カテゴリ:過去に読んだお薦め本( 16 )

アーミッシュに生まれてよかった

前項からの勢いでご紹介。
かなり前に読んだ児童書です。作者はミルドレッド・ジョーダンという人。

主人公はアーミッシュの村に生まれた少女。
まず、その禁欲的なコミュニティーの描写に単純にびっくりです。

確か、主人公はリボンか何か(←記憶曖昧)に憧れるのですが、衣服のボタンすら虚飾として禁じるアーミッシュに許されるはずもない。
小さな胸のうちにうずまく葛藤。

ガーンときました。
子どもは生まれてくる環境を選べない。
リボンすらつけられない主人公のこの境遇は不幸せなのか。
これと決まった正解はないのです。
ひとりひとりが自分にとっての正解を見つけ出すしかない。

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by foggykaoru | 2012-08-18 22:53 | 過去に読んだお薦め本 | Trackback | Comments(0)

東方見便録

「過去に読んだお薦め本」カテゴリーのポストは何年ぶりだろう?

年季の入ったバックパッカーである、シェルパ斎藤こと斎藤政喜(文章)と内澤旬子(イラスト)の共著。副題は『「もの出す人々」から見たアジア考現学』。
10年くらい前に旅好きの友人たちの間でちょっとした話題になった本。もはやユーズドでしか入手できません。

タイトルから想像されるとおり、アジア各国のトイレ事情である。
ただトイレを見てまわっただけではない。
ただ使ってみただけでもない。
(それだけだって、かなり勇気がいるが。)
たとえば、豚に人糞を食わせるタイプのトイレだったら、その豚をつぶして食べるところまでやってしまうのだ。

とても面白い。
この紹介文で興味を抱いた人には自信をもってお薦めする。
この紹介文でぞーっとした人には薦めない。

でも一気には読めない。少なくとも私は読めなかった。
1日に読めるトイレの数は1つか、せいぜい2つ。胸がいっぱいになっちゃうんですよ。。。
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by foggykaoru | 2012-02-01 21:13 | 過去に読んだお薦め本 | Trackback | Comments(6)

第五の騎手

何年ぶりかの「過去に読んだお薦め本」カテゴリーのポストです。

この本はドミニック・ラピエールとラリー・コリンズという2人の共著。
彼らの作品としては「パリは燃えているか」が有名。
第二次世界大戦末期、いよいよナチス・ドイツがダメになったとき、パリの司令官のもとにヒトラーからの命令が来る。
「パリを焼きはらえ」と。
その命令に従って、パリの各所に爆弾が仕掛けられる。
あとはスイッチを押すだけ。
でも、花の都パリを目の前にして、パリ司令官はためらう。
再度ヒトラーからの電話がかかる。
「パリは燃えているか?」

この作品は映画化されました。
両親が観に行きました。私はお留守番。
両親が買ってきたパンフレットを読んで、「なんだ~つまんないの」と思った当時のわたし(苦笑)
その数十年後、レンタル・ビデオで観て、大感動しました。

この映画に関するもっと詳しい情報が欲しい方はこちら
・・・ああまた観たくなっちゃった。


前置きがえらく長くなりましたが、本題の『第五の騎手』、これは「イスラム圏の某国のリーダー@どう考えてもリビアのカダフィ」が
「マンハッタンに水爆を仕掛けたぞ」
と、「カーターとおぼしき当時のアメリカ大統領」を脅迫するお話。

ものすごく面白かったです。
通勤電車の中でかじりついたのはもちろんのこと、もう時効だから白状しますが、仕事の合間にも人目を盗んで読まずにいられなかったという。。。

調べてみたら、絶版になってました。
まっ、時事ネタはすぐに古くなってしまうから、しょうがないのですが。

でもほんとに面白かったんですよ。
アドレナリン出まくりでした。
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by foggykaoru | 2011-03-03 21:11 | 過去に読んだお薦め本 | Trackback | Comments(5)

小島剛一著「トルコのもう一つの顔」

トルコは世界一親日的な国。
日本女性をひっかけようという下心100パーセントの男性もいるけれど、トルコ語しか喋れない一般ピープルの多くは、ほんとうに親日的。

そういうトルコに触れた人にも、触れたことのない人にも、お薦めの本。

前川健一氏曰く、「この本は題名で損をしている」
同感です。

この本はそんじょそこらの旅行記のレベルを遙かに超えて、トルコという国家の持つ、裏の顔を描いているのです。
だまされたと思って読んでみてください。

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ついでに私のトルコ体験記もどうぞ。そんじょそこらの旅行記レベルですけど(苦笑)
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by foggykaoru | 2007-04-06 20:46 | 過去に読んだお薦め本 | Trackback(1) | Comments(7)

