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ウェブスター著「続あしながおじさん」

「あしながおじさん」を読んで、ほんの数日後にはこちらも読み終わっていたのですが、ランサム関連ネタがありすぎて(苦笑)、感想文を書く暇がありませんでした。

にわかに「あしながおじさん」を読んだのには、わけがありました。
この春、歴史おべんきょモードに入っていて、西洋史関連書を立て続けに数冊読んだのですが、ある日、自分が疲れていることにふと気づいたのです。
しばらくの間、歴史のお勉強から離れたい!
いわゆる普通の小説を読みたい!!
こうして、かねてから「大人になってから読むとまた面白い」という評判を聞いていた「あしながおじさん」を手にとってみたのです。

で、「続あしながおじさん」ですが、、、

主人公のサリイは、著者ウェブスターそのものなのでしょう。
言うなれば、これはウェブスターの自伝。
そして彼女はこの作品を書いた翌年に40歳の若さで亡くなっています。
早すぎる死であると言えますが、それでも、この作品を書くことができたのは、彼女にとって幸せなことだっただろうと思います。

さらに、アメリカにおける、社会福祉の歴史をかいま見た気がしました。
高等教育を受けて、高い能力と広い視野を持ちながら、自分で稼ぐ必要のない「いいとこのお嬢さん」たちが、大学で得たネットワークを生かしながら、実入りという点では決して良くない社会福祉の担い手として活躍したのです。
「能力があるけれど自分で稼ぐ必要のない人々」は、貧乏人のねたみとそねみの的になりがちですが、そういう人々の存在というのは、社会にとって案外有益なのではないでしょうか。
この社会にはお金にならないけれど必要なものはたくさんあります。社会福祉だけでなく。文学研究なんていうものも、「働かないと食っていけない」という庶民だけでは、今ひとつ深めていけないような気がします。
日本の場合は、明治維新後に高等教育機関ができ、良家の子女が女子大に行くようにはなったけれど、そこで学んだ女性がサリイのように活躍するには、第二次世界大戦が起こるのが早すぎたように思われます。

というようなことをいろいろ考えさせてくれたのです。
そういう小難しいことは考えたくないから読んだのに。

結論として、現在の私の精神状態に合っていたのは「あしながおじさん」のほうでした。
純粋な創作として軍配があがるのも、「あしながおじさん」のほうだと思います。
「続」は自伝的小説ですから。

でも、本というのは、読む人の好みによって、また、同じ人でも、読むときの精神状態によって、感動のしかたがが変わるもの。
あとになって読み返したら、今度は「続」のほうが気に入るかもしれません。

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by foggykaoru | 2006-05-31 21:30 | 児童書関連 | Trackback | Comments(3)

「ホームズの日記」

古書店で見つけました。
シャーロック・ホームズのファンクラブの会誌です。確かこの会
26号と27号だったかな、とにかく2003年と2004年の号2冊。

いったいどういう事情で古書店に廻ってきたんでしょうね。。。

お値段はというと、どちらも税込2100円。
確かA5版で、120~130ページぐらいだったかな(記憶があやふや)
これを高いと思うか安いと思うか。

ふと思いました。

ARCの会誌は古本屋でどのくらいの値がつくのか?
まさか店先のワゴンの中の「100円コーナー」じゃないですよねえ。一応レアものなんだし。
でも、需要が無い? ひぇ~~
想像しただけでドキドキしてしまいました。

私はホームズ好きとはいえ、マニアというわけではないので買いませんでした。
買いそうにはなったんですけどね。特に2003年版のほう。
なにしろ表紙が手旗信号、、、じゃなくて、踊る人形だったので(苦笑)

もしも興味がお有りの方がいらしたら、メールください。どこの古書店だったかお教えします。(私のメルアドはメインサイトのトップページに行けばわかります。)
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by foggykaoru | 2006-05-28 22:19 | 告知 | Trackback | Comments(5)

日本のノーフォーク(2日目)

c0025724_18111516.jpgふだん、家の中で寝ている人間は、テントでは寝坊なんかできないものです。私たちのテントも、5時過ぎには目を覚ましてしまいました。

6時、Cさんの「起きろ、やろうども」ならぬ「起きてくださーい」という丁寧なかけ声とともに、キャンプは活動を開始しました。

続きはこちら
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by foggykaoru | 2006-05-23 20:15 | ほんとうの生活 | Trackback(1) | Comments(13)

日本のノーフォーク(1日目)

c0025724_19333272.jpg左の写真はキャンプ場の夕暮れの情景。人物のシルエットを配してみたのですが、成功したとは言い切れないようで・・・(苦笑)

どうもこのところ、ランサム関連の記事が続いてしまっていますが、このブログの趣旨は、あくまでも私が読んだ本の備忘録であって、決してランサム・ブログではありません。一般人の皆さま、どうかお見捨てにならないでくださいね。

***********

ツバメ合宿で再び引き込んだ風邪が治らないうちに、ARCの別のイベントがやってきました。

題して「日本のノーフォーク」。

ノーフォークだったら鳥を見るのか? そうではありません。(それだったら身体も楽なんだけど)
じゃあ、他人の船を流すのか? んなわけないだろ!

