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海で逢いたい

c0025724_21464738.jpgという名前の写真展に行ってきました。
「海をみつめて」という水中写真のサークルによるもの。今回が12回目だそうです。

いやあ、海の中が美しいというのは知っていたつもりでしたが、ほんとうに息を呑むような世界でした。
この世界にとりつかれてしまう人がたくさんいるのも納得です。
そういう人たちにとっては、海に潜ることこそが「ほんとうの生活」なのでしょう。

場所は大崎のO美術館。入場無料ですので、近くにいらしたらお気軽にどうぞ。会期は水曜日までと短いですぞ。
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by foggykaoru | 2008-03-31 21:55 | ちょっとおでかけ | Trackback | Comments(6)

料理に「究極」なし

辻静雄著。氏の死後に刊行された、最後のエッセイ集。

何を書いても前に読んだ辻静雄氏の著書の感想文の繰り返しになってしまう。やっぱりこの人、偉かったんだなあと。

巻末に掲載されている丸谷才一氏の弔辞が泣かせます。最後の部分をご紹介しましょう。旧仮名遣いは改めてあります。
しかし、あの立派な男、優しくて快活で魅力に富む知識人がもういないことの寂しさをどうしたらいいのだろう。今後わたしは、イギリスの新刊書の読後感から一転してロンドンのホテルの朝食について語り合うような友達を、持つことができないでしょう。寂しい。


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by foggykaoru | 2008-03-29 21:36 | エッセイ | Trackback | Comments(2)

「愛の妖精」

私はフランス文学が得意ではない。
なんとなく男性の側に立った作品が多いような気がするのだ。
そして多くの場合、女性は「男性を惑わせる存在」として描かれる。
恋愛の段階までいかない、子ども同士の関係においてさえも。

たとえばフランスの国民的作家マルセル・パニョルによる幼年時代三部作。第一作「父の大手柄」と第二作「母のお城」はおおいに気に入ったのだが、第三作「秘めごとのとき」で幻滅した。幼いマルセルが初めて知り合う異性である女の子が、まるで妖婦のようで読んでいてうんざりしてしまったのである。
(英米文学に登場する少女は、そんなに小さい頃から異性を幻惑したりしないのに。)

でもジョルジュ・サンド描くこの作品は男目線ではない。
なんてったってサンドは女性だし。ショパンを始め数々の恋人を持ったことで知られる男装の麗人です。
その彼女が、ヒロインであるファデットの口を借りて、常日頃から思っていたことを語っているのだから、当時からすると先鋭的だっただろうが、現代の感覚では「ちょうどいい」のだ。
小説としての筋立ては、現代の感覚では安易だけど、気持ちよく読める。
本好きな女子中高生にも薦められます。

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(↑これは岩波文庫。私が読んだのは角川文庫です。)
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by foggykaoru | 2008-03-24 21:12 | 普通の小説 | Trackback | Comments(2)

必見!(ほんとか?)

メインサイト開設9周年。
ということで、期間限定トップページをアップしました。
蔵出しざんす。すぐひっこめてしまいますから見たい人はお急ぎください。 
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by foggykaoru | 2008-03-22 21:46 | 告知 | Trackback | Comments(2)

「黄金の羅針盤」見てきました

ライラ演じるダコタちゃん、ニコール・キッドマンとサシで互角の勝負をしてるな・・・とはフランスで思ったのですが、いやー英語だと互角どころか勝ってますね。やっぱライラはクイーンズ・イングリッシュじゃなくちゃ。
しかも、年に似つかわしくない妙に迫力のある声なのがいい。フランス語吹き替え版の年相応のカワイイ声じゃあダメです。

それにしても、ダストについてあんなに詳しく説明されていたなんて。
全然聞き取れてなかったんだわ(自爆)

フランスで見たときも思ったのですが、PJの指輪映画以後、たいていの映画の戦闘シーンには既視感が濃厚に漂っている。でも、この映画の戦いの場面はとても新鮮。(いちばんの功労者は熊。あの声はガン爺つまりイアン・マッケランですぞ!) それだけでも映画として賞賛に値するのでは。

