<   2009年 05月 ( 15 )   > この月の画像一覧

紅茶の国 紅茶の旅

読むまでは知らなかったのだが、著者の磯淵猛氏は紅茶のプロ。
紅茶にかかわる旅の数々が綴られている。

まずは中国。
外国人が行けない町へ、特別の許可を得て行く。
これが面白い。
そういうときは「お茶の研究」なんて言ってはいけないのだそうだ。許可を得るならビジネスを名目にするのがいちばん。普通の国に角をたてずに入国するなら「観光」なのに。中国は普通の国ではないのだ。

お次はセイロン。
つまりスリランカへ、「紅茶ツアー」の主催者として、客を連れていく。
これも面白い。
スリランカにぜひ行きたいという気分にはならないけど(苦笑)、つくりたての茶葉で淹れた紅茶は飲みたくなる。
つい先日ようやく終止符を打ったと報道された、スリランカの内戦の原因がよくわかった。
スリランカの少数民族であるタミール人というのは、イギリス人が連れてきたのだ。彼らはスリランカの人々よりも従順で使いやすかったそうで。現在の世界で起こっている紛争の種の少なからずは、イギリスによるものなのだ。
私はイギリスのことがけっこう好きだけど、事実は事実。

そして、スリランカにおける紅茶の父と呼ばれる人がジェームズ・テイラー。
彼のふるさとスコットランドに飛ぶ。
エジンバラからタクシーで走り回るのだが、これもまた面白い。
旅のなかで、いちばん面白いのは「探索の旅」なんだなと実感。

特に紅茶好きでなくても、ノンフィクションが好きな人には大いに楽しめると思います。


この本に関する情報はこちら
磯淵猛氏のプロフィールはこちら
氏の経営する紅茶のお店「ディンブラ」は藤沢にあるのだそうで。友人が話題にしていた記憶があるような無いような。(非常にあいまい)
[PR]

by foggykaoru | 2009-05-31 10:01 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(18)

相手は冬将軍?

ミシェル・サルドゥー・シリーズ第四弾。
実に劇場的な歌です。

「マンマ・ミーア」とか「アクロス・ザ・ユニバース」など、特定の歌手(グループ)のヒット曲を連ねたミュージカルが最近のはやりです。
ここはひとつ、サルドゥーの歌を使ってミュージカルを作ってみたらどうかね>フランス人

===============
『前進』

鼓手長 わかるか
命令だ
「前進」の太鼓をたたけ 前進だ

勝つか死ぬかしかない
考える余地は残っていない
「前進」の太鼓をたたけ 前進だ

1平方メートルにつき死体がひとつ
それが払わなければならない代償だ
政府の命令だから
そうすれば時間を稼げる
「前進」の太鼓をたたくんだ 前進だ

あそこの司令部のテントの中の大将は
一歩もひかないさ
やつは付けきれないほどの星章に埋もれていて
自分の武運を信じきっている
「前進」の太鼓をたたけ
前進だ 前進だ 前進だ 

らっぱ手 みんなを集めろ
今こそまさに
「前進」のらっぱを吹くときだ 前進だ

このいやらしい川を渡りきるんだ
そうすれば世界の運命が変わる
「前進」のらっぱを吹け 前進だ

とにかくおまえたちには他に選択肢はないのだ
一歩たりとも後退するな
憲兵隊が後ろに控えていて
砲兵隊は銃を構えている
前進だ 前進だ

今日は2月3日
きっと素敵な祝日になるぞ
役人どもはおれたちを祝福するだろう
おい らっぱ手 吹け 吹くんだ
「前進」の合図を
前進だ 前進だ 前進だ 

世界の裏側の
北の果ての工場では
まあるいメダルを作ってるぞ
しゅろの葉っぱの金メッキのやつを

前進だ 前進だ 前進だ

[語り]
英雄がいた
ある朝はアウステルリッツだった
ある夜はワーテルローだった

前進だ 前進だ 前進だ
===============

ここんとこ頼まれもしないのに(笑)翻訳ばかりしているのは、チャンレンジしてみるのが面白いからなのですが、語りの部分は歌詞サイトに載っていなくて、「英雄がいた」の前の一文が何回聞いても聞き取れません。悔しい・・・

Wikipediaによると、彼は国粋主義者とみられることが多いらしいけれど、この歌から受ける印象は真逆です。

YouTubeでこの歌を聴きたい人はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2009-05-26 22:34 | Trackback | Comments(2)

