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松露とりと谷あらし

どーでもいいことなのですが、「カスピアン王子」に出てくるアナグマ、「トリュフハンター」というのですね。瀬田さんの訳で育った私にとっては「松露とり」なんですけれど。

考えてみれば、「松露」が何を意味するのか、何十年も知らないままでいたわけです。だって松露なんてスーパーでは売っていないもの。
岩波国語辞典によると「4,5月ごろ、海べにはえる、球形のきのこ。食用」
「truffe」を仏和辞典で調べると「フランス松露」
へえええ。

ついでに、私にとってのセントールの大将は「谷あらし」なのですが、映画(と原作)では「グレンストーム」です。

「グレン」で思い出すのは「グレンコーの虐殺」。大昔、スコットランドに行ったとき、ガイドブックで読んで知りました。
英和を確認したら、「glen」はもちろん「谷」。ゲール語起源。
「グレンコー」で「嘆きの谷」の意味なんだそうな。
詳しくはWikipediaの「グレンコーの虐殺」をご覧下さい。
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by foggykaoru | 2008-06-30 21:50 | 児童書関連 | Trackback | Comments(15)

「世界一周恐怖航海記」

友人が貸してくれたので、なんとなく読みました。

ピースボートでの世界一周の航海体験記。
この人の文章には独特のスタイルがあるなあと思って読み始めたら、著者の車谷長吉という人は直木賞作家なのですね。知りませんでした。

ピースボートというのは、以前からなんとなく聞いてました。
なんか、見聞を広めるために若者が乗るらしい、と。
この本を読んで認識が改まりました。
(昔はどうだったか知らないけれど)今のピースボートというのは、別に若者専用のものではないのですね。そして、参加者の多くが、航海の間に異性とくっつく。というか、それを目的に参加する人がけっこういる。

まあ、船旅というのは暇ですものね。
巻末の旅程を見たら、港から港への間は平均1週間ぐらい。その間、ただ大海原を船に乗っているだけなんだから、恋愛ぐらいしなくちゃ間が持てないというものなのでしょう。アガサ・クリスティーあたりでも、船旅の間に結婚相手を見つける話がけっこうあったような。

さらに、日本から外に飛び出すという感じではなく、日本人ばかりの閉じた空間なのです。うー、息苦しそう。私には向かない。

車谷氏という人はかなり変わってます。
奥さん偉いです!愛だよ、愛!
と思ったけど、奥さん自身もものを書く人で、芸術家同士、相通じるものがあるのでしょう。

ピースボートのHPはこちら

ついでにWikipediaも見てみたら、へえええでした。
こちらです。

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by foggykaoru | 2008-06-27 21:59 | エッセイ | Trackback | Comments(6)

「カスピアン」2回目

ということで、レディースデーに性懲りもなくまた観てきました。

ほんとにこの作品、映画として面白いです。
原作よりずっと気に入りました(←しつこい!)
めったに買わないプログラムも買ってしまいました。

ということでここからは観た方だけどうぞ。
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by foggykaoru | 2008-06-26 21:36 | 児童書関連 | Trackback | Comments(6)

ナルニア スーザン

で検索して飛んでくる人が先月末から増えていて、これは絶対に映画「カスピアン王子の角笛」の影響だなと思っていました。せっかく飛んできたのに期待していた記事がどこにも無くて、むなしく立ち去った方が多かったことと思います。

で、ようやく観たのです。
英国児童文学には一家言ある仲間たちと一緒に。
その後の飲み会では語りに語りました。おかげで喉がかれました(苦笑)

面白かったです。ナルニア全7巻のうち、いちばん淡々とした物語を、よくぞここまで盛り上げたものです。もう1度観ようかな。

前にも書きましたが、私はこの巻はあまり好きではありません。でも、映画を観てつくづく思いました。「きょうだいが4人」というのはいいなあと。しかも男2人と女2人という構成は、協力し合うのに理想的なんじゃないでしょうか。同じ構成のきょうだいが出てくる児童文学作品とオーバーラップしてしまいました(^^;