種明かしはこちら
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by foggykaoru | 2006-05-22 20:47 | ほんとうの生活 | Trackback(1) | Comments(11)

中川祐二著「英国式暮らしの楽しみ方」

写真展がきっかけでお近づきになった中川さんの著書。半分旅行記、半分英国に関するエッセイという感じの本です。英国好きなら楽しく読めること請け合い。

記事自体の面白さもさることながら、この本の魅力の多くを担っているのは写真。美しい英国の田園風景を堪能できます。

ランサム・ファン必読・必見なのは「運河を旅する」という章の中の「ザ・ブローズ」の項目です。
ザ・ブローズとは「ノーフォーク湖沼地方」のこと。
他の項目は、いわゆる「普通の英国ファン」向けに書かれているのですが、ここばかりはランサマイト魂丸出し。「わかる人にはわかるだろ」と開き直って、100パーセント書きたいことを書いているような感じです。この項目、写真も思い切りランサム関連なので、まさに眼福。

私にとっては、最後の2章「交通事情」と「暮らしのなかのパブ」が、けっこうツボでした。

ちょっとだけ突っ込ませていただきますと、地名が2箇所違ってます。
「スランゴレン」じゃなくて「スランゴスレン」、「マッキンレース」じゃなくて「マハンフレス」です。イギリス人だって間違える人がたくさんいることでしょう。なんせウェールズ語ですから。ほんとに意地悪な小姑みたいなこと言ってすみません。私だって「灰色の王」を読んでなかったら知りませんでしたもの(^^;

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by foggykaoru | 2006-05-19 21:28 | エッセイ | Trackback | Comments(2)

ターキッシュ・ディライト再び

tripper_01 さんのブログにトルコのお菓子の写真がどーんと掲載されてます。
本場のロクム、そしてナルニアファンにおなじみの、英語圏のターキッシュ・ディライトも。

見てるだけで歯がしみてきます。
・・・っていうか、今日は朝からほんとうに奥歯がズキズキしてます。。。
歯医者に行かなくちゃヤバイかも。

ターキッシュ・ディライトに関する記事一覧
ナルニアのパンフを見てあれこれ思ったこと
初めてターキッシュ・ディライトを食べたときのこと
ターキッシュ・ディライトに関するWikipediaの記事
ターキッシュ・ディライトの食べ比べ
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by foggykaoru | 2006-05-17 21:09 | 児童書関連 | Trackback | Comments(6)

ツバメ合宿

このGWに、昨年乗せていただいたヨット「ツバメ」にまた乗せていただきました。その報告です。

c0025724_21383692.jpg*1日目*

午後発。渋滞に巻き込まれた末、夕刻、懐かしい「ツバメ」との再会を果たしました。

西伊豆のこの港、ほんとうに素敵なところです。



*2日目: 北海横断*

朝、薄日が射す中を清水に向けて出航。港を出て間もなく、思いがけなく風が強まりました。「ツバメ」は追い風を受け、びゅんびゅん進み、うねりも強くなり、私はだんだんヤバイ状態に。ついには「海出る」のスーザンのように「げえええ」とやってしまいました。
ただ、船酔いになりながらもジョンの補佐をしていたスーザンとは違って、私はただ座っているだけでしたが(苦笑)
「ツバメ」は何回か波をかぶり、甲板にいる私たちも、一緒に濡れました。長いこと風邪を引いていて、まだ治りきっていなかった私の体調は、この後、どんどん悪くなっていくことになります(涙)

c0025724_21401767.jpg結局、正味2時間の航海の後に、清水に到着。「ツバメ」は8ノットで走りました。これは記録ものなのだそうです。

「ツバメ」の母港は自然そのままの天然の良港なのですが、清水の折戸というヨットハーバーはまったく趣が違います。近代設備が整っていて、まるで外国の港のよう。
ここで私たちは食料の買い出しをし、「オランダの午後」を楽しみました。ついでに酔い止めも購入しました。


*3日目: 楽しい航海*

昨日、天気予報をチェックしたところ、一刻も早く帰らないと、強い向かい風が吹き出す恐れがあるということだったので、5時に起床し、さっさと出航しました。

c0025724_21414160.jpg今日も強い追い風を受け、「ツバメ」のスピードはどんどん上がっていきます。前もって酔い止めを飲み、ゴアテックスの上下で全身ガードしてあったお陰で、私もようやく航海を楽しむゆとりを持つことができました。

