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運命の騎士

みなさんのお薦めがあったので読みました。
サトクリフ作。
舞台はノルマン朝のイギリス。
というか、イギリスともフランスともつかなかった時代。私の好きな時代。

前書きでサトクリフが言ってます。
「イギリスの子どもたちが本腰で歴史を勉強し始めるのはこの時代だ」と。
やっぱりイギリスでもそうなんだ。
してみると、「ノルマン・コンケスト以前のイギリスはピンとこない」という私の気持ちをわかってくれるイギリス人は多いのかな。

で、物語ですが、
ぶっちゃけ、この時代だったら、普通に大人が主人公の本のほうが好きかもしれません。
でも児童文学だってわかって読んだのだから、そこに文句を言うのはお門違い。
今まで読んだサトクリフの作品の中でいちばん好きです。
なにしろ読み終わったとたん、読み返したんですから。これはかなり気に入ったという証拠。

邦題は意味分かんない。
主人公の数奇な運命を描いているってこと?

まあ、子どもに「読んでみようか」という気をおこさせる題名ではありますが。


・どうでもいい蘊蓄(のうちにも入らない)
「ジョワイユーズ」という犬が登場しますが、これはフランス語の「楽しい」という意味のjoyeuxの女性形であるjoyeuseです。だからきっと雌犬です。

ねっ、だから「イギリスともフランスともつかなかった時代」なんですよ!


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by foggykaoru | 2012-02-29 22:13 | 児童書関連 | Trackback | Comments(8)

アカデミー作品賞に

『アーティスト』が選ばれたとのこと。
フランス映画として初の快挙だとのこと。

うわーい、久しぶりに単館じゃなくて、大々的ロードショーとしてフランス映画を観られるんだ!!
と喜んだら・・・

無声映画なんだってさ。

フランス語聴けないじゃん(号泣)
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by foggykaoru | 2012-02-27 21:49 | ニュースから | Trackback | Comments(9)

ヤッターマン

疲れきって帰宅し、テレビの前で倒れていたら、いつしか始まったのが「ヤッターマン」。実写版の映画が作られたことは知っていたけれど、これかあ・・・と、ぼんやり見ていたら、いつしか見入ってしまいました。

ものすごい。
超絶ナンセンス。

子どもの頃、テレビでやってたアニメの「ヤッターマン」、はっきり言って嫌いでした。
たぶん合計5分ぐらいしか観たことないはず。

今観て納得。
あの頃の私にはこのナンセンスはまったくわからなかった。

巨乳の仮面美女ドロンジョが誰だかわからず、ネットで調べてしまいました。
フカキョンだったのか。すごくいい。
その部下役の生瀬くん。さすが。舌を巻くうまさです。

それにしてもマニアック。
監督はアニメの大ファンだったんでしょうね。
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by foggykaoru | 2012-02-24 23:38 | Trackback | Comments(6)

大聖堂---果てしなき世界

ケン・フォレット作。『大聖堂』の続編。
舞台こそ同じキングスブリッジだが、何世代も後の人々の物語なので、それほど連続性はない。

冒頭からかなりドロドロ場面に引きずり込まれる。
貧困、暴力、欲望が渦巻く世界。

そういや『大聖堂』もそうだったっけ。
こういうの得意じゃないのよねーー
ケン・フォレットってあんまり好きじゃないかも。。。
というわけで、上巻を読むのに1週間以上かかりました。
いつでもやめられる、と思いつつ。
でも上巻がいよいよ終わるころになると、なんだかやめるのがもったいなくなる。
そして中の中ほどから、怒涛の勢いになり、下巻はあっという間でした。

時は14世紀。
英仏は百年戦争真っ只中。
フィレンツェが栄華をきわめている。
そこにペストがやってくる。
ペストの最初の症状はくしゃみだということを覚えました。
これからはくしゃみをしたら「あら、ペストかしら」とツボれます(←バカです)

『大聖堂』のときも思ったけど、ケン・フォレットって、悪役が徹頭徹尾悪役。
そのわかりやすさが人気の秘密?