さらに、「ライオンと魔女」のときも思ったのですが、子どもたちのキャラが立っているという点において、原作よりも映画のほうが優れています。

その反対に、サブキャラが弱い。今回の「カスピアン」の場合、リーピチープはまあよかったけれど(でも、映像になるとどうしても本で読むよりもマンガチックになってしまうのが残念)、トランプキンのひねくれキャラは不発でした。あれは難しいけどね。最後まで名前すら出てこなかった。(ニカブリクは出てきたのに。) 博士も弱い。カスピアンが追いかけられているあたりで、以前博士にいろいろ教えてもらったときのことを、フラッシュバックで挿入するとか、できなかったんでしょうか。

で、スーザンについてです。
私としてはあれはアリです。「カスピアン」と「さいごの戦い」が苦手なせいもあるのではないかと思われます。というのは、この2冊が好きだという友人はあの改変を好ましく思わなかったようだから。

カスピアン役の俳優について。
初めて目にしたとき、あまりに大人だったので驚いたのですが、やっぱりちょっと大人過ぎだと思います。原作ほど小さくなくていいけれど、ピーターと同年輩であって欲しかった。

ところで、カスピアンのアップがポスターやチラシに使われていますが、あれは戦略的によかったのでしょうか? だって、ビジュアル的にいちばんイケてるのはエドマンドですよ。しかもかなりオイシイ役。(ピーターは貧乏くじです。長男はつらいよ。) 昨日集まった仲間のうち、女性はほとんど全員が「エドマンドMOE~」状態(検索されるのを防ぐために、あえて漢字では書きません)で、熱にうかされたみたいでした。

「朝びらき丸」が作られるのかどうかはわかりませんが、もしも作られたら、ユースチス役に注目です。めざましい成長をとげるユースチスを演じきらなくてはならない上に、エドマンドを越えるか、少なくとも、エドマンドを肩を並べなくてはならない。これはハードル高いよ。カスピアンもいるしね、一応。

この後はネタバレ満載です。
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by foggykaoru | 2008-06-23 21:06 | 児童書関連 | Trackback | Comments(22)

「フランスの歴史をつくった女たち・第2巻」

このシリーズは古本屋で見つけるたびに順不同に読んでいて、今回で3冊目。
原題が「Histoire d'amour de l'histoire de la France(フランス史の愛の歴史)」だけあって、早い話が国王ナントカ○世は女好きだったとか女に目がなかったとか女に手が早かったとか漁色家だったとか、王妃ナントカは負けず劣らず男たらしだったとか淫乱だったとか、そんな話ばかり。
フランス史の知識が深まるとかいうことを期待して読んではいけないのだが、超お気楽に読めて、多少は雑学が増える。

この巻はルイ11世から始まり、シャルル8世、ルイ12世、フランソワ1世、アンリ2世(妻はカトリーヌ・ド・メディシス)、そしてカトリーヌの息子3人がばたばた死んで、ヴァロワ朝が終わるまで。

今回増えた雑学。

・ブルターニュ王が亡くなった後に残されたアンヌ・ド・ブルターニュがフランス王と結婚せざるを得なくて、その結果、ブルターニュがフランスに併合されたのはなんとなく知っていた。でも、最初の夫シャルル8世が亡くなった後をついだルイ12世と再婚したのは知らなかった。立場上、(ブルターニュが併合されてしまった後は)できるかぎり王妃でいなければならなかったのだろう。男子の跡継ぎが欲しかっただろうし。ルイ12世のほうがもともとずっと魅力的だったということもあるようだけど。

・そのアンヌは男子を残すことができず、娘クロードの婿であるフランソワ1世が後を継いだ。クロードは女好きの夫の蔭でひっそりと暮らし、亡くなった。プラムの一種「レーヌ・クロード(クロード王妃)」は彼女の名前からとったもの。

・フランス国王の中で人気があるのが、フランソワ1世とアンリ4世だということは知っていたけれど、この二人はどちらも前国王の娘婿。外の血はイキがいいということなのかも。

・フランソワ1世は女好きで、気に入った女性はみんな自分のものにしてしまった。でも、絶対に「腕づくで無理矢理」はなかった。だから人気があるんだろうな。

・フランソワ1世と英国王ヘンリー8世は同世代で、「巨頭対談」をしている。会ったとき、口にキスをした。それが当時の正式なマナー!