次第に強まる風の中、O船長はリーフを決意。ジョンがやったことをこの目で見て、その後、舵をとるCさんが「さっきまでよりずっと楽になった」と、「海出る」そのままの台詞を言うのをこの耳で聞きました。

===============

風邪こそ引いたものの、帆の受ける風の力だけで走ることの素晴らしさを、実感することができました。「帆船でなくちゃだめなんだ」というジョンの言葉が何回も頭をよぎりました。

旅先でふと、心地よい違和感を抱き、いったいこれはどうしたことかとしばし考え、エンジン音がしないせいだと気づいた経験が何回かあります。エンジンが偉大な発明であることは間違いありませんが、そのせいでこの世界がその魅力を大きく減じたこともまた、事実なのです。

だから、帆船の魅力の1つ、それはエンジン音がしないこと。

でも、それだけではないのです。

ヨットに乗っていると、自然の力の大きさを痛感します。いくら事前に予定を立てていても、実際にその場になってみないと、どうなるかわからないのです。刻々と変化する天候を見ながら、微調整をし、場合によっては当初の計画を大きく変更しなくてはならなくなる。その不便さ、厄介さと折り合いをつけてやっていくこと自体が楽しさであり、魅力でもあるのです。

一緒に合宿に参加したCさんは、船乗りであると同時に、偉大なる旅人でもあるのですが、その彼がこう言っていました。
「たとえて言うなら、モーターボートはパック旅行で、ヨットは個人旅行なんじゃないかな」

なるほどと思いました。

私はどっちのタイプか。
精神的にはヨット派です。
問題は身体。肉体的についていけるかどうかだなぁ・・・。
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by foggykaoru | 2006-05-14 21:54 | ほんとうの生活 | Trackback | Comments(6)

ウェブスター著「あしながおじさん」

私はこの作品、読む前に見ました。
それはミュージカル作品としてです。たぶん、幼稚園か小学校低学年の頃。
主役はなんと、松島トモコ! ライオンに首を噛まれた後、しばらく「ミネラールむ・ぎ・ちゃ」と歌っていた・・・と言っても、お若い方にはわからないでしょうねー
彼女が「私の名前はジルーシャ・アボット~」と歌いながら踊っていた様子は、今も瞼の裏にあります。

で、その後、たぶん小学校3、4年生ぐらい?のときに、原作を読んだのでしょう。別に悪い印象はなかったはずですが、ただ「舞台と同じだ」と思ってそれきりに。

今回読み直してみて、その面白さに唸りました。ネタバレしていてもまったく退屈させません。いつまでも読み継がれているだけのことはあります。

そして、すぐにもう一度読みました。今度は「あしながおじさん」の立場に立って。これがまた面白い。手紙を読む彼の気持ちを想像すると、にやにやしてしまいます。
この面白さは子供にはわからないでしょう。

私が読んだのは新潮文庫で、昭和29年、松本恵子という人による翻訳。
この訳文がまた魅力的なのです。
学費を出してくれるお金持ちの老紳士に対する手紙ですから、丁寧な文体でなければならないのですが、それにしても、「私は美しゅうございます」とか、今の若い翻訳者が逆立ちしたって出てこないようなゆかしい文章。これ、もしも原文が"I am beautiful."だったとしたら(というか、きっとそうなのではないかと思うのですが)、日本語のほうが、それこそ「美しゅうございます」(^^;

未読の「続あしながおじさん」も読んでみたいです。


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by foggykaoru | 2006-05-13 13:05 | 児童書関連 | Trackback | Comments(14)

「指輪」再読

電車に長く乗る用があったので、手頃な文庫本を持ってでかけようと、手にとったのが「二つの塔」の上でした。(だからランサムも文庫化してもらいたいのにい)

恥ずかしながら、作中の「詩」をきちんと読んだのは、今回が初めてでした。
北欧の伝承文学を範として書かれた「指輪」は、詩が重要。だから、抜かすなんて言語道断!と言われて幾年月(苦笑)
でも、今までは読めなかったのです。
別に意識して読まなかったのではなく、先を急ぐ悪い癖があって、読めなかった。
それが今回、ようやく読めたのです。
読んだら、しみじみ良かったです。
ああ、ここまで来るのは長かった・・・(苦笑)

それにしても、原作ではこんなだったのか!とびっくりすることが山ほどありました。
PJ映画にすっかり洗脳されてしまっていることに、今さらながらに気づいたのです。

一応、「読んでから観た」はずだし、3回か4回ぐらい読み返してあるのに。

・・・・・・10回も観るのがいけない?(自爆)
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by foggykaoru | 2006-05-03 21:07 | 指輪物語関連 | Trackback | Comments(14)