<   2012年 08月 ( 7 )   > この月の画像一覧

ローマ法王の休日

イタリア映画です。

映画館が小さいということもあるけれど、レディースデイに上映開始の2時間前に行ったら、もらった整理券は30番目。立ち見も出るほどの盛況でした。

ローマ法王に選ばれた人が「私にはどうも」と言い出し、周囲が翻弄される。

さすがイタリア映画。
映像的に真実味がある。ロケ地も大道具も小道具も衣装も。他の国ではできない。
第一、イタリア語じゃなくちゃ話になりません。

でも、『ローマの休日』みたいな映画を期待していくとがっかりすることでしょう。
あんなロマンチックな話じゃありません。
真逆。皮肉っぽいし。

「結末に唖然とする」というレビューを読んでいたのですが、、、
なるほどです。
普通はこの場面から物語が始まるところ。
ここで終わるというのは、ローマ法王という地位の重さのなせるわざ、と言いましょうか。
この後の展開は観た人の考えにゆだねるというか。


この映画の公式サイトはこちら

ツッコミです。ネタバレなのでご注意。
[PR]

by foggykaoru | 2012-08-24 21:30 | 観もの・聞きもの | Trackback(3) | Comments(4)

幻獣ムベンベを追え

「アジア新聞屋台村」の高野秀行が早稲田の探検部員だったときに敢行したアフリカ探検のてんまつ。
タイトルから推察されるように、「ムベンベ」という怪獣を探しに行くのだが、「幻獣」とあるとおり、発見には至らない。

でも、これぞ探検。

まずは準備。
言葉を学ぶために、その国の人を探すことから始めるのだ。
私だったら語学学校を探しまくる以外、思いつかないのに。
でも、考えてみたらそれが基本だよねえ。

そして現地。
もちろん自然は過酷である。
猛獣はあまりいないようだが、疫病の危険がある。
でも、赤道直下というのは、意外に涼しいらしい。
ジャングルの中だと、東京の熱帯夜よりもはるかにマシっぽい。

その中でいちばん印象的なのは「土人」、もとい「原住民」との関わり。
現地はあくまでも原住民のものだから、原住民の意向に逆らうと探検はできない。
当時のコンゴの国家体制は今のものとは違うようだが、そもそも、ジャングルの奥地では「国家」なんて概念は通用しない。

なにしろ空振りに終わった試みである。
だから爽やかな達成感を味わいたい人はがっかりするかも。
でも、これぞ探検。お薦め。

この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2012-08-21 21:09 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(4)

アーミッシュに生まれてよかった

前項からの勢いでご紹介。
かなり前に読んだ児童書です。作者はミルドレッド・ジョーダンという人。

主人公はアーミッシュの村に生まれた少女。
まず、その禁欲的なコミュニティーの描写に単純にびっくりです。

確か、主人公はリボンか何か(←記憶曖昧)に憧れるのですが、衣服のボタンすら虚飾として禁じるアーミッシュに許されるはずもない。
小さな胸のうちにうずまく葛藤。

ガーンときました。
子どもは生まれてくる環境を選べない。
リボンすらつけられない主人公のこの境遇は不幸せなのか。
これと決まった正解はないのです。
ひとりひとりが自分にとっての正解を見つけ出すしかない。

この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2012-08-18 22:53 | 過去に読んだお薦め本 | Trackback | Comments(0)

刑事ジョン・ブック 目撃者

ヨーロッパ往復の機内で映画を数本観ました。
航空業界に吹きすさむ経費削減の嵐の中、KLMではエンタメ関係の機内誌がなくなっていました。
モニター画面の英語の解説文を読んで選択しなくてはならないわけで、かなりやりにくかったのですが、
新しいところでは
「シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム」(←やっぱりあのモーリアティーはオーラ不足だと思う)
「バトルシップ」(←あまりに荒唐無稽で開いた口がふさがらなかったし、アメリカの保守層べったりなのに辟易。早送り早送り!)
「Thousands words」(エディ・マーフィー主演の「最後の一葉」的なお話。エディー・マーフィーの映画は初めて見たが好きではないと思った。彼主演のドリトル先生がドリトル先生ファンの間で不評だったのに納得)
を、
古いところでは
「ロック・ユー」(原題「A Knight's tale」を見ても、すぐにはわからなかった。日本語吹き替えがなかったのだけれど、超お気に入りで何回も観ているから英語でも大丈夫。関連記事はこちら
そしてこの作品を観ました。

原題「Witness(目撃者)」。1985年公開。
かねてからアーミッシュを扱っているということを聞き、興味があったのです。
あと、監督がピーター・ウィアーだということにも惹かれて。