年をとったらかくありたいものです

ミシェル・サルドゥー・シリーズの続きです。
「恋のやまい」「司祭」の次のお気に入りだったのがこれ。
かなり意訳ですが、雰囲気的には正しいはず。

======================
『老夫婦』

末っ子も無事結婚した
もう子供たちはぼくたちがいなくても幸せにやっていけるわけだ
で、今夜思いついたんだけど
これからはぼくたち自身のことを少しは考えてみないか

ぼくたちは十分愛し合ってきた
でもぼくたち自身のことを本当に考える暇はなかった
で 思いついたんだ
2人で年甲斐もなく浮かれてでかけてみないか

ホテルに滞在しよう
ベッドでコーヒーを飲もう
南仏の小さいホテルがいいな
今夜思いついたんだよ

ぼくたちは今まで一生懸命働いてきた
辛くてもうだめかと思うこともあった
今こそぼくたち2人
幸せになることを考えてみないか

君はぼくにかわいい子供たちを与えてくれたんだし
休みをとる権利がある
で、思いついたんだ
ぼくも子供たちのように旅行をしてみたいな

でもそんなに遠くには行けない
それにほんの数日だけだ
ぼくの手をしっかり握ってくれたら
昔のように君に愛の言葉を贈ろう
今夜思いついたんだ

一緒に幸せな日々を送ろう
最後の日までぼくには君しか見えない
時がぼくたちを年老いさせてしまった
けれど そんなことでぼくの心は変わらない
そんなことでは
===================

年をとってもラブラブ全開なところが、さすがフランス男!
長年連れ添った夫からこんなことを言われたら、最高に素敵でしょうね。

日本人であっても、亭主持ちのみなさんにはとりあえず可能性はあるわけです。
楽しみですね!


この曲を聞きたい(サルドゥーを見たい)方はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2009-05-25 22:06 | Trackback | Comments(8)

年老いた英国女性

ミシェル・サルドゥーの3枚組CDの2枚目を聴きました。
耳に飛び込んできたのが la vieille Anglaise(年老いた英国女性)という言葉。
さらに「フランスは私を見捨てた」なんて言っている。
なんじゃこりゃと思って、歌詞サイトで確認。(フランスのCDは歌詞カードが入ってないのです)


=================
クイーン・メアリーと呼ばれた年老いた英国女性は
祖国の崖を遠く離れたカリフォルニアの埠頭で沈んだ
彼女を思うと
海に呑み込まれた漂流物や
夢を追い求めふるさとに戻れなかった長い手紙の数々を
うらやましく感じられる

もう二度と私のことをフランス[1]と呼ばないでくれ
フランス[2]は私を見捨てたのだ
もう二度と私のことをフランスと呼ばないでくれ
最後のお願いだ

私は巨大な船だった
1000年だって航海できる
私は巨人だった
大海と互角の勝負ができた
私は巨大な船だった
あまたの恋人たちが私に乗った
私はフランス[2]だった
でも今何が残っているというのだ
鵜につつかれる死骸同然だ

もう二度と私のことをフランス[1]と呼ばないでくれ
フランス[2]は私を見捨てたのだ
もう二度と私のことをフランスと呼ばないでくれ
最後のお願いだ

クイーン・メアリーと呼ばれた年老いた英国女性
彼女のようにカリフォルニアの埠頭では死にたくはない
世界最大の戦艦に沈没させてもらいたい
生まれ故郷ブルターニュのサン・ナゼールで
船底をさらしたい
==================


題名は「 le France 」。
フランスという国名は「 la France 」。女性名詞なので冠詞も女性形。(歌詞の中の[2])
ところがこれには定冠詞の男性形が付いている。
一瞬、目をむいてしまったのですが、よくよく歌詞を読むと、船の名前だということがわかります。つまり「フランス号」。(歌詞の中の[1]) 
以前からもしかしてと思っていたのですが、英語圏とは違って、フランスの船は一般的に男性らしい。

それでも歌の意味がわからないので、フランス語版Wikipediaで調べてみました。
それによると、この歌は、1975年当時ル・アーブル港の「忘却埠頭」とよばれるところに繋留されていたフランス号へのオマージュとして書かれたらしい。
繋留されて動かない船の悲哀。
動かない船は船とは呼べない。

Wikiによると、サルドゥーはいわゆるマルチ人間で、「歌手」というより「自作自演のアーティスト」と呼ぶべきなのだそうで。そして、彼の書く歌詞の多くは一人称なのだそうです。
あるときは田舎の司祭になったりする。
船にもなる、ということでした。


・私とサルドゥーとの出会い、そして田舎司祭の歌についてはこちら
・(フランス号とは無関係ですが)フランスの他の艦船の名称についてはこちら
[PR]

by foggykaoru | 2009-05-24 09:24 | バベルの塔 | Trackback | Comments(4)

ミシェル・サルドゥーを知ってますか?

