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「オオバンクラブの無法者」

今月中に読まなくちゃ!と思いつつ、はっと気づくと11月ももう下旬。慌てて読み始めたら、なんだかタイミングが良かったらしく、あっと言う間に読めてしまいました。

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この作品、子どもの頃は好きではありませんでした。たぶん、2回か3回ぐらいしか読んでいないと思います。
1999年に再読したときも、気に入りませんでした。
そもそも岩田さんの文体が気に入らない。特にポートとスターボートの台詞が。
帆走の爽快さは感じられるけれど、正直、「買い」は「提督」だけ、とさえ思ったぐらい。

その後、もう1回読んだら、これが案外楽しめて。

そして今回。

いやあ、びっくりするくらい面白く読めました。最後のページを読んで、そのまま最初から読み直してもいいと思ったくらい。
岩田さんの訳文もあんまり気にならなくて。今頃になって、ようやく慣れてきたのでしょうか?(笑)

「次回イギリスに行くときは、ノーフォークを船で巡ろう」と、口癖のように言っている私ですが、がぜん現実味を帯びてきた気がします。
あとはもうちょっとポンドが安くなってくれれば・・・


子どもの頃、この作品が苦手だったのは、訳文のせいではありません。
だいたいが、訳文を味わうような読み方なんか、していなかったのだから。

以下はネタバレ
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by foggykaoru | 2006-11-26 19:40 | 児童書関連 | Trackback | Comments(10)

辛島宜夫著「影絵のモーツァルト」

2006年はモーツアルト生誕250周年、なのだそうだ。
ウィーン産ミュージカル「モーツアルト!」の中の何曲かを耳にする機会があった。舞台を見てないからなんとも言えないけれど、サリエリの陰謀こそないものの、往年の名画「アマデウス」のモーツアルトのイメージからはそう遠くなさそう。

というわけで、私の中ではちょっとだけモーツアルト・ブーム。古本屋でこの本を買ってしまったのもその流れである。

各章が短いから、暇を見つけてちょこちょこ読むのにぴったり。
ミュージカルの登場人物のほとんどに関して言及があるから、ミュージカルをきっかけにモーツアルトに興味を抱いた人には楽しめるだろう。

いちばん面白かったのは、モーツアルトの死因に関する考察。
彼は子どもの頃、腸チフス、猩紅熱、リウマチ性疾患、そして天然痘と、立て続けに大病にかかっている。よくも死ななかったものだが、それが彼にダメージを与えていることは想像に難くない。
当時、かつらの消毒剤にはヒ素酸化物が含まれていたらしい。
彼が好んだのは甘口ワイン。ワインを甘くするのには鉛の添加物が使われることが珍しくなかったらしい。
医学マニアである父レオポルトの処方する薬を、彼はしょっちゅう飲んでいた。でも、当時の医学の知識などというものは、間違いだらけ。だから、その薬がモーツアルトの命を縮めた可能性はおおいにある。
ということで、長年にわたり、さまざまな毒物を体内に蓄積したことによる中毒死ではないか。

他のモーツアルト研究書に書かれていることなのかもしれないけれど。

著者は占いの大家らしく、占星術とかタロット占いによる結果も書いている。なんでも「おおっ!」とびっくりして大納得の結果らしい。
もしかしたら、それこそがこの本の目玉なのかもしれないが、当方にその知識が欠けているので、何が何だかわからない。。。


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by foggykaoru | 2006-11-25 08:24 | 伝記・評伝 | Trackback | Comments(8)

ファージョン作「ムギと王さま---本の小べや1」

脇さんの本にファージョンの「リンゴ畑のマーティン・ピピン」についての言及があり、面白そうだなと思って図書館に行き、勘違いして借りてきてしまったのがこれです。

電車の中で読んでいて、乗り越してしまったのが1回。
同じく、電車の中で読んでいて、目頭が熱くなってしまい、ちょっと焦ったのが1回。
というわけで、かなり、いや、非常に、気に入ったのでした。
古典とか、名作と呼ばれるものの持つ力を思い知らされました。