秀作です。
最後まで緊張が途切れず、色恋沙汰にも抑制が効いているあたり、さすがP.ウィアーだと感心しました。
機内の小さな画面で見ると、「普通」レベルの映画でも途中で飽きてしまって早送りしたり、観るのをやめてしまったりするのですが、これはじっくり堪能しました。
若きハリソン・フォード演じる刑事と惹かれあうアーミッシュの女性が、「マスター&コマンダー」に一瞬だけ出てきた唯一の女性の面差しに通じるところがあるような気がしたのは、単に私の思い込みかもしれません(笑)


それにしてもアーミッシュ。
原発をやめるなら、あの生活を目指さなくちゃいけない?
[PR]

by foggykaoru | 2012-08-17 20:03 | 観もの・聞きもの | Trackback | Comments(8)

三匹のおっさん

これも旅行に持っていった本。

有川浩にはハマるまいと頑張ってるんですが、新刊を買っていくなんてもう私ともあろうものが・・・(←意味不明) 
旅先の夜はかなり暇なので(←体力が持たない私にはナイトライフなどというものは存在しない)、ずいぶん読み返しました。読み返すなら米原さんのほうにしろよ!>自分

アラ還のおっさん3人がご近所限定の正義の味方として活躍する、という内容。
これまた連ドラとしてうってつけです。
恋愛モノではないけれど、初々しい高校生が登場して花を添えます。
祐希という男の子がなかなかいいキャラしていて、オバさんもファンになってしまいましたよ(笑)


この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2012-08-16 22:35 | 普通の小説 | Trackback | Comments(6)

言葉を育てる---米原万里対談集

旅行に持っていった本。
前半はいまひとつだったので、読み捨てるのにちょうどいいと思いながら読んでいたら、中盤の養老孟司との対談あたりから面白くなってきて、つい日本にまで持ち帰ってしまった(苦笑)

イタリア語通訳の田丸公美子との対談は知的な漫談。

そして最後の糸井重里との対談。これが最高。これを最後に持っていった編集者は偉い。

ふつう、人は外国語と対峙することによって、言語に関する考察を深めていくものである。米原さんが言語について語れるのも、子ども時代に習得し、長じてからは通訳として言語と言語のぶつかりあいの現場でもまれてきたからこそ。その米原さんと、ほぼ対等に話ができるのは(同業の田丸さんを除いたら)糸井重里だけ。

というわけで、
糸井重里は頭がいい
というのが結論(笑)

ほとんど内容を忘れてしまったけれど、ものすごく印象的だったのは
「外交上、通訳の誤訳が問題になるのは、公務員つまり外務省の役人が通訳をしたときだ」という話。
役人はなにしろ無責任だから(!)、元原稿が変でもそのまま訳してしまう。
一方、プロの通訳は「これをそのまま訳したらまずいですよ」と指摘し、なんとか元原稿を訂正をさせようと努力する。(少なくとも米原さんならそうする)
だからと言って、プロの通訳のほうがいいのかというと、そうとも言い切れないかも、、、というのが米原さんのすごいところ。
なぜなら、直訳して外交上の問題になれば、その後の処理として、「日本ではこういうことを言いたいときには、こういう表現をするのだ」という解説がなされることになり(要するに、一種の情報開示がなされるということだ)、ひいては異文化理解につながるであろうから、というのだ。うーむ、深い。

ためになる本です。真面目な学生諸君に薦めます。


この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2012-08-15 23:22 | バベルの塔 | Trackback | Comments(2)

神楽坂ホン書き旅館

旅行前に読んだ本。ユーズドでしか入手できません。

「ホン」とは「脚本、台本」のこと。
神楽坂の「和可菜」というたった5室しかない旅館の話。
著者の黒川鐘信氏は往年の大女優木暮実千代の甥。和可菜の女将は木暮の妹。つまり黒川氏は女将の甥でもある。

日本エッセイストクラブ賞受賞というふれこみに惹かれて読んだのだけれど、ノンフィクションとしての切り込み方は甘い。
顧客のことを赤裸々に書くわけにもいかないし。
それでも「こんなこと書いちゃっていいのかね」と思うところは多少ある。


神楽坂の昨今の変化の激しさにも触れられている。
この本が出たのは平成14年。
実は先日、久しぶりに神楽坂を歩く機会があったのだけれど、以前に比べて「普通の通り」化していたのに驚いた。
個人商店が消え、チェーン店に変わっている。履物屋や食器屋など、見覚えのある店もいくらかは残っているけれど、風前のともしびという感じ。
神楽坂の風情を味わいたい方、お急ぎを。
[PR]

by foggykaoru | 2012-08-12 11:39 | 伝記・評伝 | Trackback | Comments(2)