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オリガ・モリソヴナの反語法

熱帯雨林のレビューが好評だったから読んだ。
というわけで、この本に関する情報はこちら


米原万理さんが初めて書いた長編小説、なのだそうだ。
他に長編書いてるの?という疑問はさておき、大変面白かった。
世界広しといえども、この本を書けるのは彼女だけ。大げさかな。少なくとも、日本でこういう本を書ける人は彼女以外にありえない。

解説はロシア文学者の亀山郁夫。
調べてみたら、彼と米原さんは東京外語大の同窓ですね。1歳しか違わないし、もしかしたら同級生?
だからというわけじゃないと思うけれど、絶賛してます。
「翻訳するべき」と。ロシア語に、ということですよね。
旧ソ連の負の歴史(どうもあの国は「負」のイメージばかり強いけど)を、外国人が描き切った小説、というところがすごいのだと思います。

慣れない長編ということでしょうか、最後は走りに走ってゴールテープを切ったような印象。

最近読んだ米原さんのエッセイで、「幼少時にロシア語に浸り、日本語でまとまった文章を書くようになったのはその後なので、自分の日本語は自然ではない」というようなことを読んだが、なんとなくわかる気がしました。
不自然というわけではないけれど、外国語でものを考えることに慣れた人の文章だという感じがするんです。それがマイナスに作用しているわけではなくて、むしろわかりやすい文章なのだけれど。
だから、普通の日本の小説っぽくなくて、読み応えのある外国文学」の趣あり。

長い本を読みたい人にお薦めします。

ただ、亀山氏も言ってるけど、この本、タイトルがあまりよくない。
覚えられません。
たった今、この感想文を書こうとしたんだけど、手元に本が見当たらなかったので、「オリガ 反語法」で検索して確認しなくちゃなりませんでした。私の脳細胞が死にかけてるせいなんだけど(自爆)
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by foggykaoru | 2014-03-30 09:45 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

身体を言いなりにできるか(35)

これは連載記事です。
(1)からお読みになることをお薦めします。
次の記事へのリンクを貼ってあるので、読んでいくと自然にこの記事まで到達できます。

=================

桜も開花したことだし、この冬の総括をしようかと。

冬の初めと冬の終わりの2回、鼻風邪を引きました。
そして、2回とも1週間以内で完治しました。

感動です。

私の人生において、2番目に元気な冬だったのです。

前に書いたかもしれないけれど、1番元気だったのは、幼稚園の年長のとき。
その年の秋に、両親が一戸建ての家を購入し、都内の公団アパートから多摩地区に引っ越しました。
そうしたら、幼稚園がどこも満員で入れてもらえなくて、半年間「プー」で過ごした。
空気の良い郊外で、同年代の子供たちからウィルスをもらうこともなかったためか、1度も風邪を引かずに一冬を過ごしたのです。
(そのかわり、死ぬほど暇でした)

それから半世紀がたちました。
どんどん身体にガタが来つつあるこの年代に、こんなに元気に冬を過ごせたとは。

人生何があるかわからない。

だいたいが、鼻水が出ただけで、そのまま回復に向かうということが、私にとっては画期的。
今までだったら、どんどん身体の奥に入っていって、フルコースを経ないと治らなかった。
フルコースでも高熱は出ない。微熱がずるずると続く。
いちばん元気なはずの中高生の頃でも、完治するのに2~3週間かかることはざらでした。

そして中年以降。
冬に1度風邪を引いたら春まで治らなくなった。


先週、鍼灸の先生に「身体が変わったね」と言われました。
下半身の温かさが別人のようなのだそうです。
靴下の重ね履きと半身浴、湯たんぽという、「冷え取り」のお蔭だと思います。
「よく努力したね」と褒めてもらってます。

ただし、後鼻漏は続いています。
少しずつ良くなっていますけど。
根本的には、体内の水のめぐりを改善しなくちゃいけないんだと思います。
耳鼻科のbスポット治療はあくまでも対症療法。
東洋医学的には、根本的な治療ではない。
だから鍼灸を続けているんだけど、どう効いているのか、いまいちわかりません。一番お金かけてるのに。

