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「アンデスの黄金」

中公新書。著者は大貫良夫という人。東大名誉教授だそうだ。

ペルー関連ということで読んだのだが、私が行くところとは直接的には関係が無い。
クントゥル・ワシというところの遺跡発掘調査と発見されたもののその後の話である。
遺跡に関してはほとんど斜め読み。
興味深く読んだのは、地元の人々やとのすったもんだやペルーのお偉いさんとの折衝のほう。
先日読んだ本でも思ったのだが、考古学というのはなかなか大変な学問だ。体力がないとやっていけないというだけでなく、政治力も必要。
最終的にはペルーの人々は「他のペルー人よりも、日本人のほうが信用できる」と言ってくれたのだそうだが、そんなんでいいのかペルー人! 日本人としては嬉しいんだけどさ。

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by foggykaoru | 2008-07-26 21:05 | 西洋以外の歴史 | Trackback | Comments(12)

ドロシア好みではなさそうな本

c0025724_21194562.jpgとして「長い冬休み」にちらっと出てくる「砂漠のなぞ」。フラム号の本棚にあった唯一の小説なのですが、これが正しくは「砂州の謎」だった、ということがARCのMLで話題になったのはわりと最近のことです。

砂州、ねえ・・・。
ヨットの話なのね。ふーん。
子どもの頃からランサムを読んでいても、特にヨットにハマることもなく過ごしてきた私なので、その話題にもスルーを決め込んでいたのですが、先日、非常に身近な図書館で見つけてしまったんです。

あちゃー、ここにあったなんて。
・・・しょうがないなあ。じゃ、読んでみるか。
というのが正直な気持ちでした。

なにしろ文字が細かいんです。しかも二段組み。今の私の目にはちょっと辛い。
途中で挫折するんじゃないかと思いながら読み始めたのですが、、、これが意外にも実に面白い。決してドキドキワクワクの連続ではないのになぜかやめられないという点において、ジェーン・オースティンあたりと似ています。そして妙に描写が細かいところがランサムに似ている・・・。

まず、人物設定がツボです。
イギリスの外務省勤務のええとこのぼんぼんが、夏休みを取れなくて、ロンドンで世の中を恨みつつ暑い(って言ったって、東京の暑さからしたら暑いうちになんか入らない)夏を過ごして、ようやく休みが取れることになったけれど、もうつきあってくれる人もいないので、どうしたらものかと思っていた矢先に、旧友(これまたええとこのぼんぼん)から「バルト海でヨットに乗ろう」と誘われる。
このぼんぼん二人組のイギリス臭さがツボです。
別にヨット好きでなくても、ランサムを読んでなくても、イギリス臭い話が好きな人だったら絶対にハマります。

もちろんヨット好きにはやめられないこと必至。
そして、ランサム好きにはツボの連続です。この冒険をぐーんとお子様バージョンにしたのがランサム・サガだったのだということがよくわかります。
難しい帆船用語のオンパレードなのではないかという心配は無用。ランサムを読破した人なら絶対に読めます。私が読めたんですから。っていうか、「私って案外ヨットに慣れ親しんでいるかも?」とか思ってしまいましたよ(笑)。帆走のことを勉強しようという気がなくても、「門前の小僧習わぬ経を詠む」ってやつでしょうかね。なんとなくついていけてしまうのが我ながら不思議でした。(ただ「タック」とか「タッキング」イコール「間切る」だということだけは知っておいたほうがいいけれど。)

ランサムはこの本、相当お気に入りだったのしょうね。
あの巻とかあの巻あたり、この本からヒントを得て書いたんじゃないかしら・・・。

私は細かくて面倒臭いところがあると、どんどん斜め読み&飛ばし読みしてしまいます。子どもの頃のランサムもそうでした。数年前出会った指輪物語もそうでした。でも、これらの本は読み終えた次の瞬間に、また最初のページに戻り、初回に斜めに読んだところを今度はきちんと読み直しました。
ほんとうに面白い本ならそうさせてくれる。
そういう本に出会うために本を読むのかも。
そして、久しぶりにそうさせてくれたのが、この「砂州の謎」でした。

筑摩書房刊。
ただし絶版。
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by foggykaoru | 2008-07-25 21:08 | 推理小説 | Trackback | Comments(7)

