<   2012年 12月 ( 8 )   > この月の画像一覧

ホビット

この映画の公式サイトはこちら

原作の『ホビット』は正直、苦手です。
2度読んだけど、何が面白いのかわからなかった。
だから今回の私にとってのいちばんのツボは、主人公ビルボがBBCのドラマ「Sherlock」のジョンで、シャーロックがこの作品最大のキャラ・スマウグ役だ、というところにあったのでした。をいをい。
それに監督がPJです。
あの難しい『指輪物語三部作』の映像化に(文句付ければきりがないけれど、一応)成功した彼が作ったんですから、無視するわけにはいきません。

それでもやっぱりホビットを自分1人で受け止める自信がなかったので、『旅の仲間』而してその正体は『指輪の幽鬼』と連れ立って観に行きました。
わざわざIMAXシアターのあるラゾーナ川崎まで。
苦手な3Dも、PJが頑張ったと聞けば、これまたしょーがない。
なんか保護者の気分です(苦笑)

観たあと仲間が口を揃えて言ったのは「懐かしい」
故郷に帰った気分でした(爆)

それにしても、あんな短い原作をよくも3つに分けたもんだ。しかも170分!! 長い!!!
前半が少しまったりしすぎ、という評のとおりでした。ちょっと寝ちゃったもん。
旅にでかけた後は、PJお得意の活劇です。さすがです。後半はあっと言う間。

長くなったのは、改変したせいではありません。
指輪物語3部作のあと、脚本担当者たちは、改めてトールキンの他の作品も勉強したのでしょう。そのあたりの説明がとてもきちんとしている(と思う)。幽鬼度の高い友人によると、原作シリーズファンのウケがいいそうで。
でも、長くなった最大の理由は、原作でおそらく2、3行で片づけてる場面---「彼らはこの道を大変な思いをして通り抜けました」みたいに---を20~30分かけて描いているせい。
しかもドキドキハラハラ度500パーセント増し(笑)
だから原作ファンでなくても、楽しめるんじゃないかと思います。(よくわからないけれど。)

そうそう、ジョン、、、じゃなくてビルボはよかったです。
原作の正しいビルボ。原作好きじゃないけど(くどい!)。好感が持てます。

以下はネタバレ・・・というほどでもない?
[PR]

by foggykaoru | 2012-12-24 23:35 | 指輪物語関連 | Trackback | Comments(6)

さらば愛しのピョンヤン

タイトルから想像がつくとおり、脱北者の手記。

北朝鮮について初めて読んだ本は『今、女として---金賢姫全告白』だった。
初めて知った北朝鮮の実態に目を丸くし、「日本に生まれてよかった」としみじみ思ったものだ。

あれから20年以上。
今はあのころよりは情報が多いので、読んで受ける衝撃度は相対的に低いのだけれど、この本の注目点は著者である趙明哲が北朝鮮のエリートだったという点にある。

どうエリートかというと、金日成の息子たちのために作られた学校の生徒として選ばれるくらいのエリート。(この息子たちは、成日の異母弟で、後に成日との権力闘争に敗れた。) 
この学校の生徒はときどきいきなりいなくなる。
それは親が失脚したことを意味する・・・。

著者は経済学者となり、名門大学で教鞭をとるのだが、研究者や学者ですら、思想教育を受け続けなければならない。要するに金日成語録の暗記。誰も彼もがそんなことに時間を費やし、神経をすり減らさなければならないなんて、国家をあげての愚行としか言いようがない。新しいアイディアを出すと、体制批判をしたことになり、失脚する。だから誰も何もできない。

著者は中国への留学を許される。そして中国の豊かさを目にして、それまでの価値観が揺らぎだし、ちょうど金日成が死去したおりに亡命する。それがどれほど勇気のいることだったか。独身だったからできたのだろう。

社会階層こそ違え、命を賭して国を捨てる人々が絶えない。
そんな体制、いつまで続くのだろう。ミサイル実験に成功しちゃったけれど。
体制崩壊の際、我々はどんな影響を受けるのだろう。
国内の原発&活断層が議論の的だけれど、北朝鮮も活断層の上に建った原発みたいなものだ。怖いよー。


この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2012-12-21 21:33 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

宮沢賢治の青春

20日ぐらい前に読んだ本。菅原千恵子という研究者の力作である。
副題は『"ただ一人の友"保阪嘉内をめぐって』

子どもの頃から、私は宮沢賢治の童話に親しんでいた。
でも好きな作品が『狼森と笊森、盗森』と『水仙月の四日』だというのは、たぶん相当変わりもの。

後になって、賢治が文学はもとより趣味で音楽(ゴーシュみたいにチェロをやっていた!)や語学(ゴーシュはフランス語の「左」です。この語には「不器用」という意味もある)をたしなみ、理系にも強い(なにしろ農学校の先生だし)のを知り、驚嘆した。
明治の岩手県というのは、今の岩手県とは違って、おそろしくローカルだったはず。
中央の文壇や学問芸術の世界とはほとんど関わりを持てなかったはず。
自力でこんなマルチな活動をするなんてことが可能なのだろうか?
その原動力は何だったのか?