フランスの歌手なんですけど。
ご存知ないでしょうねえ。
ウン十年前のフランス語専攻の学生たちの間ですら、話題になることはなかったから。
(同じミシェルでも、ミシェル・ポルナレフはメジャーでしたが。)

私が彼を知ったのは偶然でした。
たまたまつけたラジオから流れてきた曲にビビっと心弾かれ、反射的に手近にあったカセットデッキで録音したのです。そして、歌詞の中で繰り返される la maladie d'amour ---恋の病気---を手がかりにして、レコード屋で探し、ついに見つけたのがミシェル・サルドゥーという歌手のオランピア劇場でのライブのLPレコードでした。
「恋の病気」ならぬ「恋のやまい」は彼の代表作。

そのレコードも聴くことができなくなって久しいのですが、最近、ふと思いついて熱帯雨林で探してみたら、彼単独のCDは日本では出ていないことに気づいて愕然。(懐かしのフレンチポップス、みたいなCDの中に「恋のやまい」だけは収録されているけれど。)
このままだと永遠に聴くことができなくなってしまうかも、というわけで、熱帯雨林のフランス支店まで出向いていって探してみたら、さすがにありました。
送料すごく高いかも、とドキドキしつつも、勇気を出して「ぽちっとな」
待つこと数週間後、メールがきました。
「ご注文の品は入手が難しいんですけど。もしなんだったらキャンセルしませんか」
冗談じゃないわしっかりお探しとシカトしていたら、数日前に再度メールが。
「ご注文の品をお送りしました」
おお、やればできるじゃん! 偉いぞ熱帯雨林(って褒めるほどのことはない)

そして今日、届いたのです。(送料は5ユーロちょっとで済みました。ほっ)

3枚組のCDの1枚を聴きました。

「恋のやまい」以外の曲はすっかり記憶が薄れていたのですが、懐かしく思い出しました。

その中の1曲をご紹介。

=======================

『司祭』

私はさびれた教区の若い司祭です
山の中腹で
私は誰にも興味を持たれません
教区民たちがありがたがるローマの枢機卿とは違います
冬の寒い夜は退屈です
荒野の羊飼いのように
私はこの教会で眠るのです

[refrain]ああ神様、2人だったらいいのに
ああ神様、2人だったらいいのに
あなたを愛し、あなたに仕えるためには
2人だって多すぎはしないでしょうに
ああ神様、2人だったらいいのに

私はさびれた教区の若い司祭です
私はしょっちゅう思うのです
塩とパンを分かち合い
ともに眠り、私の魂を守ってくれる女性のことを
でも十字架の前で祈っても
その願いは天に届かず
私はこの教会でひとりぼっちです

[refrain]

この祈りを聞きいれてください
もしも聞いてくださらないのなら
主よ、明日この教会を閉めます

[refrain]

====================

メロディーはあくまでも明るい。
ミッシェル・サルドゥーの歌いぶりもはつらつとしていて、聴いていて爽快になります。
おお教会閉めるのか、じゃっ、元気で頑張れよって応援したくなる(笑)

原詩を見たい人(いるのか?)はこちらへどうぞ。
検索窓に「michel sardou le cure」を入れて検索してください。
外国語の歌の歌詞を確認したいとき、このサイトはとっても便利です。

ミシェル・サルドゥーの歌声を聴きたい人(いるのか?)は 「 michel sardou chanson 」あたりで検索すると、You tubeが出てきます。この曲は見つからないけど。


サルドゥー関連ネタはさらに続きます。
[PR]

by foggykaoru | 2009-05-23 22:24 | バベルの塔 | Trackback | Comments(7)

緑の模様画

ちょっと前に私の周囲で話題になった児童書。著者は高楼方子という人。

なぜ話題になったか。
このブログをいつも見てくださっている方なら予想がつくはず。

というわけで、物語はランサム、、、ではなくて、とある有名な児童文学作品をめぐって進行していきます。
そして、プロットは、ランサム、、、ではない、もうひとつのとある有名な児童文学作品に酷似しています。その作品に「インスパイアされて書いた」ということなのでしょう。でも、「パクリだ」と批判されてもしょうがない・・・かも。

