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聖なる酔っぱらいの伝説

ヨーゼフ・ロートの短編集、、、とか言って、この人のことは何も知りませんでした。古本屋で見つけて、持ち運びに便利な薄さと軽さで、翻訳が池内紀だったから買ったまでのこと。
私が買った白水Uブックスは、ユーズドでしか入手できません。
岩波文庫版なら在庫あり。

解説によると、著者は現在のウクライナにある東ガリシアというところの出身で、ドイツ系ユダヤ人。流転の末、パリで亡くなったのだとか。

ウクライナと言えば、今、大騒ぎしてます。
一時はリヴィウを中心とする地域が独立するとまで言い出したそうで。

忘れもしないリヴィウ。
でもこの名前を聞いてピンとくる日本人、何人いるんでしょうか。
チェルノブイリの管理はどうなるんでしょうか。あの原発、ウクライナにあるんです・・・。

私のウクライナ旅行記、よろしかったらお読みください。こちらです。

メインサイトの宣伝はここまで(笑)

ウクライナの東部はハプスブルク家の支配下にあったのです。
その中心地だったリヴィウ。
実にオーストリアっぽい町でした。。。

ということを知らなくても楽しめる小説ですが、知っていたおかげで興が乗ったことは否めません。
特に最後の「皇帝の胸像」という作品は。

とにかく渋いです。
しみじみしたい人にはいいでしょう。

映画化されたそうで。ちょっと観てみたい気がします。
でもDVDも新品では入手できず。ユーズドもすごい値段。「知る人ぞ知る」名画なんでしょうね。
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by foggykaoru | 2014-02-26 21:05 | 普通の小説 | Trackback | Comments(2)

最近ハマっているモノ

オリンピック、終わっちゃいましたねえ。
睡眠時間を削って生放送を観るなんてことはしなかったけれど、1日遅れで観て、最後までバテずに滑りきったゆづくんの金に喜んだくせに、FPの真央ちゃんの涙を見ると、今度はメダルなんて問題じゃないんだよねえ・・・と、どこまでも日本の一般大衆的感慨に浸ったここ数日。

その勢いでハマってしまったのが「ニコニコ動画」。

今までもYoutubeで過去のフィギュアスケートの動画は時々見ていたんです。(お気に入りは高橋大輔の「道」)
日本以外の国の実況で。そのほうが面白いんだもん。

で、今回、なぜ「ニコニコ動画」かというと、「フランスお茶の間実況シリーズ」というのがめちゃ面白いんです。

何がって、まず第一に、喋る喋る。(フランス人って実はものすごいお喋りです。)
で、コメンテーター自身が心から楽しんでいる。
才能ある選手への目があたたかい。甘いのではなくて。

さらに
どのスケーターがお気に入りなのかがモロわかり。
ほんとうに正直です。

往年のメダリストであるフィリップ・キャンデロロは真央ちゃんにでれでれ。
女性コメンテーターは大ちゃん大好きおばさん。
(まあ、どこの国の実況聞いても、女性コメンテーターは大ちゃんに惚れてるんだけど)

いくつかの動画はコメントが翻訳されています。
私が観てるのも、もっぱら翻訳付きです(苦笑)
興味がある方はどうぞ。要登録です。
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by foggykaoru | 2014-02-25 22:12 | 観もの・聞きもの | Trackback | Comments(4)

シモネッタの本能三昧イタリア紀行

シモネッタとはイタリア語通訳の田丸公美子さんのこと。命名者は故米原万理氏。

で、その名のとおり、シモネッタ(「ッ」をとるべし)というか、アモーレ満載です。
読んだとたん忘れちゃうんだけどね。っていうか、この本、たぶん2週間ぐらい前、「ヴィオラ・アルタ物語」より前に読んだはずなんだけれど、感想文を書くことすら忘れてしまっていた(苦笑)

