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ソーシャル・ネットワーク

最近、Facebookへの招待が3人の友人から立て続けに来ています。
実名登録なんてとんでもない!と思って無視してるのですが、昨今の北アフリカ諸国の反体制運動の原動力がフェイスブックだと聞くと、ちょっと覗いてみようかな、、、と思わないでもなかったりして。

で、この映画。
ぜんぜんタイプじゃないなと思いつつ、観てきました。一応、日本製SNSには参加してるし。

なかなか興味深かったです。

世界の人々を結ぶコミュニティーサイトの主催者が、普通にお友達関係を結ぶためのコミュニケーション能力に欠けているという皮肉。

主人公マークがフェイスブックを立ち上げたきっかけが、どの程度事実に基づいているのかはわからないけれど、アメリカという国は、建前上、世界一自由と平等をうたっているくせに、実はものすごく差別化意識があり、名門大学の名門クラブに入るには、出自などによる、それはそれは高い敷居がある、というのは現実なのでしょう。日本のほうがはるかに平等で自由な国なのだと思います。そんな彼が、誰でも登録可能なコミュニティーサイトを作ろうとした気持ちはわかります。

フェイスブックが成功したあと、いろいろな問題が噴出します。そのときの彼の行動には、非難されるべきところがないではないけれど、彼にとって、フェイスブックは、自分の作り上げた宝であり、彼のよりどころ、アイデンティティなのでしょう。それを傷つけようとする者は許せない。

よくもこんな映画を作ることを承諾したものだと思うけれど、映画のおかげでフェイスブックの知名度はさらに高まったわけなので、そういう意味からも、彼の行動は首尾一貫しているように思いました。



★蛇足★
あちこちでレビューを読んだのですが、「マークのマシンガントークの字幕を追うのが大変だ」という声が多いことに、ちょっと驚きました。
普段やってる乱読・濫読・速読がこんなところに役に立つとは(苦笑)
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by foggykaoru | 2011-02-28 20:42 | 観もの・聞きもの | Trackback(5) | Comments(12)

異変の原因

おとといから当ブログのアクセスが異様に伸びています。
いったい何が原因かと、検索ワードを調べてみたら・・・
「松露とり」がトップ。
でも、実質的なトップは「スーザン」です。「ナルニア スーザン」と「ナルニア国物語 スーザン」を合わせると、当ブログの1日平均アクセス数をはるかに上回ります。
世の人々の心を揺さぶるのですね、あのスーザン。

せっかく飛んできてくださったのに、ナルニアブログじゃなくてごめんなさい。
せめてもの罪滅ぼしとして、ウィーンの書店で撮ったナルニア関連の写真のご紹介。

c0025724_10205156.jpg店員さんに気付かれないように、ノーフラッシュであわてて撮ったのでひどいピンボケで、これ以上大きくできません。


映画公開に合わせてこういう表紙の本が出ること自体は驚きではないのですが、本を開いてみてちょっとびっくり。

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本自体はちゃんとした翻訳本。なのにところどころに映画の写真のページがある。
日本だったら、映画関連の写真はあくまでも映画のムックでしか見られませんよね。

c0025724_10333219.jpgこちらは7巻ボックスセット。背表紙のデザインが工夫されていて、「NARNIA」と読めるようになっている。7巻で6文字だから最初のNで2巻分。


年末のパリ・ウィーンの旅の顛末は、メインサイトで連載中。
ナルニアのナの字も出てきません。
出てくるのは「の」の字だけですので、あしからず。
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by foggykaoru | 2011-02-27 10:47 | 児童書関連 | Trackback | Comments(8)

ヴェルサイユ宮殿に暮らす

副題は「優雅で悲惨な宮廷生活」
著者はウィリアム・リッチー・ニュートンという、ヴェルサイユを専門とする歴史家。
というわけで、とても真面目な本である。
面白いかと問われれば、確かに面白いのである。
でも、最初から最後まで同じ調子で事細かに書かれているので、後半はうんざりして、かなり斜め読みになってしまった。

よく、「ヴェルサイユ宮殿にはトイレはなかった」とか言われるけれど、それは間違いなのである。
トイレはあった。(王侯貴族はもっぱら「おまる」だったのだけど)
でも、足りなかった。
だから「殿方はどこの隅でも放尿されます・・・」という報告が残っている。ひえ~
公衆トイレはすごいことになっていて、便槽掃除の人が悪臭やらなんやらで死んだりしたそうな。