個人的にローマン・ブリテンよりも時代としては好みだけど、作品自体の格は『第九軍団のワシ』のほうが上だと思います。


とりあえず、上巻に関する情報はこちら
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by foggykaoru | 2012-02-22 20:53 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(4)

第九軍団のワシ

ローズマリー・サトクリフ作。
彼女の作品は『太陽の戦士』しか読んでません。
歴史ものは好きなんだけど、私が得意なのは中世以降でして。イギリス関係ではプランタジネット朝、ちょっと飛んでエリザベス朝(飛び過ぎだ)あたり。わりと一般大衆です(^^;

というわけで、彼女の歴史ものは私には古すぎて、どうにも手が出しにくかったのです。

それでも頑張って読んだのは、近々この作品の映画が公開されるという話を聞いたから。大々的なロードショーというわけではなさそうだけど。

読んでみたら、、、
ふむ。いい作品でした。

ローマ帝国ってなんでそんなに拡大したんだ? 維持できるはずがないでしょ! とかサトクリフの責任ではないことに無意味なツッコミを入れつつも、楽しく読みました。
探索の旅の途中はすっとばしです。(私がすっとばしたのではなく、描かれてないということ。)トールキン教授だったら何百ページ費やすことか(爆) そこが児童文学の楽なところ。(褒めてるんです。)
筋立てとしては渋いです。とても。
単純に「めでたしめでたし」ではない。
けれども読後感は明るい。
緩みのない構成に感心しました。

でもやっぱり私はもっと新しい時代のほうが好みです。
私にとっての最大のツボ、それは「なぜこの本を書いたか?」という前書きでした。ロマンだわ~ 

あー 書けば書くほどけなしているみたいになるのはなぜ? いい本なのに。
サトクリフファンのみなさん、ほんとにほんとにごめんなさい。

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by foggykaoru | 2012-02-21 22:30 | 児童書関連 | Trackback | Comments(14)

ゴージャス

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暗くてわかりにくいかな。
パリのバカラのトイレです。
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by foggykaoru | 2012-02-19 10:04 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(4)

名前が意外だったので

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パリの「進化大陳列館」にあった「エイ」
フランス語ではこう呼ばれているんですね↓

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Diable de mer = 海の悪魔
学名から推察するに、日本近海にいる種らしい・・・
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by foggykaoru | 2012-02-17 22:17 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(9)

ハリスおばさんモスクワへ行く

ポール・ギャリコの「ハリスおばさんシリーズ」4つの物語の最終巻。
「国会へ行く」は未読だけれど、読んだ3作の中では最初の「パリへ行く」がいちばん。
特にこの話、おばさんが窮地に陥って、そこから抜け出すくだりに無理がある。無理無理。無理やりの力技。わけがわかんない。

ハリスおばさんがソ連だったころのモスクワに行く。
ホテルにトイレットペーパーがないというところで、「日本でも不足している」とある。石油ショック直後に書かれた本だから。

ちょっとちょっと、ソ連と一緒にしないでちょうだい!
日本でトイレットペーパーが不足したのは、「そのときだけ」だったんだから!

このシリーズの魅力の1つは亀山龍樹の古風な訳。
「らちもないもの」とか、私は絶対に使いこなせない日本語だ。


この本に関する情報はこちら


Wikipedia見たら『ポセイドン・アドベンチャー』はギャリコ原作なんだそうだ。知らなかった・・・
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by foggykaoru | 2012-02-16 21:47 | 児童書関連 | Trackback | Comments(2)

想像上の生き物だと思ってました

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パリの「国立自然史博物館」の一環である「進化大陳列館」。フランスの生物系研究所で働いている知人の勧めで行ってみました。「理系でなくても楽しめる。展示がしゃれている。さすがフランス!」という彼女の言葉に納得。

写真は「絶滅種及び絶滅危惧種」コーナーの入り口にあったドードー鳥です。
この鳥、ドリトル先生に出てきませんでしたっけ? 実在してたんですね。てっきり想像上の生き物だと思ってました。

このコーナー自体、めちゃくちゃ面白いのですが、それ以前に、見学者をここに誘導する方法が面白い。この博物館は全体的にかなり薄暗いのですが、このコーナーの入り口に向かって明るい光が走っていくのです。「こっちの奥に入ってみなさいよ」と誘うように。うまく言い表せないけど。