私が子どもだったころ、岩波少年文庫の「ムギと王さま」は1冊だけでした。今は収録作品を増やして2分冊、つまり「本の小べや1」と「2」になってます。

この本に収録されているのは以下のとおり。

(1)ムギと王さま
(2)月がほしいと王女さまが泣いた
(3)ヤング・ケート
(4)名のない花
(5)金魚
(6)レモン色の子犬
(7)貧しい島の奇跡
(8)モモの木をたすけた女の子
(9)西ノ森
(10)手まわしオルガン
(11)巨人と小人
(12)小さな仕立屋さん
(13)おくさまの部屋
(14)七ばんめの王女

まず、(1)でちょっと驚いた。題名のイメージから、もっとほんわかした王様の話だと思い込んでいたので。
(2)はめくるめくナンセンス。こういうの、私は好きです。
(4)はなんとも微妙な味わいのあるお話。「大人の社会に対する批判」とか、一言で片づけるのは簡単だけど。
(5)(6)(7)(8)あたりは、下手をすると、道徳の教科書に載せられてしまいそうなお話。そして、親というのは、ついつい「ためになるから」と思って、こういう話を子どもに読ませたくなるものかもしれませんが、そういうのは邪道だし、逆効果だと思います。子どもにとって、本は面白ければいいのであって、本から教訓をくみ取らせようとするのは、大人の勝手です。
(9)は主人公の若い王様と、その小間使いのキャラが新鮮で爽快。
(10)は小品ですが、「これぞファンタジー」と私が言いたくなるのは、こういう作品。
(12)は定石どおりの話かと思ったら、やられました。
(14)は、、、、何と言えばいいのでしょうね。このおきさきさまの気持ち。王さまとしては、すべて「よかれ」と思ってしたことなのですが。深く考えさせられます。これは大人のためのお話かも。


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by foggykaoru | 2006-11-22 20:28 | 児童書関連 | Trackback | Comments(10)

脇明子著「ファンタジーの秘密」

以前ちらっと出した「ファンタジーに関する本」がこれです。
読み終わっていないのですが、現時点において、先を読むことを断念しました。その理由は後述します。

この本で取り上げられている作品は以下のとおり。

トールキン「ホビットの冒険」「指輪物語」
ル=グイン「ゲド戦記」
ガーナー「ブリジンガメンの魔法の宝石」「ゴムラスの月」「ふくろう模様の皿」
クーパー「闇の戦い」
マキリップ「イルスの竪琴」
C.S.ルイス「ナルニア国ものがたり」
ボストン「グリーン・ノウの子どもたち」
ボスコ「犬のバルボッシュ」「少年と川」「バルガボ」
ピアス「トムは真夜中の庭で」
バーネット「秘密の花園」
アトリー「時の旅人」
サトクリフ「ともしびをかかげて」
ホフマン「くるみわり人形とネズミの王さま」
マクドナルド「お姫さまとゴブリンの物語」「カーディとお姫さまの物語「かるいお姫さま」
ファージョン「リンゴ畑のマーティン・ピピン」
中勘助「銀の匙」
泉鏡花「龍潭譚」「化鳥」「藁草取」「草迷宮」「由縁の女」
デ・ラ・メア「アーモンドの樹」「九つの銅貨」「ムルガーのはるかな旅」
宮沢賢治「雁の童子」「グスコーブドリの伝記」「ポラーノの広場」「銀河鉄道の夜」
ロフティング「ドリトル先生と月からの使い」「ドリトル先生月へゆく」「ドリトル先生月から帰る」

これらの作家のうち、その作品を1つも読んだことがないのがマキリップ、ボスコ、マクドナルド、ファージョン、デ・ラ・メアだけだったので、まあ楽しめるかなと思って手に取ってみたわけで。
実際、けっこう楽しめました。特に前半。
第一章「魔法の復活」の中の「魔法を使わない魔法使い」あたりとか、第二章「善と悪、闇と笑い」あたりは「指輪」がらみの話が多いので、幽鬼必読。

感想を一言で言うなら・・・
脇さんって頭いいな
です。

そして、脇さんと自分はかなり感性が近いかも、と思ったり。特に「ナルニア」で私が感じるものを、ずばりと言い表してくれています。
もしも直接いろいろお話をうかがうなんてことができたら、どんなに素晴らしいでしょう。