足りなかったのはトイレだけではない。
水も足りない。王侯貴族のおしゃれを支えるためには、せっせと洗濯しなくちゃならないのに。
洗濯場の下流で飲用水を取るわけにいかないから、洗濯女はあっちへ行け!みたいな悶着がしょっちゅう。でもあっちってどこよ?状態。

台所も足りない。
国王に許されてヴェルサイユに入居した人は、自分の部屋のそばにかまどを設置する。

冬は寒い。
煙突からもうもうとあがる煙もすさまじく、遠くから見るとまるで火事みたいだったり。
煙突が機能しているのはましなほうで、詰まっていることも珍しくなかった。
火事の危険があったし、部屋に煙が充満する。
ルイ16世が咳体質だった原因も煙に一因があるらしい。


なぜこんなに何もかも足りなかったか?
それは超過密だったから。
なにしろヴェルサイユには国王の親族だけではなく、側近の貴族、そしてその使用人まで住んでいた。
その数およそ1000人!
そもそも部屋が足りない。200余りの部屋があっても、全然足りない。

ルイ14世が王室の本拠をヴェルサイユに移したのだけれど、彼以降、王室の財政はどんどん逼迫していき、宮殿の維持費がまかなえなくなっていった。ほんとに悲惨。


ウィーンはどうだったのかな。
マリー・アントワネットが嫁入りしたときのウィーンの王宮やシェーンブルン。
子どもだった彼女の眼にも、ヴェルサイユは実家よりもしょぼく見えたのだろうか? 
それとも子どもだからあまりよくわからなかったのだろうか?

日本が清潔だったのは、人糞を肥料に使っていて、リサイクルがしっかりできていたおかげだと言われる。
さらに、水が豊富だったから。洗濯も掃除も楽勝。
なんだかんだ言って、日本っていい国だった。
今だって(いろいろあるけど)いい国なんだよねえ。
外国を旅していると、日本の気候は素晴らしいとしみじみ思う。
極端に寒くなくて、そして水が豊富。
あのヒートアイランド現象さえなければねえ。。。

でも、いくらトイレがあれでも、水が不足がちでも、ゴミを宮殿の窓からポイポイ捨てるというのはいかがなものか。
フランス人にもともと「清潔に暮らしたい」という気持ちがあまりなかった、ということも言えそうだ。



この本に関する情報はこちら
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by foggykaoru | 2011-02-26 09:52 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(2)

MANGAコーナー(追記あり)

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しつこくてすいません。

パリの大型書店FNACのカルチエ・ラタン近くの支店のMANGAコーナーとフランスのオタクくん(またはオタク嬢)
三善のアパルトマンのすぐそばだから、きっとフランクのお気に入りスポットです(妄想)

でも、ここにも『のだめ』11巻はなかったのよねー(涙)

明るさ不足でも店内でフラッシュをたくわけにもいかず、例によってピンボケですが、拡大写真もご紹介。マンガに詳しい方にとっては興味深いかもしれないので。

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[2/24追記]フランス語版『のだめカンタービレ』刊行関連の記事はこちら
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by foggykaoru | 2011-02-23 21:18 | マンガ | Trackback | Comments(6)

パリの船ネタはまだあったのでした

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コンセルヴァトワールのすぐそばにある、音楽美術館にて。

薄暗いところで頑張ってノーフラッシュで撮ったのですが、ピンボケがひどくて。
これでも画像処理してあるんです。
しかも右端が切れてしまっている。

ほんものはとても美しかったんですよ。
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by foggykaoru | 2011-02-22 21:35 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(4)

なぜこんな名前なのだろう

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このところポストが立て込んでいます。
その第一の理由は、今ちょっと時間的余裕があるということ。
でもそれだけではありません。
旅行記に載せるのには適さないけれど、どこかにアップしたいネタを、パリではやたら見つけてしまった、ということが大きいのです。