・アンリ2世の愛人ディアーヌ・ド・ポワティエは、父王フランソワ1世の愛人だったという説があるけれど、事実ではない。

・カトリーヌ・ド・メディシスが美しい侍女たちを政敵を籠絡する部隊として使っていたことは細かく描かれているが、彼女が邪魔者を次々と毒殺していったという話は一切出てこない。

・男色趣味があったことで知られ、ヴァロワ朝最後の国王となった彼女の三男・アンリ3世。最初から男一筋だったわけではなく、若いときは人並みに女性を愛していた。

・「3人のアンリ」の1人、ギーズ公。ギーズ家がのしあがったのは、ディアーヌ・ド・ポワティエの親戚だったから。

3冊目にして思ったのだが、このシリーズ、案外まともである。単に王侯貴族の風説をちりばめておもしろおかしく書いた本ではないような気がしてきた。風説中心だったら、「メディチの毒薬」が無視されるはずがない。

でも高校生にはお勧めしません。たとえ世界史受験であっても。

あと、フランス人以外の人名表記に問題有り。
カエサル・ボルジアとルクレス、アンヌ・ブーリンには目をむいてしまった。チェーザレ・ボルジア、ルクレツィア、アン・ブーリンにしてください。


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by foggykaoru | 2008-06-22 13:49 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(6)

この気持ちは何だろう

根っからの舶来好きで(「元」がつくけど)語学マニアの私ですが、自分が歌う曲に関しては実は国粋主義。
「イエスタデイ」や「トゥナイト」を英語で歌うよりも、「オー・シャンゼリゼ」や「シェリーにくちづけ」をフランス語で歌うよりも、「結婚するって本当ですか」とか「冬が来る前に」を歌うほうがずっと楽しい。(我ながらなんちゅうラインナップなんだろう。年がバレる。)

しょせん外国語は借り物ですからね・・・。

自分の血であり肉である日本語の歌詞を、その美しさが存分に生かされた旋律にのせて歌う喜びは、外国語の歌を歌うときのそれとは比べものにならないほど深い。魂の根源が震えるのです。

でも、ほんとうに歌詞が美しくて、その美しさをまったく損なっていない旋律の歌というのは、そうそうあるものではありません。

めったにない名曲を今日、たまたま耳にしました。

「春に」。
谷川俊太郎作詞・木下牧子作曲。
最初の「この気持ちは何だろう」で心を鷲掴みにされました。そして、「この歌詞は光っている。作詞者は誰? 谷川俊太郎! さすが~」と思ったのですが、歌詞の良さが感じられたのも作曲者の力量あってこそ。木下牧子という人は知らなかったのですが、若手(と言うのかな?)の人気作曲家だそうですね。

この歌をご存知無い方は
こちら

You Tubeにもありました。
こちら

歌詞を見てYou Tubeと一緒に歌えば、気分はすっかりコーラス部員!
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by foggykaoru | 2008-06-20 20:28 | Trackback | Comments(16)

「旅路の果て--モンゴメリーの庭で」

原題は「Lucy Maud and Me」
事情があってトロントに来た女の子が、隣人であるミセス・マクドナルド、すなわち「赤毛のアン」の著者ルーシー・モード・モンゴメリーと知り合い、交流する。
フィクションです。小説仕立ての伝記。

「赤毛のアンの秘密」を読んであれば目新しいことはない。
でも、「赤毛のアンの秘密」を読んで夢が破れるのは怖いけれど、モンゴメリーについて少しは知ってみたいという人は、まずこれを読んでみるといいと思う。

モンゴメリーを突き放して見ている私ですら、最後には目頭が熱くなった。

トロントに住んでいたことがある人にも興味深いのではないかと。


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by foggykaoru | 2008-06-18 21:43 | 児童書関連 | Trackback | Comments(15)