でも私はじんわり感動しました。
もとネタの作品よりも切なくて、泣きました。

限りなく同年代なんです。この著者は。
この作品は年のいった人でなければ書けない。
そして、年のいった人のほうが泣ける。

で、なぜ話題になったか。
著者がランサム好きだということが明確にわかる部分があるから。
そこにランサムが出てこなければならないという必然性はゼロ。なのに、わかる人にはわかるように書かれている。(知らない人には何がなんだかわからない。)ということは、高楼さんはランサムが大好きなのです。間違いない。

思えば、今をさかのぼること10年前、1999年2月のある日、インターネットなるものを始めたばかりの私は、思いもしないところでランサム関係のウェブサイトにめぐり会ったのでした。(詳細はこちら。) あの出会いはその後の私の人生を変えました。

愛読書をともにする人の存在は、かけがえのないもの。
そのことを身をもって体験しているだけに、この本は心にびんびん響きました。


この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2009-05-19 21:49 | 児童書関連 | Trackback | Comments(2)

ロマンティックな旅へ---イギリス編

松本侑子氏が愛読書の舞台を求めてイギリスを旅するのだが、あまり紀行文という感じはしない。
メインはむしろ本とその著者の紹介のほう。紀行は3割ぐらい。

内容は以下のとおり。
1.ピーターラビットのおはなし---湖水地方
2.クマのプーさん---ハートフィールド
3.十二夜---ストラットフォード・アポン・エイヴォン
4.ジーキル博士とハイド氏---エジンバラ
5.嵐が丘---ハワース
6.白昼の悪魔 そして誰もいなくなった---トーキー
7.クリスマス・キャロル---ロンドン
8.シャーロック・ホームズの冒険---ロンドン・ベイカー街
9.不思議の国のアリス---オックスフォード
10. 水仙---湖水地方
11. ピーター・パンとウェンディ---ロンドン
12. ツバメ号とアマゾン号---湖水地方
13. トムは真夜中の庭で---イーリー
14. アーサー王伝説---ウィンチェスター
15. シェイクスピアのグローブ座---サザーク

湖水地方ときて、ピーターラビットとワーズワースで終わらずに、ランサムがちゃんと出てくるのである。でなければ読まなかったけど(苦笑)。ここは一応、「さすが松本さん」と言っておきたい。
しかもウィンダミアだけじゃなくてコニストンの名前も出ている。
蒸気船博物館やアマゾン号のカラー写真まで載っているのは、画期的と言うべきだろう。
写真はウィンダミアしかないのが残念だけど、ボウネスの写真の説明には「白い館はフリント船長のモデルとなった貴族の邸宅で今はホテル」とある。
へっ? そんなモデルがいたなんて知らなかった・・・。

紹介されている本はもちろん、その著者についてもほとんど知っていることばかりで目新しいことはなかった。例外はフリント船長のことぐらいで。でも楽しくさらさら読めた。

私としては、アーサー王関連でフランスにまで足を伸ばしているのが「買い」。
あと、いちばん行きたくなったのがトーキーです、、、と、ここまで書いて、以前読んだ松本さんの本の内容はどんなのだったっけと思ってブログ内を探したら、、、ほとんど同じだということが判明。そのポストはこちら。道理で目新しいことがなかったわけだ。それにしても、同じネタで何冊も書くんですねえ。出版社も同じじゃん。


この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2009-05-17 09:30 | 児童書関連 | Trackback | Comments(8)

君のためなら千回でも

お抱え司書(爆)お勧め本。

著者はカーレド・ホッセイニという、アフガニスタン生まれで在米の作家。
この小説が映画化されたことを、うかつにも、あとがきを読むまで知らなかった。

アフガニスタンの大成功者ババを父に持つ少年アミールと、その家付き召使アリの息子ハッサンの、「友情」という単純なくくりでは説明しきれない交流。少年の心の屈折。やがてソ連がアフガン侵攻を開始。人々の日々の暮らしが引き裂かれる。そして数十年後、タリバンの支配する時代がやってくる。日本のNPOのメンバーが不幸にあったことで耳馴染みになってしまったペシャワールという地名も登場する。