後鼻漏を呑み込んでいるのは、胃腸にとっていいわけがない。

鍼灸の先生によると、
「完全に治ったら、きっと胃腸の調子も良くなるはずだよ」
今だって前よりはずっと調子がいいのです。
以前、夕食にしょっちゅう食べていた、うどんやにゅうめんを、今はあまり食べる気がしません。
それよりも固形物、つまりご飯とおかずを食べたいのです。
最近は豚肉のしょうが焼きを食べたくなったこともあります。
我ながら驚きました。

(36)へ続く。
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by foggykaoru | 2014-03-26 23:06 | Trackback | Comments(0)

いちばん危険なトイレといちばんの星空

石田ゆうすけ著。
「行かずに死ねるか!」に掲載できなかったエピソード集。
「世界でいちばん○○なもの」というくくりで書かれたもの。

いやー
「地雷を踏んだらサヨウナラ」のすぐ後に読んだら、あまりにも能天気でびっくりしちゃいました。
若さに突き動かされて海外に行っちゃったという点で共通してるのに。

これは別に悪口ではないです。
気楽で楽しいのは好きですから。
正直、「地雷を踏んだら」は再読しないだろうと思います。
でも、石田さんの本は、これからもたまに読み直すかも。
忘れかけたころ、半身浴のおともとして。

で、いちばん危険なトイレ。怖いけど笑えます。

石田さんはベトナムがけっこうお気に入り。
あの国の料理が美味しいことは認めます。
でも、ぼったくりタクシーとか、嘘つきツアー会社とかがあるんだよねえ・・・と思ったけど、石田さんはタクシーに乗らないし、現地ツアーも利用しないから、嫌な目に遭ってないのだと思い至りました。

メキシコ料理も美味しいです。
石田さん、アメリカのまずい食事の直後だったせいじゃないですよ。日本から直接行った私が保証します・・・って何を偉そうに(自爆)

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by foggykaoru | 2014-03-25 21:36 | エッセイ | Trackback | Comments(2)

地雷を踏んだらサヨウナラ

著者・一之瀬泰造という人はフリーカメラマン。
72年からインドシナ、特にカンボジアを舞台として活躍し、73年に共産軍に占拠されたアンコール・ワットに単独潜入、消息を絶ち、82年に死亡を確認されたのだそうだ。

こういう本はアンコール・ワットに行く前に読むべき?
でも、行った後だからこそ、登場するになじみがあり、現在の姿を知っているだけに、興味深く読めた。
今でこそアンコール・ワットは何の心配もせずに観光できるけれど、内乱後しばらくの間は、大雨が降ると埋められた地雷が流れだしたりしていたそうで。
今だってちょっと離れた遺跡に行く場合、「周囲に地雷が残っているから、道路からはずれてはいけない」なんてことがガイドブックに書かれているのです。

で、この本ですが、
彼の日記と両親や知人にあてた手紙で構成されている。
同じ時期に違う相手に書いた手紙も多いので、同じことの繰り返しがわりと多い。でも、繰り返しのおかげで、彼の熱い思いがかえって強く伝わってくる。

この本の宣伝コピーを私が書くなら
「青雲の志を抱いて海外雄飛した若者が、戦場で駆け抜けた青春」
手垢がついた表現の羅列ですが、本当にそういう感じです。


この本を読んだオバさんとして、私が若者へ送るアドバイスは以下のとおり。←誰もアドバイスしてくれなんて頼んでないって(苦笑)

「一旗揚げたい」と思うのは若者の特権です。
もしも海外で何かやりたいのなら、どうぞどんどんお行きなさい。
失敗しても死にはしないです、たぶん。(戦場カメラマンのような、命を張る仕事の場合はおいといて)
やりたいのにあきらめるのは、人生がもったいない。