「イギリス鈍行列車の旅」

著者は鉄ちゃんとして知られる英文学者・小池滋氏。

1960年代の鉄道の旅がメインで、その多くは今や廃線となってしまっているので、この本片手に氏の真似をするわけにはいかない。

ローカル線の鈍行を時刻表を頼りに廻る旅は鉄道網が整備された先進国でなければできない。
となると、やっぱり英国がいいのだろうな。
ヨーロッパ大陸はやっぱり大陸だから、だらーっとした景色が多い。車窓ごしに見える景色を楽しめるのは英国がいちばん。
いいなあ、もうちょっとポンドが安くなったらこういう旅をしてみようか・・・
ただ、終点に着いたら乗ってきたその列車でとんぼがえり、というのはちょっとねえ。私は鉄ちゃんではないので、終点では1泊したい。
でも、ほんとに地の果てみたいなローカル線の終着駅には、ろくすっぽ宿なんか無いのだ。
・・・やっぱり私には無理か。

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by foggykaoru | 2008-07-24 20:39 | エッセイ | Trackback | Comments(6)

c0025724_21493599.jpgリル・スュル・ラ・ソルグの市にて。
とても買う気になれません・・・

メインサイトにプロヴァンス旅行記完結編up!
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by foggykaoru | 2008-07-19 22:13 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(2)

「西の魔女が死んだ」観ました

レディースデイに行ったら「ただ今立ち見です」
新宿武蔵野館の小ささを見くびっていた(苦笑)
金券ショップでチケットを買って捲土重来を期したのは先週のことでした。

で、今回は6時半に行って整理券をゲットしてから、夕ご飯を食べて時間をつぶし、最終回を観たわけです。

いやー本と同じです。こんなに忠実な映画化というのは珍しいのでは。もとが短い話だからでしょうね。

細かい家事の手順は文章で読んだほうが面白いだろうけれど、森の中の風景など、ビジュアル面は映像のほうが楽しめるだろう・・・という予想どおりでした。
魔女の家がとても素敵なんです。

昔、プリンス・エドワード島のグリーン・ゲイブルスの写真を見て、想像していたほど夢のある家ではなかったのでがっかりしてしまい、それっきり「赤毛のアン」巡礼をする気をなくしたのですが、この魔女の家にはそそられます。清里に作られて、映画のプロモーションの一環として見学可能なのだそうですね。

あと、仕事帰りに観るには、この映画はちょっと渋すぎました。睡魔に襲われてしまいました。つまらないという意味ではありません。仕事帰りに観るにはもっとにぎやかな映画のほうが向いているということです(苦笑)
睡魔と戦いつつ、日本というのは俳句の世界なんだなあ、、、なあんて、しみじみ思ってしいました。
空白や沈黙が大きな比重を占める文化。
イギリス人の魔女こそ登場するけれど、この映画には「インテリ欧米人が期待する日本」が描かれていると思います。

この映画は「日本語が喋れる英語圏のおばあちゃん女優」の存在がないと成り立たないので、サチ・パーカーという、日本で幼少期を過ごした女優がいたからこその企画だったんじゃないかと想像していたのですが、実はそうではなかったのです。武蔵野館のロビーに掲示されていた記事によると、最初この映画の話は彼女の母親であるシャーリー・マックレーンに来たのだそうな。でも彼女が「私は言葉ができないし、貴女のほうが向いている」と娘に回してくれたんだそうです。

なぜ最初、シャーリー・マックレーンに話を持っていたんでしょう?
新たな謎です。
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by foggykaoru | 2008-07-18 22:02 | 児童書関連 | Trackback | Comments(6)

「ジャガイモの世界史」

パラパラっと見て、「ジャガイモの原産地はペルーのティティカカ湖畔」と書いてあったので、読んでみた。

著者の伊藤章治という人は大学の先生だが、もと新聞記者。だから、学術的というよりルポ的で読みやすい。

ジャガイモは「厳しいアンデスの高地で生育する→寒冷地で栽培するのに適している」ということで、その後の世界の食生活を大きく変えた。寒さに強いかわりに、病気にはなりやすい。それでジャガイモに依存したアイルランドはジャガイモ飢饉で地獄を見た。日本はジャガイモが生育するにはちょっとばかり温暖過ぎる(北海道を除く)ので、かなり努力して品種改良しなくてはならなかった。

「日本のジャガイモは美味しくないから嫌い」と言う友人がいる。
確かにヨーロッパに比べると味が落ちるけれど、それは無理して作ったからなんだな。

いろいろなデータが収録されているが、いちばん興味深かったのは「国別ひとりあたり消費量」。
上から
ベラルーシ・キルギスタン・ウクライナ・ラトビア・ポーランド・ロシア・ポルトガル・イギリス・エストニア・アイルランド・オランダ・スペイン・ペルー・ドイツ・ニュージーランド・フランス・アメリカ・北朝鮮・ボリビア・イタリア・中国・日本