この本を読んで、長年の謎が解けた。

「賢治という人は幼いころからずっと孤独だった」という話をきいたことがある。
村の名士の坊ちゃん。だから村では浮いていた。
しかも父親とはそりが合わない。
そんな彼が、花巻農学校で、後輩の保阪と出会う。
山梨出身の保阪は当時の花巻の学生に比べると、かなり「都会っ子」で、文学や芝居に詳しく、賢治にとっては初めての「趣味の合う友人」となる。

結局、運命は2人に別の道を選ばせるのだが。

彼らの交流は、ほんの1、2年だけだった。
が、保阪は賢治にとって、いわば「触媒」のような働きをした。
そして、保阪が去ったあとも、そばにいない保阪に向かって、賢治は語り続けた。

どこをとっても大納得である。
ジグソーパズルが完成した気分。

触発してくれる人間や環境があってこそ才能は伸びる。
さらに、抑圧とか欠乏感が、えてして創作の糧になるものなのだと思う。

この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2012-12-19 20:39 | 伝記・評伝 | Trackback | Comments(2)

ようやくゲット

c0025724_1937135.jpg2012年10月の刊行です。

今までの巻には必ず「驚愕」の新訳語があったのですが、今回はあまりショックを受けることなく、落ち着いて読めました。
6巻目にしてようやく新訳に慣れたのかな?
(でも「ブローズのアウトロー」は初めて読んだ子どもには意味不明だと思う・・・。)

ナンシイの「鳩を飛ばせ」メッセージが必見です。
なんと最近の女の子っぽい筆跡に変わってるんです。

あとは「ホーマー」の訳注が親切。
へええ、そうだったんだ!
[PR]

by foggykaoru | 2012-12-18 19:40 | 児童書関連 | Trackback | Comments(2)

王妃と哲学

exciteブログでは、数か月前からアクセスの多い記事のランキングが右下に表示されるようになったのですが、最近、『王妃に別れを告げて』『ボーヴォワールとサルトルに狂わされた娘時代』のアクセスが着実に伸びてきています。

『王妃~』が伸びるのはまあわかる。
この本をもとにした映画『マリー・アントワネットに別れを告げて』が最近公開されたから。
でもどうやら原作とは似ても似つかない「キワモノ」的な話に改変されている模様。
公式サイトの予告編を見れば一目瞭然で、すっかり観る気をなくしてしまいました。
まあ、あの地味な原作をそのまま映像化するのは無理でしょうけれどね。
というわけで、映画のレビューを期待していらっしゃった方、ごめんなさいです。

ま、暇だったら観てもいいんですけどね。フランス語が聞けるし。
でも、この年末年始、観なくちゃならない映画が3本もあって忙しいんです。

そしてもう一つ。
なぜ今、『ボーヴォワール~』なのか?
検索してみたら、謎が解けました。
なんと昨年、『サルトルとボーヴォワール 哲学と愛』という映画が公開されていた!
そして最近、DVDが発売されていたのです。(公式サイトはこちら
そう言えば、昨年末にパリに行ったとき、モンパルナス墓地にある2人の墓を見たのでした。ほんとにたまたま。そのときの記事と写真はこちら
ううむ残念。映画観ておけばもっと感慨深かっただろうに。
[PR]

by foggykaoru | 2012-12-17 20:28 | Trackback | Comments(2)

海と言えば

c0025724_10362171.jpg

海洋博物館?

スロベニアのピランの海洋博物館の展示物です。
他の(もっとわかりやすい)写真はメインサイトの旅行記「スロベニアひとめぐり」でご覧ください。
[PR]

by foggykaoru | 2012-12-16 10:37 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(0)

ふむふむ おしえて、お仕事!

作家・三浦しをんがさまざまな職種の女性にインタビューする。
靴職人、動物飼育士、コーディネーター、研究者、土産物屋経営者とか。
読んだのが10日以上前なので、ほとんど忘れてしまった(泣)

ちょこちょこっと読むのに最適な本。
いちばん印象深かったのは、たいていの人が、いわゆる「コミュニケーション力」の重要性を語っていたこと。たとえ理系であっても。
やっぱりそうなんだなとしみじみ思った。

進路を考えている高校生あたりが読むと参考になる点があるのでは。

あと、コーディネーターというわけのわからない仕事をしているオカマイいう人が、この本の著者で、どこに行っても生きていけそうなオーラの持ち主だったので、大いに納得した。

この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2012-12-13 20:01 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

ボクたちクラシックつながり

最近ばたばたしておりまして、微妙にネット落ち状態です。
読んだのに感想文を書いていない本が3冊。まずは第一弾。

============

副題は『ピアニストが読む音楽マンガ』
ピアニスト青柳いづみこによる軽いエッセイ。
音楽マンガとは『のだめカンタービレ』『神童』『ピアノの森』の3作品のことなのだが、8割がたは『のだめ』関連の話である。

同じ著者による『翼のはえた指』とは比べものにならないくらい軽~い本だが、『のだめ』ファンには楽しめる。

完結する前に書かれたこの本だが、結びは「音楽でつながっている」
まるで『のだめ』の結末を知っていたかのようなシメに感銘を受けた。

二ノ宮知子さんはほんとうに音楽家の魂を理解して描いたんだな、ということ。
クラシック音楽のプロに受け入れられ、多くのファンを得た理由がそこにある。

『のだめファン』必読、とまでは言わないが、機会があったらご一読を。
(私に会う機会のある方、声をおかけください。お貸しします。)


この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2012-12-08 10:16 | エッセイ | Trackback | Comments(4)