カテゴリ:児童書関連( 266 )

時をかける少女

「何を今さら」と言われそうな、筒井康隆のジュブナイル。

前に書いたかもしれないけれど、私がこの作品を知ったのは、NHKの少年ドラマ「タイムトラベラー」を通じてです。
前に書いたかもしれないけれど、主人公の芳山信子役を演じていた島田淳子と、小学校の(クラスは違うけど)同学年で(あー年がバレる)、ある日(たぶん初回か2回目くらい)たまたまドラマを観たら、「うっそー! 淳子ちゃんだ」とびっくりして、そのまま最終回まで見続けたということで。

で、原作を読んだことがあるのかどうか、わからないので、今回読んでみたわけです。

記憶に残っているドラマどおりの印象で、新たな発見は特にありませんでした。

この作品、書かれたのは1960年代なんですね。ドラマ化は70年代だけど。
古き良き時代の匂いがしました。
昭和。

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by foggykaoru | 2017-10-23 21:36 | 児童書関連 | Trackback | Comments(0)

スターリンの鼻が落っこちた

児童文学です。
作者はユージン・イェルチンという、旧ソ連生まれの人。
後になってアメリカに亡命したそうです。
きっといろいろあったんだろう。。。

タイトルから想像できるとおり、スターリン時代のお話。
主人公は、スターリンを英雄としてあがめている素直な少年。

ほんっとに恐ろしい時代だったのだということがよくわかる。
けど、児童文学として好きかと問われれば・・・ 否。

岩波書店の本です。
最近、少年文庫で盛んに昔の本の復刻版や新訳版を出したり、それ自体は悪いことじゃないけれど、新しい本を開拓する力がなくなってしまったんじゃないかとちょっぴり心配してた岩波書店。
久々に新しい本を出したんですね♪

で も

新しい本っていっても これかよ! と思わないでもない。
ものすごくマイナーな方向に切り込んだな という感じ。

別にいいんですけどね。。。


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by foggykaoru | 2016-12-07 21:13 | 児童書関連 | Trackback | Comments(2)

永遠の出口

森絵都のジュブナイル短編集。図書館で借りた。

小4の主人公が高3になるまでの、各年代のエピソードが語られている。
一つの長編にしなかったところがユニークだ。

子供心に受けた傷、青春の蹉跌がてんこ盛り。
若いときに読むと、人によっては「直球ど真ん中」という気分になるのではないか。
そうでなくても楽しく読めるはず。
なにしろ、年代的に大きくずれてる私ですら、楽しく読めたのだから。

でも正直言って、今の私には、前項の「家族」とか、このすぐ後に読んだ本のほうがしっくりきたのでした。
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by foggykaoru | 2016-06-16 21:34 | 児童書関連 | Trackback | Comments(0)

大オオハムはイギリス諸島にいない

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「シロクマ号となぞの鳥」の岩波少年文庫版、ついに2016年1月15日に刊行されました。
いや~、よかったよかった。

正直なところ、「はやく! はやく!」とせかされているうちに、はっと気づくと「さようなら!」と、いきなり子供たちと別れさせられてしまうこの巻、あまり得意ではありません。
子供のころ、あまり読み返していないので、どこがどう改訳されたのかさっぱりわからないのですが、とりあえず「風笛」が「バグパイプ」になっているのには納得。

「風笛」は長年の謎でした。
大学の頃、スコットランドに行って、バグパイプの音色をさんざん聞いたのですが、それこそがあの風笛だったのだと気づいたのは、それからさらに数年(数十年)後のことでした。

さらに、「great nothern」という鳥が「大オオハム」でなくなったことは一目でわかりました。

事情通の友人によりますと、全集刊行時、「great nothern」の和名は決まっていなかったそうで。若き神宮輝夫先生は山科鳥類研究所(←なんとなくやんごとなき香りがする研究所です)の大御所の助言をもとに「大オオハム」としたのだそうです。
その後、和名が決まった。
だから、この文庫版に登場する鳥の名称は、その和名なのです。

ゆえに、「大オオハム」はイギリス諸島で巣をつくらない。
それどころか、そもそもイギリス諸島には(っていうかどこにも)存在しない。

で、この本の内容自体には関係ないけれど、見つけてしまいましたよ、ミスを。
上巻216ページの訳注(2)。全集の間違った訳注をそのまま流用しています。「オオバンクラブ」にはたまご収集家なんか登場しないってば!!

巻末の解説は、白百合女子大学の児童文学科の人の手になるもの。
ランサム愛にあふれていて感動的。必読です。
特にうなったのは「わたしたち、コックだからわからない」の場面について。
こんなふうにかわせるのは、大人の女性だからなのかもしれません。
ほんとうにそうだよね! 
あまり読み返していないこの巻の中で、くっきりと覚えているのがこの場面。
ほんとうに大人の女性じゃなければ、こんなことは言えない。
・・・今の私より大人かもしれない(自爆)


「シロクマ号となぞの鳥」の舞台を訪れた旅行記、メインサイトにあります。
児童文学メインの旅ではなかったので、一般旅行記の中に埋もれているのですが、このページに続く数ページは、ランサムファンのための旅行記。一般ピープルは相手にしてない(苦笑)
お暇があるときに、覗いてやっていただけると嬉しいです。
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by foggykaoru | 2016-03-22 21:10 | 児童書関連 | Trackback | Comments(7)

王への手紙

「CREA2月号」の「大人になっても読みたい少年少女文学100のリスト」で知った。
オランダで最もよく読まれている児童文学なのだそうだ。

思いがけず隣国の王への手紙を託された少年の「行きて帰りし物語」。

非常にテンポが速いです。
岩波少年文庫で上下巻に分かれているというのは、長いと言うべきなのかもしれないけれど、長さを感じさせません。
次から次へと降りかかる試練。それをどんどん乗り越える主人公。
飽きさせずに読ませるけれど、個人的にはちょいと物足りませんでした。
深みが無いというか。