山内進著「北の十字軍---『ヨーロッパ』の北方拡大」(講談社)

普通の十字軍の本をろくすっぽ読んだことがないのに、こっちは読んであるというのは、なんとも妙なことです。


c0025724_2117067.jpg「テンプル騎士団の謎」を読んだとき、シトー派のベルナールの名前が出てきて、旧知の人に再会した気がしたのです。

清貧を貫いたベルナール。
シトー派の教会や修道院は、彼の思想を体現していて、一切の装飾が排除されています。彼は偉大なる聖人なのです。
と言えば聞こえがいいのですが、ほんとうにそうなのでしょうか?
(左は世界遺産であるフォントネー修道院。フランスのシトー派修道院の代表格です。ほんとになあんにも装飾がありません)

彼の信仰の篤さに異議を唱える資格など、キリスト教のことをろくに知らない私にあるはずがありません。でも、弁舌に長けた彼が後押しをしなかったら、フランク人だってあんなに大挙して十字軍にでかけたりはしなかったかもしれないと思うと、「コンチクショー」と思わずにいられないのです。

敵方である(というより、敵方にされてしまった)異教徒にとっては、彼はA級戦犯です。

十字軍というと、エルサレム奪還の十字軍が有名ですが、十字軍はまだ他にもある。
それが「北方十字軍」です。

聖ベルナールはこちらも声高に後押ししてます。そして、その思想の影響はとどまるところを知らず、新大陸発見後のヨーロッパ人の基本理念ともなり、それがひいては列強の帝国主義にもつながっていくのです。

聖ベルナール、ほんとにひどいやっちゃ。
ちなみに、聖ベルナールはSaint Bernard(サン・ベルナール)
英語ではセント・バーナード。
聖ベルナールがいくら嫌な奴でも、雪山で遭難した人を助けるワンちゃんたちを白い目で見てはいけません。。。(苦笑)

バルト3国のうちの2国(エストニアとリトアニア)の旅にでかけることになったときに、この地域の歴史がてっとり早くわかる本はないかと探しまわり、図書館で見つけたのがこれでした。
イギリスやフランスやイタリアあたりだったら、気軽に読めて中身のある歴史本はいくらでもあるのですが、こういう国々の歴史をそこそこ面白く、わかりやすく書いた本は非常に少ないのです。

西洋史好きな人と、東欧(特にバルト3国とポーランド。厳密には東欧北部、と言うべきかも)に関心がある人にお薦め。


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by foggykaoru | 2005-07-14 21:19 | 過去に読んだお薦め本 | Trackback(1) | Comments(4)

「赤瀬川原平の名画読本---鑑賞のポイントはどこか」(カッパブックス)

この本は、友人たちに貸しまくっているうちになくなってしまったのです。久しぶりに本屋で見かけて思い出しました。

西洋絵画の入門書として、どなたにもお薦めの1冊です。

思えばこの本で赤瀬川氏の文章に初めて接して、舌を巻いたのでした。尊敬しました。さすが、芸術家兼作家だけのことはある、と。(ご存知のとおり、赤瀬川氏は「尾辻克彦」というペンネームを持つ作家でもあります。)
西洋絵画に関する知識も関心も無い人ですら、これを読んだら「今度はひとつ、美術館というところにでも行ってみようか」という気になること間違いなし。

非常に有名な画家の、非常に知られた作品であっても、良くないものは良くないと言い切っています。以前から漠然と感じていたことを、はっきり指摘してもらえて、実に気分がすっきりしたことを覚えています。

続編として「日本画編」もあります。

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by foggykaoru | 2005-04-29 18:37 | 過去に読んだお薦め本 | Trackback | Comments(4)

風海りんね著「アジア恋愛のススメ --- 七転八倒、ビルマの花嫁日記」(ワニ文庫)

タイトルから受ける印象と違って、これは真剣な恋の記録です。

ビルマすなわちミャンマーは、軍事独裁政権国家。国際問題に興味が無い方でも、スーチーさんの軟禁問題はご存知のことと思います。軍事政権の横暴は、スーチーさんのみならず、ミャンマーの一般の人々の日々の生活を圧迫しています。