写真はオルセー美術館からシテ島方面に向かってセーヌ河沿いの道を歩いていたときに見つけたカフェ。
その名も「la Fregate」

なにゆえに「フリゲート艦」という名前なのか?
交差点の反対側からこの写真を撮っただけで、それ以上近づかなかったのを、今になってちょっと後悔してます。

次回のパリの宿題ね(^^;
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by foggykaoru | 2011-02-21 21:44 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(2)

セーヌの帆船

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今回は『のだめ』関連スポット巡礼のために、今までにほとんど歩いたことのない、セーヌ沿いの遊歩道に降りてみました。
そしてびっくり。
セーヌにはこんな船もいたんですね。
観光船があんなに行き交う大きな河なんだから、それ以外のタイプの船がいても不思議はない。

でも、今回は船が特によく見える状況だったのです。

旅日記「なんとなく『のだめカンタービレ』」佳境です。
今回はオタクネタ(自爆)だけでなく、まともな旅ネタもいっぱい。
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by foggykaoru | 2011-02-20 19:34 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(2)

テルミン

副題は「エーテル音楽と20世紀ロシアを生きた男」
著者はテルミン奏者・竹内正実氏。

この本を手にとったのは、も・ち・ろ・ん 『のだめカンタービレ』の影響です。

2000年刊。
その10年後にテルミンが登場する映画がつくられ、その演奏を依頼されることになろうとは、著者も予想だにしていなかったことでしょう。

テルミンの発明者であるレフ・テルミンの人生は、ソ連邦の歴史に重なる。
1896年生まれで、幼いころから抜きんでて優秀で、特に物理と音楽が得意だった。
レオナルド・ダ・ヴィンチような万能の天才だったそうな。
青春真っ只中のときにロシア革命を経験し、ロマンに燃えて赤軍に入る。
できたての楽器テルミンをレーニンはいたく気に入った。
アメリカに紹介され、脚光を浴びるが、その後、悪夢のスターリン時代がやってくる。
苦労しつつもなんとか生き抜いたレフ。
ペレストロイカ以降、「あのレフ・テルミンが生きていた!」と(おもにアメリカで)話題になる。
亡くなったのは1993年。

スターリンというのはなんてひどい奴なんだろうと、今さらながらに思った。
手あたり次第の粛清。
誰でも命を落とす可能性があった。

竹内氏によると、テルミンはシンセサイザーの先駆けなのだそうだ。
だが、誰が演奏しても同じにできるという、現代の最先端のデジタル楽器とは正反対に、テルミンは非常に演奏が難しいために、忘れ去られかけた。
ところが、その後、音楽の潮流が変化する。
今や、「誰がやっても同じに弾ける」のではつまらない、努力して演奏技術を磨かなければならないというところがいいのだ、という考え方になりつつあるのだとか。

そりゃそうだ。
努力して、少しずつ練習の成果が現れてくるのが、面白いんですよね。

とはいえ、テルミンは依然としてマイナーな楽器です。
「メジャー」には永遠にならないと思う。。。
そういう摩訶不思議な楽器があるということだけは、以前からなんとなく知ってはいましたが。

こんな楽器を登場させた『のだめ』ってすごいなと、改めて思いました。
23巻の巻末に豆粒ほどの文字で参考文献がぎっしりと書かれていますが、あれで全部ではないのではないかと思ったり。


この本に関する情報はこちら
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by foggykaoru | 2011-02-18 20:57 | 伝記・評伝 | Trackback | Comments(10)

たぶん誰にもわかってもらえない土産話

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デパート「ギャルリー・ラファイエット」のショーウィンドウ。
見ている人の姿がガラスに映り込んでいるので、とてもわかりにくいのですが、ミュージカル「マンマ・ミーア」のフランス語版をBGMに、舞台の映像が流れ、お人形たちも一緒に踊っているという図。
フランス語版の歌詞のテロップが流れていました。

なにゆえにこれがツボなのかと申しますと、、、

数年前、事情があって、このミュージカルのフランス語版を探しました。ところが見つからず、ナンバーのいくつかを、フランス語訳しなくてはならなくなったのです。(もちろん独力ではなく、フランス人にチェックと手直しをしてもらいましたけれど。)

今回、テロップをじいっと眺めていたら、私の訳と全く同じフレーズがあり、人知れず感激しました。

↓こちら↓はミュージカル「モーツアルト」。日本では確か東宝が上演したはず。

c0025724_19275254.jpgこれも、いくつかのナンバーをフランス語訳したことがあります。
パリで上演していることを前もって知っていたら、絶対に観に行ったのに・・・。

