら、西が豊臣、東が徳川、というふうに、日本は2つに分かれても不思議はないぐらい、徳川の天下統一はきわどかったそうで、そのときの前田家の動きが趨勢を決したそうで。
利家→利長→利常 という流れがなかなかに興味深かったです。
利常が前田家の家督を継ぐことができたいきさつが特に面白い。
「もしもコルシカがイタリアのままだったらナポレオンは皇帝になれなかった」ぐらいに。(ちょっと違う。ぜんぜん違う!)

司馬遼太郎がこういうネタを得たら、小説に仕立てたんでしょうね。



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by foggykaoru | 2016-09-08 20:58 | 日本の歴史 | Trackback | Comments(4)

喧嘩両成敗の誕生

著者は清水克之。高野秀行さんとの対談でその名を知った、日本史の専門家。

彼が初めて書いた一般人向けの本で、かなり話題になったそうで。
たまには日本史の本を読むか、と思って読んでみました。

いやーーー
読み終えるのが大変でした。
面倒くさくなって、途中で軽いエッセイ集2冊に浮気しました(苦笑)

つまらないわけじゃない。面白いんですよ。
同じ日本人だからと言って、何百年も前なんだから、今の日本人とメンタリティーが違っていて当然。
荒っぽいし、名誉を傷つけられたら我慢できずに手を出す。
ちょっとした小競り合いが、とんでもない大騒動に発展したり。

大昔を舞台にした小説や伝説(指輪物語とか)を思い出して、なるほどね、と思った。
読み物の場合、現代との感覚の違いを説明することができるし、読者も時間をかけてなじんでいくことができる。
でも、それを映画化するときには、現代感覚に変えてしまうことが多い。映像で描くのが難しいから。

日本史が好きな人には超お薦めなのではないかと思う。
でも、本質的に日本史に大して興味がない(ごめん!)私には、興味深かったけど、ちょいと長すぎました。正直なところ、3分の2でよかったよ。

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by foggykaoru | 2015-12-26 20:10 | 日本の歴史 | Trackback | Comments(0)

天災から日本史を読みなおす

今から3週間ぐらい前に読了。
著者は磯田道史。かの「武士の家計簿」を書いた人です。←偉そうに言ってるけど未読
「日本エッセイスト・クラブ賞受賞!」という帯につられて購入。
そういう惹句にけっこう影響される私です(苦笑)

とても読みやすくて面白かった。
もうあんまり覚えてないけど(涙)
東日本大震災の津波関連の話が中心かと思ったら、それ以外にもいろいろ。
古来から日本には地震が多いのだけれど、それが日本史に影響している。
秀吉も大震災で動きを止められてしまったのが、あとあとまで響いた、とか。

著者は以前から日本の自然災害の記録に興味を持っていて、ずっと調べていたんだそうで。
だから付け焼き刃じゃないのです。

日本人なら読んでおいていいかもよ。
でも私みたいにすぐ忘れる人は読んでもしょうがない?!(自爆)

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by foggykaoru | 2015-09-30 20:17 | 日本の歴史 | Trackback | Comments(2)

名著講義

藤原正彦がお茶の水女子大で担当していた「読書ゼミ」の再現本。
熱帯雨林のレビューで絶賛されているほどではなかったけれど、かなり面白く読めました。
こういう授業、受けてみたかったな。
と思いつつも、もしも私がお茶大の学生だったとしても、この授業は登録しなかっただろうとも思います。
人気があって抽選に当たらないと受けられない授業なんて、めんどくさがって最初から希望しない学生だったので。


ただ、現在の私にとっては、「日本はマスコミで喧伝されているような、恥ずかしい歴史を持った国ではなく、過去の日本や日本人にはいろいろ素晴らしいところがあった」ということは、別に目新しいことではない。

そういう目を最初に見開かせてくれたのは、1989年の夏、フランス短期留学。
タイの留学生と知り合ったのです。
ああ、自分はこっち側なんだと思った。
それまでは欧米がすべてにおいて日本に優れていると思い、欧米に自分を合わせなければならないような気がしていた。
でも、無理をしていたんだ。
タイの人と一緒にいるほうがずっと気持ちが楽だ。
彼らが王室を素直に尊敬していることに驚嘆し、うらやましく思った。
「戦前の日本人はこんなだったんじゃないか」
「戦争が日本と日本人の美風をぶち壊したのかも」