たとえば、外国人を家に泊めてはいけない。泊めたのがバレたら、刑務所送り。(ミャンマー人だけ。外国人はお咎め無しです)
実を言うと、私はミャンマーで、たまたま知り合った地元の人のお宅に泊まって、心のこもったもてなしを受けたことがあります。相手とその家族に多大な迷惑をかける恐れがあることなど、つゆ知らずに。今までの旅の中で、文句なしに最高の思い出なのですが、このときの体験はHPには公開していません。できないのです。万が一、ミャンマー政府関係者の目に触れたら、親切を仇で返すことになるから。
(詳細を省いた記事はここにアップしてあります。)

この本の著者は、ミャンマー人男性と恋に落ちてしまった。
ところが、軍事政権はミャンマー人と外国人の結婚を認めていない。

いまどきの常識的な国においては、個人の幸福の追求は、可能な限り保護されているものですが、ミャンマーは常識の外にある国なのです。

著者の風海りんねさんとは、以前、オフ会でお目にかかったことがあります。
彼氏との出会いや、日本に帰ってからの苦悩などを、ご自身のHPに、ほとんどリアルタイムにアップなさっていたときのことでした。
その記事が出版社の目にとまり、この本ができたのです。

旅人たちの間に大きな話題を巻き起こしたそのHPも、今はもうありません。
風海さんの幸せを祈りつつ、この本を紹介させていただきました。


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by foggykaoru | 2005-04-06 21:27 | 過去に読んだお薦め本 | Trackback | Comments(7)

河口慧海著「チベット旅行記」(講談社)

児童文学に話題が偏り過ぎたので、ちょっと気分を変えましょう。

この本の著者は、その名前から想像されるとおり、お坊さんです。
ですが、普通のお坊さんとはちょっとばかり、、、いや、非常に、違います。
語り口こそ、いかにもお坊さんらしく、古めかしくて奥ゆかしいけれど。

仏教を追究するには経典が必要。でも、それはチベットでしか手に入らない。だったらチベットに行こう。でもチベットは鎖国状態だ。だったら密入国してしまおう…なんてことを思いついて、実行してしまうのです。

文句なく面白いので、どなたにもお薦め。講談社学術文庫で全5冊。

私はこれを読んで以来、チベットに行きたくてしかたがありません。

日本人が書いた旅行記の最高峰と言っても過言ではないと思います。

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by foggykaoru | 2005-03-24 20:25 | 過去に読んだお薦め本 | Trackback | Comments(4)

モンタネッリ著「ローマの歴史」(中央公論社)

西洋史好き、イタリア好きだったら、塩野七生の「ローマ人の物語」が必読なのだろうと思います。
でも、実のところ、私は未読です。あれ読むの、ものすごく体力が要りそうで… 図書館で手にとったことは何回もあるんですけどね。

私のようなヘタレた西洋史好き及びイタリア史入門者にお薦めなのがこれ。
これは歴史書というよりエンターテインメントです。歴史の専門家には相手にされない本かも。でも、素人には最適です。

唯一の欠点は、あんまり面白くて一気に読めてしまうので、読み終わったとたん、何が書いてあったか忘れてしまうこと(苦笑)
そういうわけで、ここで内容をご紹介することはできません。

今回から、ご紹介した本に関して、アマゾンにリンクを貼ることにしました。

こちらへどうぞ
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by foggykaoru | 2005-03-13 10:15 | 過去に読んだお薦め本 | Trackback | Comments(2)

高階秀爾著「ルネッサンス夜話」(平凡社)

フィレンツェの歴史こぼれ話といった趣の本。
こぼれ話とは言っても、そんじょそこらのネタ本とはレベルが違います。
対象に向かう著者の姿勢は、まさに研究者のそれ。
学者というのは専門外のことであっても、いったん興味を持ったらここまで掘り下げるのかと感嘆させられます。

たとえば・・・
メディチ家が銀行業で財をなしたことは知られていますが、当時の教会は金貸しを禁じていました。(だからユダヤ人がその業務を担っていたわけです。)
つまり、本来は銀行業なんかできるわけがないのです。いったいそのからくりは?
読むと目からウロコが落ちることでしょう。
そのからくりの説明は、ここではいたしません。
ネタバレになるからではなくて、忘れてしまったからです(号泣)

このブログを始めたのは、そういうことが多すぎるからなんです。。。

イタリア史に興味を持っていて、すでに塩野七生の「ルネッサンスの女たち」あたりは読んであるくらいの方にお薦め。
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by foggykaoru | 2005-03-09 21:33 | 過去に読んだお薦め本 | Trackback | Comments(6)