つまらないわけではない。それどころか面白い。
でも、7割ぐらい書いたところでネタが尽きてしまって、しょうがないなあ、本当はこんなことまで書くつもりじゃなかったんだけど・・・的なエピソードが出てきたのでちょっとびっくり。
すごいな。これって往来で真っ裸になるようなもんだわ。
などと思ったりしたのでした。

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by foggykaoru | 2014-02-23 19:08 | エッセイ | Trackback | Comments(2)

幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語

著者の平野真敏という人は、もともとヴィオラ奏者。
ひょんなことからヴィオラよりもひとまわり大きいヴィオラ・アルタという楽器と巡り合う。

この楽器がいつ、誰にどこで作られたのか。
どのように使われたのか。
なぜ忘れ去られたのか。

ヴィオラ・アルタの音色に魅せられ、ついにヴィオラ奏者からヴィオラ・アルタ奏者に転向してしまった著者の探索の旅。

面白いです。
特に、なぜ忘れ去られたかが。
あくまでも推論に過ぎないけれど、説得力あります。
そんなことで優れた楽器が葬られてしまったなんて。もったいないことを。

ヴィオラとは音色が違うのだそうです。
ヴィオラ・アルタの音色を聴きたい人は著者のHPへどうぞ。
ヴィオラの音色をよく知らない私には、聴いてもピンとこなかったのでした。ざんねん。


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私に会うチャンスのある方、読みたかったらお貸ししますよ。
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by foggykaoru | 2014-02-21 21:00 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(6)

ブータン「幸福な国」の不都合な真実

著者の根本かおるという人は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の職員だった人。
だから難民問題の本。しかも「幸福な国」として大売出し中のブータンの難民。

「幸福度」で有名になる前から、ブータン王室は皇室と交流があることで知られていたけれど、この王室、実はとっても新しい。まずそこにびっくり。日本の皇室とはぜんぜん違うんです。

そして、その国王(今の人のお父さん?)が、あるときいきなり国勢調査を行い、国民を仕分けした。
そして「これこれの条件に合わない人はブータン国民ではない」と、国籍をはく奪してしまった・・・

知らなかった。
報道ってほんとに一面的。

エンタメ要素のない、正統派のノンフィクションなので、ひたすら真面目。高野秀行さんや内澤旬子さんの本とは違う。
でも、読んでおいて損はない本。

国連難民高等弁務官事務所というところの仕事ぶりもわかる。
当然のことながら、かなり苦労が多そう。
確か、雅子妃の妹さんが働いていたんですよね。
外務省でなく、そういうところで働いていれば、皇室に入ることはなかっただろうな・・・なんて、どうでもいいことを思ったり。




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by foggykaoru | 2014-02-15 16:31 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(4)

アンコール・ワット

創元社の「知の再発見」双書の1冊。

アンコール・ワット周辺の遺跡群には、樹木に浸食されているものがある。自然の力に感嘆しつつも、「なんでここはこんなふうにしてあるの?」と疑問に思ったのだが、この本を読んで謎が氷解。

カンボジアを植民地支配したフランスは遺跡群を研究した。
さらに、救急医療の分野で有名になった「トリアージュ triage(=仕分け)」も行ったのである。
こっちの遺跡は修復する、でも、こっちのは樹木の繁殖にまかせよう・・・と。

また、現在遺跡群を観光するときは、トゥクトゥクまたはタクシーをチャーターするのが一般的である。
ジャングルの中に点在する遺跡を廻るために切り開かれた道を行くのだが、「大回り」「小回り」の二種類のコースがある。
これを作ったのは誰なのかなあ
世界遺産登録のためにカンボジア政府が頑張ったのかしら
などと思っていたのだが、全部フランス人だった。
1920年ごろには今のコースが開通していたのだと!!

