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マリー・ルイーゼ

副題は「ナポレオンの皇妃からパルマ公国女王へ」
著者は塚本哲也という人。

世継ぎが欲しくてたまらなかったナポレオンが、年上の女房ジョゼフィーヌと無理矢理離婚して、ハプスブルク家の皇女をもらい、思惑通り息子が生まれたはいいけれど、そのあたりから運勢がどんどん下り坂になってしまった、、、という話は知っていた。
彼の息子がハプスブルク家に引き取られ、ライヒシュタット公と呼ばれたが、結核に侵され若死にした、ということも知っていた。確かこの本でライヒシュタット公の肖像画を見たんじゃなかったかな。なかなかの美形だった。

マリー・ルイーゼはナポレオンに対して薄情だった、と言われているのだけれど、この本は彼女にかなり同情的である。
蛇蝎のごとく嫌っていたナポレオンが、実際に会ってみたらとても魅力的だったから、彼女の気持ちも変わり、夫婦は仲睦まじかった、とか。
ナポレオンが落ち目になってウィーンに帰ったのは、父親の命令だからしかたなかったのだ、第一ナポレオンからの連絡も途絶えがちだったのだから、とか。

まあそういうことなんでしょう。
ナポレオンはきっと魅力的な人間だったんだろうし、十代で嫁に行かされた「もと深窓の令嬢」が、ほんの数年で亭主が没落してしまったら、亭主についていくよりも、父親の言うことを聞いて当然。

後半は息子であるライヒシュタット公とか、パルマが生んだ大作曲家ヴェルディとか、本題とはずれた話題が多いのだけれど、それぞれが興味深いので、文句は無い。
キャラ的にあまり強くないマリー・ルイーゼのことだけではネタ切れする、ということだろう。
まあ強いて文句を言うとしたら、タイトルを「マリー・ルイーゼの時代」とかにするべきだった、ということになろう。

そういえば、
スロベニアではナポレオンは救国の英雄だったんだっけ
などということを思い出しました。
ハプスブルク家の支配から、ほんのいっときだけれど、解放してくれたから。
スロベニアの首都リュブリャーナにはこんなものがあるんです。

ナポレオンのロシア遠征の下りは、直前に読んだ「ロシアについて」とかぶるところがあり、なかなかツボでした。

西洋近代史が好きな人にお薦めします。

ただし、文章がちょっと。推敲が足りない。
語句の順番を変えたほうがわかりやすいのにと思われる文がちらほら。
著者の塚本氏はもと新聞記者だというのに、どうして推敲しなかったんだろう?と思ったが、この本を書いたとき、氏は高齢でかなり身体が弱っていて、慣れないワープロでの執筆にかなり苦労したらしい。だから直しきれなかったのかも。

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by foggykaoru | 2015-04-30 22:02 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(2)

ロシアについて

司馬遼太郎の歴史エッセイ。
裏表紙に「読売文学賞受賞」と書いてあったので、古本屋で50円で購入。

ロシアとは言っても、司馬遼太郎なので、日本と関わりが大きい地域、つまりシベリアが中心。そしてシベリアの隣接地帯であるモンゴルについてもいろいろ。

このあたり、昨年の夏に旅行したところなのです。だから読んだわけ。そうでなかったら、たとえ50円であっても、たとえ文学賞受賞作品であっても、手が出なかったことでしょう。もともとそんなに興味のある地域ではないので。

最初はあんまり調子が出なかったのだけれど、読み進むうちに面白くなった。

ロシアと比べると、はるかに遅れた地域だったシベリア。
だから、ある程度ロシアが力をつけたら、わりと簡単に手に入ってしまった。
手に入ったはいいけれど、維持するのは大変。なにしろ食べるものがない。
でも黒てんという、素晴らしい輸出品目が山ほどあったこともあり、維持したかった。
で、食糧供給地として日本に目をつけたのだけれど、日本人は黒てんなんか欲しがらない。なにしろ暖かいから、毛皮の需要が無いわけで。第一、鎖国してたし。

モンゴル地帯の騎馬民族は、一時期、ユーラシア大陸を牛耳ったけれど、火器の発達とともに落ちぶれていく。
中国にいいようにやられてしまって、ロシア寄りになる。
だからモンゴルは言語をキリル文字化したり、ソ連寄りの社会主義だったわけね。

それ以外にもいろいろ興味深い話があったけれど、忘れてしまった(涙)

1989年刊なのだけれど、今の世界を考えるうえで、非常に参考になると思う。良い本です。また読み直すかも。

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メインサイトではシベリア旅行記を公開中。
もっとも、モンゴル関連の地域についてはまだ準備中。今少しお待ちを。
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by foggykaoru | 2015-04-24 21:18 | 西洋以外の歴史 | Trackback | Comments(2)

父への恋文

副題は「新田次郎の娘に生まれて」
著者の藤原咲子は満州から命からがら逃げ延びてきた新田家の末娘。

栄養失調で育たないのではないかと危ぶまれていた娘のことを、父・新田次郎は慈しんで育てた。しかも自らの手で文章指導をして「お父さんがどうやって小説を書いていたのか、お前が書くのだよ」と語ったという。
気象庁勤務と作家稼業だけでも十分に忙しいのに。
愛情深いお父さんになる条件の一つは「身体が丈夫なこと」なんじゃないか
なあんて思ってしまいました。

しかも丈夫な人は長患いをしないで、バタンと死ねるわけで。羨ましい。
(新田次郎はまだまだ仕事をしたかったんだろうけど)