というのは、「カスピアン王子のつのぶえ」の予告編をやっていたんです。

以下は「カスピアン」のネタバレです。
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by foggykaoru | 2008-03-21 21:40 | 児童書関連 | Trackback | Comments(12)

妖精王

山岸涼子作のマンガです。
片づけをしたら、いろんなものの堆積物の下から、何ヶ月も前に友人が貸してくれたものが出てきたというわけ(苦笑)

ダークエルフにライトエルフ。プックというのはパックなのだろう。ケルトの伝承がテンコモリ。
当然アーサー王とランスロット、グイネビアも重要なモチーフ。スパイスとしてアイヌの伝承が使われている。

この世界は「マビノギオン」あたりに親しんでいる人のほうが、十二分に賞味することができるのだろうな。ということで、巻末の解説は井辻さんとか井村さんだったりする。

神話や伝承よりも歴史のほうが得意な私にとっては、ど真ん中の直球というわけではなかったが、それでも、「光の六つのしるし」みたいなシーンには、「おおっ!」と思った。


「鹿男あをによし」にも似てますね。あのドラマ、ちゃんと見てるわけじゃないけれど。
日本という国を舞台にすると、どうしてもそうなっちゃうのかな・・・。


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by foggykaoru | 2008-03-18 21:24 | マンガ | Trackback | Comments(7)

沢木耕太郎著「深夜特急」

今やすっかり忘れ去られてしまった猿岩石の「香港→ロンドンヒッチハイク」。私はあれを第1回から最終回まで(自分の旅行中以外)全部見た。実は飛行機を使っていたとか大騒ぎになったときには「そんなことは番組をちゃんと見てればわかるじゃん!」と思ったものだ。私はあの企画には、インチキもあったけれど、それに負けないだけのたくさんの真実が含まれていたと評価している。

プロデューサーがあの企画を思いついたきっかけがこの本だと知り、大沢たかお主演のドラマも断片的に見たけれど、ぜひ原作を読んでみたいとずっと思っていた。古本屋で文庫6冊が並んでるのを見て、大枚千円はたいて大人買い(自爆)

別にユーラシア地域の旅情報が得られるわけではない。なにしろ古いし。「そんなこと、常識でしょ!」と言いたくなることさえ、当時の沢木氏は知らなかったんだなあ。でもなにしろまだ若かったんだから。それに一切のガイドブック無しで旅しているんだから、まあしょうがないでしょう。

旅行記はエンターテインメントなのです。
そういう意味で、うーんさすがプロ! と思いました。面白かったです。
この本を読んで同じことをしたくなる若者は少なくないだろう。ある意味、罪作りな本かも。

事情が変わってしまったところも少なくないけれど、下川氏の本に書かれていることと共通していることもたくさん。それを「お国柄」と言うのだろう。

こんな旅、私には絶対にできない。年を食ってしまって手遅れだし、沢木氏の旅には男性にしかできないがたくさんある。連れ込み宿に長期滞在するとかね。なんだかんだ言っても、やっぱり男はトクなのよねえ、と嫉妬を感じる。

旅しても、実際に見聞きできるのは、その土地のごく一部だし、接することができるのもごくわずかの人々だけ。その人々の大多数は観光客相手の商売人。さらに、旅のスタイルによっても体験できることは違ってくる。いくら旅しても、結局たいしたことはわからないのだとは、いつも思っていたが、沢木氏も知人の口を借りて「わからないのだということがわかる」と言っている。盲人が象を触るのと同じ。だから旅は人それぞれ。それをぐーんと広げれば、人生いろいろ♪ ←広げすぎ

沢木氏はパリでは寂しくなかったそうである。
「パリが本当の都会だったせいかもしれない」に同感。
都会は人を孤独にするけれど、寂しくはさせない。(だから孤独になる)


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by foggykaoru | 2008-03-15 22:30 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(10)