以上のように、納得したり、驚いたりできたので、行ってから読んで正解だった。


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by foggykaoru | 2014-02-13 21:00 | 西洋以外の歴史 | Trackback | Comments(6)

捨てる女

内澤旬子著。

ため込む体質だった著者が、「身体のいいなり」の後、すっかり変わってしまい、とにかく捨てたくてしょうがなくなり、捨てに捨ててしまった・・・というお話。
連載エッセイをまとめたものなので、書下ろしと違って、肩の力が抜けている。
だから、今まで読んだ彼女の本の中で、いちばん読みやすい。
こっちもユルイ気分で読みました。

とても面白いです。
途中には「飼い喰い」に関するエピソードもはさまれているので、両方読んであるほうが面白い。
読んでなくても面白いだろうけれど。
いやいや、やっぱり読んでおいたほうがいい。
豚を飼うために借りた廃屋で見つけたタイルの話なんて、捧腹絶倒です。

自らがネタ。
一度捨てた命だから、、みたいなところ、たぶんあるんだろうな。
もう怖いものはないというか。

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by foggykaoru | 2014-02-11 16:35 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

英国を視る

実家には父の本が山ほどあり、その処置に困っている。
この本はその中の1冊。

「1930年代の西洋事情」という副題に惹かれた。

著者の松浦嘉一という人は、漱石の弟子で、旧制高校で英語を教えながらこの本を書き、のちに大学教授になった。

「幻の名著」なんだそうである。
で、1984年に、講談社学術文庫として復刊されたそうで。

外山滋比古氏の手になる解説によると、「日本人の手になる初めての一般向きのイギリス研究」なのだそうだ。
これが「一般向き」かあ・・・・
手ごわいです、難しいです。
私の軟弱な脳みそにとっては面倒くさく、読み飛ばした章がいくつかある。(けっこうたくさん・・・)
それでも、パブリックスクールの話とか、炭鉱労働者のストライキの様子など、楽しく読める章もあった。

ランサム・サガの子供たちって、男子はハローやイートンではないんだろうけれど、おそらくパブリックスクールの生徒たち。(彼らのお兄さん的存在であるジム・ブラディングはラグビー校だし。) 女子も全寮制の学校。
中流階級なのですよね。
イギリス人的には「ええとこの坊ちゃん・お嬢ちゃん」。
だから、そういうことがわかってしまうイギリスの庶民の子供たちよりも、てんでわからない極東の庶民の子供たちのほうが、ランサム・サガには素直にハマれたんだろう・・・
などということを、今更ながらに感じました。



せっかく復刊されても刊を重ねることなく、今や入手困難。
勇気あるランサマイトのみなさん、お貸ししてもいいですよ。
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by foggykaoru | 2014-02-04 21:05 | エッセイ | Trackback | Comments(14)

飼い喰い

ずっと前から気にしていた本。
2週間ぐらい前に読み終わったので、すでに印象が薄れているのだけれど、

とても面白いです。

『世界屠畜紀行』で世界中の屠畜の現場をルポしてまわった内澤旬子さんが、自分で育てた豚を食べよう!
と思いついて実行してしまった顛末。
その間、彼女のブログで逐一報告されていて、「最後の晩餐」にはブログの読者も同席していたという。
ほんとに残念。私が彼女のブログを見つけたのは、この本が出版された後だった・・・

「豚を飼うのはそんなに難しくない」と言われて思い立ったはいいものの、実際にはそんなに簡単ではないわけで。
でも自分で始めたことだし、乗りかかった船、やめるわけにはいかない。その必死な姿が面白可笑しい・・・というところが、高野秀行氏と似ている。

考えてみたら、これって彼女の新境地?

というのは、『世界屠畜紀行』はルポ。あちこちに行っているけれど、身体を張っているわけじゃない。
『身体のいいなり』は、身体を張ってるけど、自らの意志とは関係なく病気になったわけで。

豚をほふるところのは自宅ではなく、屠畜場で、育てた本人はただ見てるだけ、、というのがちょっと残念でした。
しょうがないんだけどね。


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by foggykaoru | 2014-02-03 20:07 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)