でも、そこが万人受けする要因の一つでもあるのでしょう。。。

作者トンケ・ドラフトは学校の先生だったそうで。
目の前にいる生徒を楽しませようとして書いた物語として、大成功していると思います。


翻訳に関して。
「そなたは」という台詞の中に「~というタイプ」という言葉遣いが混在しているのは絶対におかしい。
あと、「ブラウン修道院」も「茶色の僧院」のほうがよかったのでは?
他の地名が「青い川」とか「みどりの森」「白い丘」なんだから。

この本に関する情報はこちら
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by foggykaoru | 2016-02-09 21:43 | 児童書関連 | Trackback | Comments(7)

児童文学好き必読です

c0025724_20365182.jpg今月発売の「CREA」2月号。
なにしろ特集が「大人の少年少女文学。」
女性雑誌なので、男性には買いにくいかな。

昨年末から楽しみにしていたんです。
というのは、実は某団体の友人数名が若干関わっておりまして。

福田里香さんというお菓子研究家による「ヘンな食べ物図鑑」が素晴らしい。

「おいしそうな食べ物ベスト30」に「ブランマンジェ」が入っていて、懐かしかったです。

いちゃもんつけたいのは「好きな映像化作品ベスト30」。
なんであれが入ってないんかなあ。
TV作品も含まれてるからしょうがない? 
でも、あれこそが「奇跡の映像化」なんだよ。

上の写真で付箋をつけてるのは、私がいちばん大切に思っている作品(群)の言及があるページです。
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by foggykaoru | 2016-01-11 20:54 | 児童書関連 | Trackback(1) | Comments(6)

アップルパイにからしは不要[追記あり]

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「スカラブ号の夏休み」の新訳。2015年7月刊行。
アップルパイにはカスタードが必要なんです。よかったよかった。
ネタがなくなってしまってしまったのはちょっと寂しいけど(爆)

この巻、ツバメたちが登場しないけれど、昔からかなりお気に入りです。
かねてから思っていたのですが、大おばさんの調査からラストまでが実に面白い。いろんな人たちがてんでにしゃべってて、その中でひときわいい味を出しているのがコック。
で、ディックったら「コックはなぜ泣いているのかなあ」とか言っちゃって。をいをい教授さんよー。

でも、一か所、意味不明なところがあったんでした。
どこだったっけ・・・

巻末の原稿を書いているランサムファン、よーく知っている人でした。あー驚いた。ほとんど月1で会ってるのに、何も教えてくれないんだもん。

追記です。意味不明なところはここ。
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by foggykaoru | 2015-08-03 22:50 | 児童書関連 | Trackback | Comments(8)

永遠に捨てられないもの

今日のネタはマニア向けです。多くの方にとっては謎だと思いますがご容赦ください。

「断捨離」とか「こんまり」がブームになるよりもずっと前、思い立って大々的な片づけをしたことがあります。
当時の主眼はあくまでも整理整頓だったので、今回に比べると、捨て方が甘い。
それでも「これは捨てていいんじゃないか」と思ったものがある。

それはこの3冊の辞書。
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辞書は(古語辞典でもない限り)生もの。
特にこの程度の日常使いの外国語の辞書は、どしどし新しいのに買い替えるべき。

でも捨てられなかった。

その理由は見開きにあります。
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ラテン語です。
その昔、イギリスの学生が、辞書の見開きに書いたのだそうで。
「この本はわたしのもの 
 証人は神様 
 もし盗めば 
 首つりにされる」(神宮輝夫訳)

これを書いたときの気持ちがよみがえってきて、どうしても捨てられないのです。
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by foggykaoru | 2015-03-19 19:19 | 児童書関連 | Trackback | Comments(4)

たくまざるユーモアを感じました

c0025724_117672.jpg昨年の10月に刊行されたのに、購入するのを忘れてました。「六人」とこの作品にはあまり思い入れがない私。
というわけで、逆に妙なストレスなく読めました。「キャプテン・フリント」は自動的に「フリント船長」と読み替えるんですがね(苦笑)

この本はタイトルどおり「女海賊の島」の物語。子どもたちは問題じゃない。
ミス・リーが登場しているところは面白い。
特にラテン語!! 今回読んでみて、これは「ネタ」だなあとしみじみ思いました。英国人のユーモアだと思う。

思い入れはなくても、この言葉は小学生の私の心に焼き付いています。
仕事をもっていて、そのやり方を心得ているということは、この世でいちばんいいことの一つだ。

この台詞を万年プー太郎に言わせているのもユーモアなのかな?
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by foggykaoru | 2015-03-08 11:15 | 児童書関連 | Trackback | Comments(4)

またやぶけの夕焼け

高野秀行さんの本はほとんど読んだのだけれど、これはまだだった。
あえて読まなくてもいいかなと思っていたんだけど、一応読んでみようと。
八王子で遊びまわった子ども時代の思い出が、一応小説仕立てで描かれている。

ランサム的であるとは言える。

が、

うーむ・・・・
老人ホームめぐりの合間に読むにはふさわしくなかったということのかもしれないけれど・・・

高野さんの小説だったら、「アジア新聞屋台村」「ワセダ三畳青春記」をお薦めします。そっちのほうが10倍(100倍?)面白い。
子どもたちが遊びまわる話だったら、佐藤さとるの「わんぱく天国」をお薦めします。古いけれどいい本です。



この本に関する情報はこちら
なんかやたらレビューは好評ですねえ。
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by foggykaoru | 2015-01-07 20:16 | 児童書関連 | Trackback | Comments(4)