日本語というのは、音符に1音ずつしか乗せられないから、歌詞の中身が薄い。だから、翻訳するときは、日本語は役に立たない。頼りになるのはあくまでも原詞です。

「マンマ・ミーア」の原詞は英語。
しかもスウェーデン人であるABBAの英語なので、とても平易だし、内容もたいしたことない。

ところが、「モーツアルト」のほうはウィーン製ミュージカルなのです。当然、原詞はドイツ語。
20数年前に勉強したドイツ語が、(旅先以外で)役に立ったのは、それが最初で最後です。(正確に言うと、最後かどうかはまだわからないのだけれど・・・でもきっと最後だと思います。) 

私がいちばんお金をつかった外国語は、実はドイツ語です。
学生時代に学んだ英仏語とは違い、ドイツ語は社会人になってから始めたので、月謝は当然自腹。
だらだらと何年も続け、ローテンブルクとザルツブルクの語学講座にも行った。
そのわりにはたいして身についていない。
あくまでも趣味だったので、気合いがぜんぜん入っていなかったせいです。
なにしろ家では何も勉強しなくて、週に1回、授業のときにしか教科書開かなかったもんね。

そんなドイツ語が役に立つ日が来るなんて・・・
「人生には無駄なことはない」と、しみじみ思ったものです。


・・・で、今やどちらのミュージカルにもフランス語版が存在するわけなのです。
だから、今だったらあんな苦労をしなくて済んだのだ・・・という意味においても、感慨無量だったのでした。
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by foggykaoru | 2011-02-17 20:34 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(4)

たのしい川べ

ケネス・グレアム著。
英国児童文学の名作として知られるこの作品ですが、読んだのははるか昔に1度きり、しかも英語で読んだ、というアブノーマルな出会いでした。
実際のところ、読みこなせたという自信もなく、改めて読んだら自分がどう思うのかが、ずっと気になっていたのです。
今回、きちんと(?)日本語で読んで、ようやくこの作品の感想というものを語れる状態になりました。


渋いじゃん。これを面白がれるのは、もしかしたら大人のほうかも。
子どもが夢中になるのは「プーさん」のほうでしょう。

なにしろ登場人物、もとい、登場動物がイギリス人そのもの。
人(?)づきあいが悪いけれど、実はとても良い人(?)で、いざというときに頼りになるアナグマ。
ヒキガエルは地方のジェントリーとか呼ばれるような家のボンボンですね。
川ネズミがむちゃくちゃいい奴で。気のつかいかたがすごい。こういう気の使い方をするのは大人です。で、大人が読むと、ほろっときてしまう。
もちろんモグラも可愛い。っていうか、冒頭のモグラの行動の唐突さにびっくりです。ま、そうしないと物語が始まらないし、そこがいいんだけど。

彼らの行動規範は英国紳士のそれです。
見栄っ張りのヒキガエルはどのようにならねばならないのか。

旅ネズミの話をきいて、正気を失い、どこかにでかけたくなる川ネズミ。
普通はそこで旅にでかけるんです。そして物語が始まる。冒険が始まる。
でも、この物語ではそうはならない。
何よりも大切なのは「かくあるべきもの」だから。

でも、なによりも感じ入ったのは、石井桃子さんの訳文。
私のいちばんのお気に入りの章である「あかつきのパン笛」から引用します。

大きな半円をえがいた白いあわ、きらきら光る、青い水のもりあがり---大きな堰が、岸から岸までよどみの水をせきとめて、しずかな水面にうずを巻かせ、あわをたて、そのおごさかな、こころよいとどろきで、ほかのいっさいの物音をかき消していました。流れの中ほどに、きらきら光る堰の両腕にいだかれて、水ぎわにヤナギや、ハンの木を繁らせた小島が1つありました。えんりょがちに、はずかしそうに、そのくせ、いかにも意味ありげに、ベールのかげに、なにか大きなひみつをかくしているようすをしています。

こんな日本語が書ける翻訳者は、今の日本にはもはやいないんじゃないでしょうか。
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by foggykaoru | 2011-02-16 20:27 | 児童書関連 | Trackback | Comments(4)