車窓より

c0025724_1083922.jpgメキシコの路線バスの車窓から撮った写真です。
小さな小さな教会。
メキシコの田舎にはこんな感じの教会がたくさんあります。

旅行から帰ってきて早10ヶ月、メインサイトにようやくメキシコ旅行情報アップしました。

旅情報とはいえ、半分は旅行記みたいなものなので(苦笑)、メキシコに行く予定の無い方もどうぞ。
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by foggykaoru | 2008-06-15 10:10 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(10)

「ローマ教皇検死録---ヴァティカンをめぐる医学史」

中公新書。小長谷正明著。神経内科のお医者さん。
以前この著者の「ヒトラーの震え 毛沢東の摺り足」を読んだことがあって、それがまあ面白かったので、これも読んでみた。
「ヒトラー・・・」のほうは20世紀の指導者たちの晩年の病気の解説。それに対して、この本で取り上げられているのはほとんどがはるか昔の教皇たち。だから、たいしたデータはなくて、ちょっと肩すかしの気味があるのだが、それでも読ませる。このお医者さんはなかなか筆が立つ。

以下、私にとってのツボを列挙。

・ペルー原産の「キナ」という木から作られた「チンチョーナ」という薬がマラリアの特効薬となった。その貿易を引き受けていたのはイエズス会。マラリアにかかったイギリスのチャールズ1世はこの薬のおかげで治ったが、清教徒革命が起こり、クロムウェルによって処刑された。クロムウェルもマラリアにかかったが、不倶戴天の敵であるイエズス会が持ってきた薬を飲まなかったので死んだ。そしてカトリック教徒の国王チャールズ2世が帰ってきた。

・14世紀、クレメンス6世のころ、黒死病(ペスト)が流行し、不安からマゾヒズムが高まり、「むち打ち苦行」をする者が増えた。あまりにも増えたので、禁止令が出て、違反者は処刑された。ときにはむち打ちの刑に処せられた!!

・黒死病は東方から船に乗ってやってきた。1377年、ラグーザ(現在のクロアチアのドブロブニク)で、感染地からの船を30日間港外に留め置いて、感染者がいないことを確認した。これが検疫船の始まり。その後、40日間に延長された。イタリア語のquarantina(40)が英語のquarantineの語源。

・イエスが手をかざして病を治したように、中世の聖職者も手をかざしたりさわったりして治していた(と人々は信じた)。触って治すことがヨーロッパの王様は期待されていた。それを「ロイヤル・タッチ」という。ロイヤル・タッチをたくさんしたのはフランスのルイ9世(聖ルイ)、ルイ14世、イギリスのヘンリー8世、エリザベス1世、チャールズ1世。

・ローマ教会のお膝元であるイタリアよりも、遠く離れた地の人々のほうが、単純に教会や教皇様をありがたがる。だから、免罪符販売促進キャンペーンはドイツで広く行われた。それがあまりにひどかったので、ドイツのルターによる「教会なんかいらない」という宗教改革運動が生まれた。

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by foggykaoru | 2008-06-11 21:44 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(13)

氷室冴子さんがお亡くなりになったそうです。

mixi仲間の日記を見て知りました。
彼女は少女小説作家として知られていたようですが、私にとってはフェミニスト入ったエッセイストでした。

どの本を読んだのか記憶が定かではないのですが、「いっぱしの女」だけは鮮明に覚えています。

いくつになっても結婚しろと迫る母。結婚しない娘というのはそんなにいけないことなのか。こちとらちゃんと仕事して、ちゃんと1人で生きている「いっぱしの女」なのに・・・。

うんうんそうそう、わかるわかる!と、手で膝を叩いた(←比喩表現)私でした。

同年代で同じような境遇。
勝手に「同志」みたいに思ったものです。

そう。
同年代、なんですよ。。。
早すぎます。
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by foggykaoru | 2008-06-07 21:29 | エッセイ | Trackback | Comments(7)