そうこうしているうちに、ラフカディオ・ハーンが日本の素晴らしさを見出して、深く愛した、というようなことをテレビドラマで知りました。(ハーン役はジョージ・チャキリスだったっけ)

そして、1996年(だったかな?)に行ったミャンマー。
ほれ込みました。
「タイの人々が戦前の日本人だとしたら、ここの人々はハーンが出会った江戸末期から明治初期の日本人なのかも」


話は戻って
藤原教授の課題図書のうち、読んだことがあるのはキャサリン・サンソムの「東京に暮す」のみ。
この本、なんとなく捨てがたくて、断捨離してません。
この際、読み直してみようかな。

あと、内村鑑三の「代表的日本人」と宮本常一という人の「忘れられた日本人」を読んでみたくなった。
それと「福翁自伝」ね。すごく面白そう。


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by foggykaoru | 2015-04-08 20:10 | 日本の歴史 | Trackback | Comments(0)

最後の将軍

司馬遼太郎作。

徳川慶喜は幕末ものの大河ドラマに必ず登場するので、ドラマレベルのことは知っていた。
歴代将軍の中でトップを争うぐらい頭が良かったとか、ここぞというときに逃げちゃったのだとか。
でも、江戸が火の海にならずに済み、日本に外国の軍隊が入って植民地にならなかったのは、彼のお蔭だったかも、、とか。

それらをおさらいした感じで、新味はなかった。
でも、この人についていった人は災難だったなあとしみじみ思った。
まず、重臣は次から次へと非業の死を遂げる。
慶喜が変な行動をするのはみんな奸臣のせいだ、と思いこまれて。
彼ら自身だって慶喜の考え方にはついていけなかったのに。
そして会津。どう考えても可哀想。
お殿様はいい気なものです。

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by foggykaoru | 2014-09-03 19:17 | 日本の歴史 | Trackback | Comments(0)

王城の護衛者

司馬遼太郎の短編集。
あまりにも有名なこの人だが、彼の著者のうち、今までに読んだことがあるのはいくつかのエッセイ、そして「街道を行く」シリーズだけ。しかも日本の道ではなくて、オランダとアイルランドの道なのである。というのは旅行の下準備として読んだから。

今回この本を手に取ったきっかけは「八重の桜」である。
もっと正確に言うと、会津藩主役の綾野剛くん。
この短編集の表題作が松平容保の話なのである。
ドラマで観た知識を「ふむふむ」と確認しつつ、補強することができた。

他の作品の中で特に印象深かったのが、岩倉具視の代筆者というか懐刀だった人の話。(もう名前を忘れてる(涙))

日本史、特に幕末から維新への流れをもうちょっと知るべきだと改めて思った。
これから司馬遼太郎、読もうかな。
読み始めたら当分の間、読むものがなくて困る、という事態にはならないだろうし。

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by foggykaoru | 2013-10-13 11:11 | 日本の歴史 | Trackback | Comments(0)

坊ちゃんの時代

古本屋で見つけた。
関川夏央・谷口ジローのコンビによるマンガ。
マンガなんて買うの、何十年ぶりだろう・・・

内容は「漱石を中心に据えた、マンガ明治の歴史」。
必ずしも史実に基づいているわけではないけれど、描かれているのは明治という時代。
とても面白くて拾い物だった。
今のこの国の出発点みたいなものが、見えてくる感じ。

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by foggykaoru | 2010-03-14 19:10 | 日本の歴史 | Trackback | Comments(4)

宮尾登美子作「天璋院篤姫」

宮尾登美子の作品、久しぶりです。

今年の大河ドラマだという意識もなく、貸してもらったので、なんとなく読み始めたのですが、面白かったです。特に上巻が。友人の「心理描写が多いこの作品をドラマ化するのはたいへんそうだ」と感想には同感。篤姫の心理描写は、たとえて言うなら「指輪物語」の後半のサムの心理描写のよう。あのあたり、PJの映画ではぜーんぜん描けませんでしたからね。

篤姫が将軍に輿入れしたいきさつとか、いわゆる「女にしておくのはもったいない」女性だったということは、なんとなく知ってましたが、これを読んで、「もしも男だったら」という妄想にとらわれてしまいました。