そのために、日本で準備できることは、なるべく準備しておいたほうがいい。
一之瀬氏だって、カメラマンなんだから写真で勝負!と言いたいところだけれど、それだけではダメだった。
外国人同業者に「英語を勉強しろ」としょっちゅう言われた。高野秀行さんだったら行く前に現地の言葉も勉強していくよ。
あと、カメラマンは自分の写真に記事を付けなければならないこともある。文章力もあったほうがいい。
一之瀬氏にとって、日本への手紙を書くことが文章修業になったらしいけれど、巻末の「未発表記事」はいまひとつ読みにくい。もっとキャリアを積めばもっと文章力がついただろうと思うと切ない。



そして、
一之瀬氏だけではなく、
一之瀬氏と交流があった現地の人々の多くもまた、きっとポル・ポトによって虐殺されてしまっただろうと思うと、また切ない気持ちになる。



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あら、映画化されていたんですね。知らなかった。。。
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by foggykaoru | 2014-03-21 09:27 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(4)

衝動買い

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Tシャツに6000円出したの、生まれて初めてかも。
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by foggykaoru | 2014-03-18 21:00 | Trackback | Comments(7)

心臓に毛が生えている理由

米原万理著。
あちこちに掲載されたエッセイを集めたもの。
それもかなり短めのエッセイばかりなので、1つ10分足らずで読めてしまう。
毎日、電車の中でちょこちょこ読むのには最適だけれど、家で腰を据えて読むのには向かない。
一つ一つは、文字通り小粒だけれど、そこそこ面白いです。
2006年に単行本で出たものを文庫化したものなので、もはや過去となった話題もある。ネットが人間に及ぼす影響とか、現在を予言しているような部分もあり、古いなりに興味深いのだけれど。

いちばんおもしろかったのは、巻末の池内紀氏との対談かも。
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by foggykaoru | 2014-03-16 09:36 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

行かずに死ねるか!

石田ゆうすけ著。副題は「世界9万5000km自転車ひとり旅」
「お前は馬鹿だ」と言われながら脱サラして、7年半かけて自転車で世界一周した記録です。
私はあまり他の人の旅行記は読まないのだけれど、自分が絶対しない旅、できない旅をやった人の本は好んで読みます。高野秀行氏の本とかね。

ひと言で言えば
爽やかです。

7年半を文庫本1冊にまとめてあるので、まさに旅のエッセンス。そぎ落とすのが大変だったとあとがきにある。そりゃそうでしょう。だからこっちは退屈せずに読めるのだけれど。

「お前は馬鹿だ」と言われても、安定した生活を捨てたという点で、高野さんと共通している。高野さんは捨てたというより、最初から背を向けたんだけど。
「馬鹿だと言われてもあきらめきれずにやってしまう」若者は、世の中にある程度はいたほうがいいんじゃないかと思う。それも国の活気の一要素なのだ。でも、もう我が国にはあまりいないんではないか。そもそも若者自体が少ない、ということもあるし、なによりも就職が大変すぎる。やっとの思いで就職したら、もう怖くてやめられないんじゃないのでは・・・? 精神的にも疲弊してしまって、もう旅どころじゃなくなってるのでは。 

7年半も旅してたら、いろいろな出会いがある。
命からがらの目にも遭う。
そしてやりきった果てに待つのは充足感ではない。(充足感もあるだろうけれど)もっと複雑な感情。
「帰ってくる」のだから、最後は既視感いっぱいの世界なのである。
もしも世界の果てに行きっきりだったら、どういうことになるのだろうか・・・なんてことを考えていてイメージするのが、アスランの国に行くリーピチープだったりし、やっぱり何事も基本は「行きて帰りし物語」なんだな、なんて思ってしまう自分自身に苦笑してしまうワタクシでありました。

タイトルの「行かずに死ねるか!」は、あくまでも出発前の気持ち。
旅しているうちにどんどん気持ちが変化していくので、読み終わってみると、このタイトルはかなりずれてしまっています。


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著者石田ゆうすけ氏のブログはこちら
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by foggykaoru | 2014-03-13 21:45 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(2)

ホビット 竜に奪われた王国(追記あり)

「あんな短い話を3部作にしちゃってどうするの」の2作目。
あんな短い話の3分の1しかやらないのに、3時間もかかるとはこれいかに。

でも3時間をあまり感じさせない。
ただ、最後の1時間ぐらいは「えっ、まだ終わんないの? どこまでやるの? 3作目に何やるの?」と思い続けてましたけど(苦笑)