「進化大陳列館」、お勧めです。
・・・でもフランス語がわからないと面白さが半減するかな。
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by foggykaoru | 2012-02-11 10:23 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(14)

トイレの話をしよう

副題は『世界65億人が抱える大問題』
著者はローズ・ジョージというイギリス人女性ジャーナリスト。

トイレ問題を論じたまっとうな本。『東方見便録』とは違います。でも面白いのは絶対に『東方~』です。こっちはまとも過ぎ、真面目過ぎてちょっと飽きた。ローズさん、ごめん。

健康に暮らすためには水の問題を避けて通ることはできない、だが、水の問題というと、上水道の整備という方向ばかりに目がいってしまう。しかし、「屋外をトイレとして利用する」ようなことでは、清潔な水は確保できない。だからまずはトイレ問題なのだ!という本。

しょっぱなが日本のトイレ事情である。
日本の輝かしい発明である、高機能トイレの話。
そういうトイレが日本で発明されて広まったことを、著者はちょっと意外に思っているようだが、日本人ってもともと風呂好き、めちゃくちゃ清潔好き、洗うことが好きな民族なんだよ。ローズさん、知らなかった?
「トイレをきれいに掃除すると美人になる」とか「きれいな子が生まれる」というのは、『トイレの神様』で歌われる以前からよく言われていたこと。それは女性につらい仕事を体よく押し付けるためだったとも言えるが、日本人がトイレの清潔さを重視していたという証拠であることは間違いない。
ところでTOTOの人は「アメリカ人はトイレに関心がないから、高機能トイレは売れない」と語ったそうだが、今もまだそうなのかな? 今や中国人が日本のトイレに大注目しているというのに。(この本は2009年刊)

衛生的なトイレを確保するためには、「トイレよりも外で用を足すほうがマシだ」という環境を変えなければならない。たとえば、インドでは意外や意外、トイレを整備するためにけっこうなお金を使っているのだそうだ。しかし、せっかくトイレを作っても、しばらくするとそれが使われなくなり、結局、人々は道端に逆戻りする。

マダガスカルに行ったときのことを思い出す。
学校を作っているフランス系のNPOの人に偶然出会い、話を聞く機会があったのだが、「ただ建物を作ってもダメ。そのあとの維持や運営に目を配らないと」という言葉が印象に残っている。トイレも同じなのだ。

そして、「外のほうがマシ」という気持ちもよくわかる。
マダガスカルではトイレは原則「外」だった。(もちろん、ホテルにはまともなトイレがある。)
長距離バスのトイレ休憩は草原の真ん中。みんなバラバラと散っていって、用を足すのである。(ミャンマーも同じ。)
最初はぞっとしたけれど、慣れてくるとどうってことなくなる。
そして、最後の頃、たまたまトイレがあって、そこで用を足したとき、「こんなトイレよりも外の方がいい」と痛感したものだ。

だから「トイレで用を足したほうが気持ちがいいトイレ」を作り、維持しなくてはならないし、「トイレがあったほうが経済的」、たとえば「そこらで用を足していたときに比べて下痢しなくなり、薬代が節約できるようになった」ということを人々に実感させなくてはならない。
さらにインドの場合は「カースト下位の人たちのトイレ問題を解消することこそが、自分たちの健康向上には不可欠なのである」ということを納得させる必要がある。

ところで、著者は「トイレ問題を語る政治家はいない」と嘆いているが、実はそういう政治家もいるのである。
1955年から5期にわたり三鷹市長だった鈴木平三郎という人である。
彼は「下水道を完備する」ということを公約に掲げて有権者の支持を得た。もともとは社会党系だったけれど、どんどん独自路線に走るものだから、実質的に「鈴木党」みたいになっていったらしい。異端の政治家、とでも言おうか。(たぶんね。私はまだ子どもだったから、このあたり、はっきりとは知らない。)
彼のおかげで、三鷹市は昭和48年に全国に先駆けて下水道普及率100%を達成した。つまり23区よりも早いんです。
このことを知る三鷹市民は、きっと今もそれを誇りに思っているはず。私がそうだから。もう市民じゃないけど。
鈴木さんは三鷹名誉市民なんだそうです。当然です。


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by foggykaoru | 2012-02-09 21:02 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(11)