もしも男だったら、島津斉彬の養子になったかも。
斉彬の死後、周囲はまっぷたつに割れたかも。
でも、たぶん、賢く久光に譲って、久光の片腕としてがんばって、明治新政府でそれなりの地位を得たかも。
維新における薩摩の二大ヒーロー、西郷隆盛と大久保利通は、その後違う道を進むことになり、結果的に大久保は「うまいことやりやがった奴」と(薩摩では)憎まれ、西郷は「我らが西郷どん」として敬愛されるようになったんだけど、もしも篤姫が男だったら、両方を束ねることができたかも?
つまり、西南戦争は起きなかったかも?
(あくまでも妄想ですので突っ込まないでください)

あと、「女三界に家無し」とか、身分制度というのは、自分自身はその中には絶対に身を置きたくないものですが、そういう「しばり」というのは結局モラルだし、美学なのです。これは女性に限らない。「武士のやせ我慢」という表現もあるけれど、昨今、やせ我慢が無さ過ぎるのかも。その根幹は「プライド」なんだろうな。篤姫は知性に裏打ちされたプライドをもって生きたということなのでしょう。彼女にふさわしい形容詞は「素晴らしい」とか「立派」では物足りない。いちばんぴったりくるのは「あっぱれ」なのかも。



大河の公式サイトでキャスティングを見たんですが、主役の宮崎あおいって誰?
家定役の堺雅人はちょっと見てみたいです。

斉彬役が高橋英樹かあ・・・
高橋英樹は確か「翔ぶが如く」で久光役だったような。

まっ、大昔は美貌の側用人・柳沢吉保役だった石坂浩二が、しばらくしたら吉良上野介役になったときみたいな衝撃はありませんが。


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by foggykaoru | 2008-01-12 10:04 | 日本の歴史 | Trackback | Comments(16)

阿刀田高著「楽しい古事記」(角川文庫)

日本人なのに、日本のことを知らなすぎだと反省して読みました。

さすがに天の岩戸とか、ヤマトノオロチとかはよく覚えていたけれど、オオクニヌシノミコト、海幸彦山幸彦、ヤマトタケル等々となると、名前以外は忘却の彼方だったので、ほんとうに勉強になりました。しかも、単なる紹介ではなく、阿刀田氏によるわかりやすい解説付き。たとえば、ヤマトタケルという人が実在したわけではなく、朝廷が各地を制圧していく際、いろいろな人によって行われた征伐を、ヤマトタケルという1人の人物の物語に集約したということであるとか。

私はこういう解説を読むのが好きです。
つまり、神話や伝説そのものにロマンを感じるというよりも、歴史が好きなのです。

葦原の中つ国ができた経緯も、一応知っていたけれど、まとまったものを読むのはこれが初めてでした。いろいろ感慨がありました。特にヨーロッパとの比較において。ヨーロッパ各地にも「国造り」に関する伝説や神話はたくさんあったのだろうけれど、後世、キリスト教一色に染め上げられてしまったため、今も残っているものはかなり少ないのではないでしょうか。単に私が知らないだけかもしれないけれど。

古事記に収められている神話だって、朝廷側の都合でかなりねじ曲げられてしまっているらしいけれど、ケルトの信仰が一神教のキリスト教に変質させられたことと比べたら、大したことではないのでは。「八百万の神」という基本理念(!)は保たれているのだから。
島国だということも幸いしたのだろうけれど、同じ島国であるイギリスだって、ローマ化され、キリスト教化された上に、ついにはフランスのノルマンディーからやってきたウィリアム(仏名ギヨーム)に征服されてしまったのだから、ブリテン島の土着の神話なんて消え去ってしまっている(と、トールキンという人は嘆いている)。

そう考えてくると、日本というのは、自前の伝説・神話がかなりきちんとした形で残っているという点で、世界でも特に幸運な国なのかなと思ったりして。
・・・なんだか、すごく平凡な結論で申し訳ありません。でも、つくづくそう思ったんです。

でも、せっかく時代を超えて生き延びてきたものを、学術的に究めることができない現状を、残念に思います。
たとえば、古墳の中を調べられない。
なまじっか天皇制が健在なせいで。
というわけで、もうそろそろ天皇制やめてもいいんじゃない?と思ってしまったというのが、今日の最終的な結論です。
皇室って大変そうですしね。雅子さんを見よ。皇后陛下だって、今でこそお元気ですが、以前声を失ったりしてますし。その一方で、日本にはろくな政治家がいないから、外国とのおつきあいの専門職として、皇室は存続させたほうがいいという意見もあります。それもわからないでもないんですけどね。。うーむ。

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by foggykaoru | 2005-05-04 20:52 | 日本の歴史 | Trackback | Comments(2)