まあ、「指輪物語」は気に入ったけど、「ホビット」読んでも何が面白いんだかわからなかった私なので、映像化されて失望する恐れはほとんど無い。
しかも、なぜ「ホビット」にハマれないのか、つらつら考え、「ホビットとドワーフだけじゃ華が無いせいかも」と思った私にとって、本作の改変はドンピシャリでございました。
なにしろレゴラス大活躍。オーリーくん、最近暇そうだったから、よかったね。こんなに出られて。
(もっとも私のお気に入りはセクシーボロミアとかお目目ぱっちりフロドであって、レゴラスじゃなかったんですけどね)

さらに華を添えるオリキャラも、別に気になりませんでした。
イケメンドワーフに比べたら、ぜんぜん自然です。(イケメン自体もぜんぜんオッケー)

ただ、ベネディクト・カンバーバッチのスマウグって、声も相当変えられちゃってるし、彼にやらせた意味あるんですか?  と書いて、いろいろレビューを読みにいったら、彼、竜を演じたんですって。モーション・キャプチャーのために。特典映像としてDVDに収録されるかしら。見たいんですけど。映画よりも(爆・爆・爆)


それにしても、
3作目は指輪大戦争並みのおおごとになりそうです。


エンドロールのそのまた後の字幕担当と監修の名前を見ながら、「ロード・オブ・ザ・リング」の誤訳問題を懐かしく思い出しました。安心して字幕を読めるのは幸せです。



銀の匙さんによるネタバレレビューはこちら


[3/11追記]
字幕監修者のひとりである伊藤盡先生のインタビュー記事はこちら
ひえ~、ディープだにゃあ・・・
こちらではエルフ語喋ってる動画もあるし。

先生に教わったエルフ語のうち、私が覚えているのは
まえごばんねん
いむ・あらごるん・あらん・ごんどーる(←嘘)

なまりえー
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by foggykaoru | 2014-03-10 20:23 | 指輪物語関連 | Trackback | Comments(4)

わが盲想

モハメド・オマル・アブディン著。
全盲のスーダン人であるこの人が、自力で日本語で書いた本。
聴覚を失ったことを売りにした作曲家が実はインチキ障害者だった、という話がありますが(実は私はあの人のこと、今回ニュースになるまで全然知りませんでした。でもあんな見るからに怪しげなアサハラショーコー的な人になんでだまされたの?)、この人はホンモノの視覚障害者です。
どうやって書いたかはYoutubeで見られます。喋っているところも見られます。
こちらへどうぞ。

面白いです。深みはないけれど。半身浴のおともにぴったり。文字が大きいのは読みやすくていいけれど、すぐに読み終わってしまうので、1字あたりの単価は高い(苦笑)

全体的にものすごく上手な文章です。あれだけ喋れるんだから当たり前かも? ちょっぴりだけ不自然だと感じられる言葉遣いが散見されるけれど、ここまで書けない日本人はごまんといることでしょう。そもそも頭がいい。めちゃくちゃ回転が速い。

この人、高野秀行さんの友人で、この本自体が高野さんのプロデュース。
だから買ったわけで。
この本を読んだあとで、彼が登場する高野さんの「腰痛探検家」と「移民の宴」を読み返してしたら、しみじみと楽しかったです。

アブディン氏の日本留学のきっかけを作った団体はこちら
アブディン氏が母国の視覚障害者支援のために自ら作った団体はこちら

世の中にはいろんなことをしている人がいるもんだなあ。



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by foggykaoru | 2014-03-09 09:02 | エッセイ | Trackback | Comments(2)

望遠ニッポン見聞録

『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリによるエッセイ。
日伊比較文化論というか。

こういう本をあまり読んでいっだことがない人だったら、非常に面白く読むだろう。
私はけっこう読んでいるので、ちょっとと物足りなかった。
面白いんですけどね。

マンガ家は文章よりもマンガで表現するべきだと思いました。

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by foggykaoru | 2014-03-04 19:59 | エッセイ | Trackback | Comments(0)