面白い。読み終わるまでに何度も泣いた。

この作品の最大の魅力はババの人物像だと思う。決して完全無欠な人ではないけれど、いや、完全無欠でないからこそ、魅力的なのだ。

そしてアフガンの民族対立や宗教問題など、教科書で習ってもすぐに忘れてしまうが、こういう本を感動しながら読むと、心の中に刻印されたように残る。文学の力は偉大だ。


この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2009-05-16 15:49 | 普通の小説 | Trackback | Comments(4)

新ランサム掲示板について

従来のランサム掲示板は、荒らし投稿が多く、なおかつ、管理人代表である私自身がアクセスできなくなってしまったので、新掲示板に移行しました。

新掲示板への行き方はアーサー・ランサム・クラブHPのトップページに書かれています。

これからもランサム掲示板をよろしくお願いいたします。
[PR]

by foggykaoru | 2009-05-10 21:33 | 児童書関連 | Trackback | Comments(0)

艦船の名前について

先日、横浜での帆船模型展で「ラ・ジャルウズ」という名前のフランス船の模型を見ました。
La Jalouse...
変な名前だなあと思いました。

というのは、jalouseとは「嫉妬深い(英語のjealous)」という意味の形容詞「jaloux」の女性形に定冠詞(の女性形)「la」を付したものだから。
フランス語では、形容詞に定冠詞を付けて、「~な男」「~な女」「~な人々」という意味で使うことがあります。
「レ・ミゼラブル les Miserables(=みじめな人々)」という例はあまりにも有名。
こういうのは英語でもあるかな。
ただ、英語の場合は複数形を使った「~な人々」という用法だけだったかも?(←記憶が非常にあいまい)
英語には形容詞や冠詞の性変化が無いのだから、当たり前といえばそれまで。

で、la Jalouseというのは「嫉妬深い女」という意味。



トラファルガー海戦のコーナーがあったことも前のポストに書きましたが、ここには、海戦の様子を描いた絵の模写が展示されていて、船それぞれに英国側か敵(仏+スペイン)側かという区別に加え、艦船の名称が記されていました。

それをつくづく見て、へえええと思った私。

このサイトネルソン提督記念館というコーナーに「艦と海戦」というサブカテゴリーがあって、そこにネルソンが戦った有名な海戦に参加(っていうのも変な言い方ですが)した艦船のリストが載っています。マニアだにゃ~。
トラファルガーの海戦はここ

で、私を「へえええ」と思わせたフランス船とは
(le) Formidable
(le) Redoutable
(l') Indomptable
(le) Fougueux

これ、みんな形容詞なんです。

上から順に
恐ろしい(現在は転じて「素晴らしい」)
恐るべき
馴らすことができない(馬で言えば飛陰ですね)
血気にはやった
ぬあんとも迫力ある単語たち。

ナイル海戦のリストを見ると(おおカサビアンカ!お懐かしゅう!とのはさておいて)
(l')Heureux = 幸福な
なんてのがある。
いったいどういうつもりなんでしょうかね。戦艦にこんな名前をつけるなんて。
名詞ならまだわかる気がするけれど、これはあくまでも形容詞。ハッピネスでなくて、ハッピーなんです。
(le) Genereux = 寛大な
これはまあいいか。でもあんまり強くなさそう。


で、英国の艦船の名前には、あんまり形容詞は無いんじゃないか、、、と予想したのですが、ありました。いくつも。

セント・ビンセント沖の海戦には
Excellent

ナイルの海戦には
Audacious(大胆不敵な)
Zealous(熱意のある)

コペンハーゲンの海戦には(アマゾン号がいた!ということはさておいて)
Ardent(熱烈な)



なんとなく、英国の艦船の名前は正統派のような感じがします。
それに比べてフランスはようわからん・・・
ナイルの海戦はほんわかやってたけれど、トラファルガーのときは名前だけでも怖そうにした、ということなのでしょうか?


※このサイト、映画「マスター&コマンダー」公開のころに見つけたのですが、ほんとうに労作だと思います。
でも、せっかくカタカナで発音表記しているのに、間違いだらけなのがとても残念。
それと、ネルソン巡礼地の「St. Paul's Cathedral」を「聖パウロ大聖堂」と訳してあるのもちょっと、、ね。
直してさしあげたいのですが、それはあまりにもでしゃばりというものでしょう。
[PR]

by foggykaoru | 2009-05-09 12:40 | バベルの塔 | Trackback | Comments(9)