ドイツって、ジャガイモとキャベツとソーセージばかり食べてる印象が強いんだけど、案外少ないんだ。
ポルトガルが案外多いな。そういえばあの国の「おふくろの味」は「塩ダラとじゃがいもの炒め煮」だったっけ。
絶品のフライドポテト、あれは確かベルギーだったような。それともオランダだったかな?
スペインでジャガイモを食べた記憶は無いんだけど。
原産地ペルーはさすがにいまだに南米でトップなのね。

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by foggykaoru | 2008-07-14 21:33 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(24)

c0025724_8153246.jpg南仏プロヴァンスの市で売っていた壁掛け?です。
欧米人の目にはオシャレに映るんでしょうか。

メインサイトにプロヴァンス旅行記連載中。
今日アップしたのはリル・スュル・ラ・ソルグ。
この町をご存知の方も、そうでない方も、どうぞご覧下さい。
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by foggykaoru | 2008-07-13 08:14 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(6)

「しゃべれどもしゃべれども」

「一瞬の風になれ」の佐藤多佳子さんの小説。「一瞬の・・・」の順番がいつになっても廻ってこない(だったら買えよって話もあるが)ので、とりあえずこちらを読んでみた。人間ドックの待ち時間が有効に使えた(笑)

去年、TOKIOの国分太一クン主演の映画の予告編を何回も観てしまい、自由に脳内映像を描くことができなかったのがちょっと残念。でも楽しかった。DVDを観てみようかなという気にもなっている。

この小説は一人称で語られているのだが、「坊ちゃん」を意識したその小気味よい語り口がが最大の魅力だと思う。

「一瞬の・・・」がますます楽しみになってきた。

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by foggykaoru | 2008-07-11 20:42 | 普通の小説 | Trackback | Comments(8)

「西の魔女が死んだ」 まず読みました

この作品、評判がいいことは以前から知っていました。
つい最近も、知り合いのお嬢さん(中3)から「いちばん好きな小説だ」と聞かされたばかり。映画化されて、映画もまたなかなか好評ということで、まず読んでみることにしました。

「西の魔女」というから、「オズの魔法使い」に関係あるのかと思っていたら、別にそういうわけじゃないんですね。でも「オズ」をちゃんとよく知っていたら「なるほど」というところがあるのでしょうか。

最後はしみじみと感動して、涙が出ました。

私はあまり日本の児童文学には興味がないのです。
前も書いたと思うけれど、児童文学を読むときは「日本の現実から離れたい」という気持ちがあるみたい。もしくは「外国、特に英国の雰囲気に浸りたい」という潜在意識があるのかも。
でも、この作品は日本文学とはいえ、半分は英国児童文学です。だからかえってなじめました。

映画、観に行くかも。

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以下はネタバレ注意
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by foggykaoru | 2008-07-07 20:38 | 児童書関連 | Trackback | Comments(18)

『懐かしい「東京」を歩く』

古本屋で見つけた。森本哲郎著。

内容は、非常におおざっぱに分けて、
1.著者の幼少時ゆかりの地(巣鴨・渋谷・杉並・中野あたり)
2.芭蕉ゆかりの地、江戸(深川・日本橋あたり)
3.著者若き日、つまり戦後の銀座・渋谷あたり

1は私にもゆかりのあるエリアが中心なので、ふむふむと読んだ。

2はあんまり・・・
古文の引用があると読む気がしなくなる。困ったことだ。

3の、戦後の銀座の生々しい描写が胸に迫る。
どのビルも、火にあぶられてどす黒く煤け、ガラス窓は破れて、蜂の巣のような窓のひとつひとつにベニヤ板が打ち付けられて・・・(中略)・・・ボロ切れをつぎ合わせたテントのような「屋根」を、棒でささえた露店に並べてあるのは、三角形の小さな新聞紙の袋に、ひとにぎりの「南京豆」をつめたのとか、ブリキのようなガソリン・ライターとか・・・(中略)・・・古着、古靴、そんなものばかりである。

これは昭和21年の晩秋の情景である。
戦争が終わって1年以上たっても、そんな状況だったのだ。
2年前、私は旧ユーゴを旅し、ボスニアの銃弾の跡の生々しい建物などに目を見張ったのだが、私の親の世代の日本人は、あれと同じようなところで貧困にあえいでいたのだ。
大学に入っても、食べるためにバイトに追われ続ける著者。
私の父も、学生時代は祖父の収入だけでは暮らしが立たず、バイトばかりしていたと聞いている。
こんな東京で生活に追われていたんだ・・・。

苦労して生き抜いて、配偶者を得て、私を作って育ててくれたのに、親不孝な娘でごめん。

実は、著者のお父上は、私の父の中学時代の担任の先生だったそうで。
この本は父にプレゼントすることにします。

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by foggykaoru | 2008-07-05 21:07 | エッセイ | Trackback | Comments(16)