読んだことがない作家について、ファージョンは読みたくなって、現在読み中。(マーティン・ピピンじゃないけれど。しかも時間が取れなくて、2週間かかってもまだ読み終わっていない)
マクドナルドにもそそられた。デ・ラ・メアも読んでみようかな。
ボスコはあんまり・・・。どうもフランスの児童文学というのはぴんと来ない。

最後の2章を残して読むのをやめた理由は、この部分が未読の2冊---「ムルガー」と「ドリトル先生月へ行く」---に関する評論であるため。つまり、この2冊をよく知っている人にとっては、おそらく非常に興味深いはず。


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この本がきっかけで読んだ本
ムギと王さま
ふんわり王女
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by foggykaoru | 2006-11-19 19:26 | 児童書関連 | Trackback | Comments(10)

ヨットが見あたらない

ここんとこ微妙に忙しく、ほとんど毎日仕事を自宅に持ち帰っているため、読書できていません。いきおい、ココへのポストもこういう傾向になってしまうわけでして。

c0025724_21185112.jpg左はブドヴァの港。とってもいい感じ。なのにどうしてヨットが見あたらないの? と実はけっこう不満だった私です。

旅行記「アドリア海の風に吹かれて」はメインサイトの「えせBPの旅日記」にアップしてあります。

現地ツアーで行った「聖ステファン」、この本の中でも言及されてます。ほんのちらっと名前が出てくるだけなので、知らないで読んだら気づかないかも。
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by foggykaoru | 2006-11-18 21:20 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(0)

♪モンテネグロいいとこ一度はおいで

c0025724_943498.jpg

ヨーロピアンにとって、海辺でごろごろすることこそが、夏休みの正しい過ごし方。
そんな彼らの注目を集めているのが、最近ユーゴスラビアから分離独立したばかりのモンテネグロです。
自然の美しさはピカイチだし、イタリアから夜行フェリーで行けるし、通貨はユーロだし。

これはモンテネグロのコトル湾の奥に位置するペラスト。
ビーチと呼ぶにはあまりにも貧弱な、道路のすぐ脇の狭い砂浜にも、こんなふうに人々が一生懸命ごろごろ(笑)
一方、私たちはといえば、彼らを横目で見ながら、ガイドに引率されてランチに乗り、マジメに教会見学をしたのでありました。

詳細はメインサイトの「えせBPの旅日記---アドリア海の風に吹かれて」をご覧ください。
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by foggykaoru | 2006-11-12 09:55 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(2)

「長い冬休み」

c0025724_21293981.jpg「月に1冊ランサム・サガを読む」という企画の第四弾。

12作品の中でも、マイベスト3に入るこの本、何度も読み返しているので、ひどく汚れています。特にこのページの汚さと言ったら。みかんを食べながら読んだのかな?

何度も読み返してあるので、今さらドキドキワクワクはないけれど、何度読んでも楽しいです。

「私はウォーカーきょうだい贔屓だから、4巻はちょっと物足りない」という声も聞きますが、私だってツバメ派。それでもこの作品が好きなのは、新たに登場する「冒険の素人」Dきょうだいが、ツバメたち以上に身近な存在だったからなのだと、しみじみ思います。
ランサム関係のアウトドアのイベントに参加するようになって、少しは探検家肌になったかと思うと、さにあらず。むしろ、自分の「血中ドット度」の高さを、却って強く実感するようになっている今日この頃です(苦笑)

ネットを始めて、自分以外のランサマイトの存在を知り、サガを再読したのが1999年。
この作品に再会し、「冬の湖水地方に行こう」と思い立ち、2年後に冬のコニストンを訪れたのでした。
(冬のコニストン旅行記はこちら

「ランサム・サガはリアリズムだが、ファンタジーの魅力も兼ね備えている」とは、ランサマイトがしばしば口にする言葉ですが、特にこの作品の持つ雰囲気は、ファンタジーに非常に近いものがあります。ファンタジーなのに現実にその世界が存在して、(頑張れば)訪れることもできる。これほど素晴らしいことはありません。


この本に関する情報はこちら

一応ネタバレ?
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by foggykaoru | 2006-11-03 21:54 | 児童書関連 | Trackback | Comments(12)