これを読んだあと、「小説に書けなかった自伝」を読んで、「もう新田家の話はいいかな」と思った次第。

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by foggykaoru | 2015-04-21 20:54 | 伝記・評伝 | Trackback | Comments(0)

小説に書けなかった自伝

新田次郎の自伝。
彼の子供たちの本を立て続けに読み、この本まで読んでしまった今、もう新田家の話はいいかなという気分(苦笑)

巻末の年譜を見ると、気象庁職員と兼業しながら、よくもまあこんなにたくさん書いたものだと驚嘆する。
ほんとうに勤勉で、かつ、身体が丈夫な人だったんだなと。(その体質を受けついだお蔭で、幼い子供たちも満州からの帰還を果たしたわけだ。)

この作品は60代に書かれたもの。
そのわりに書きぶりが「青い」。それは「若さ」やバイタリティーに通じる。
「老成」という言葉とは真逆。そこが彼の個性であり、魅力なのだろう。
そして、それは彼の妻にも共通しているような。

自伝それ自体よりも、年譜の後に収録された、藤原ていによる「我が夫」、藤原正彦による「我が父」が興味深かった。


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・・・今、ブログを見直したら、この本の前に読んだ本のことを書いてなかったことに気づきました。その本のことは後日。
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by foggykaoru | 2015-04-15 19:54 | 伝記・評伝 | Trackback | Comments(2)

わたしのウチには、なんにもない。

ゆるりまい著。
断捨離関連本の中でもかなり有名な本です。
ブック★フに本を売りに行って、40円を得て、この本を見つけて560円で買った。
差し引き520円の赤字。何やってるんだ私(苦笑)

マンガです。

彼女のブログは知っていました。
がらんとした部屋の写真を見て「ここまでしなくてもいいじゃん」と思ってました。

でも「なぜ捨てたい病を発症したか」という経緯がとても面白い。
そして汚屋敷とのショッキングな別れ。
なるほどと納得させられます。
わたし的には大ヒット。

依然として彼女の部屋には憧れませんが、まだもっともっと断捨離していいんだなという気分になってきました。

そういう意味で、この本は買ってよかったです。

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by foggykaoru | 2015-04-09 20:27 | マンガ | Trackback | Comments(2)

名著講義

藤原正彦がお茶の水女子大で担当していた「読書ゼミ」の再現本。
熱帯雨林のレビューで絶賛されているほどではなかったけれど、かなり面白く読めました。
こういう授業、受けてみたかったな。
と思いつつも、もしも私がお茶大の学生だったとしても、この授業は登録しなかっただろうとも思います。
人気があって抽選に当たらないと受けられない授業なんて、めんどくさがって最初から希望しない学生だったので。


ただ、現在の私にとっては、「日本はマスコミで喧伝されているような、恥ずかしい歴史を持った国ではなく、過去の日本や日本人にはいろいろ素晴らしいところがあった」ということは、別に目新しいことではない。

そういう目を最初に見開かせてくれたのは、1989年の夏、フランス短期留学。
タイの留学生と知り合ったのです。
ああ、自分はこっち側なんだと思った。
それまでは欧米がすべてにおいて日本に優れていると思い、欧米に自分を合わせなければならないような気がしていた。
でも、無理をしていたんだ。
タイの人と一緒にいるほうがずっと気持ちが楽だ。
彼らが王室を素直に尊敬していることに驚嘆し、うらやましく思った。
「戦前の日本人はこんなだったんじゃないか」
「戦争が日本と日本人の美風をぶち壊したのかも」

そうこうしているうちに、ラフカディオ・ハーンが日本の素晴らしさを見出して、深く愛した、というようなことをテレビドラマで知りました。(ハーン役はジョージ・チャキリスだったっけ)

そして、1996年(だったかな?)に行ったミャンマー。
ほれ込みました。
「タイの人々が戦前の日本人だとしたら、ここの人々はハーンが出会った江戸末期から明治初期の日本人なのかも」


話は戻って
藤原教授の課題図書のうち、読んだことがあるのはキャサリン・サンソムの「東京に暮す」のみ。
この本、なんとなく捨てがたくて、断捨離してません。
この際、読み直してみようかな。

あと、内村鑑三の「代表的日本人」と宮本常一という人の「忘れられた日本人」を読んでみたくなった。
それと「福翁自伝」ね。すごく面白そう。


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by foggykaoru | 2015-04-08 20:10 | 日本の歴史 | Trackback | Comments(0)

断捨離は世界のために

片づけを始めたら、山ほどの未使用切手が出てきました。
3千円分以上。
切手なんて年にせいぜい1回使うかどうか。額として多く見積もって200~300円分ぐらいしか使わないんだから、いくらなんでも多すぎでしょ。
それ以外に未使用のテレカ数枚、商品券数枚、クオカード1枚、ハガキ数枚・・・
今後全く使わないとは断言できないけれど(特に商品券はね)、普段存在すら忘れているのだから、まず使うことはないだろう。

これをどうするか?
切手は使うしかもないんだけど、ハガキのほうは確か郵便局にもっていけば、切手に交換してくれるんだったっけ? でも切手は要らないし。
と思って「未使用 ハガキ」で検索してみたら、こんなページが出てきました。

主催しているシャプニールという団体の所在地は早稲田奉仕園。
ここは何年か前、ARCの総会の会場として借りたことがあり、とても親しみがあります。
でも一応確認のために「シャプニール 評判」で検索。

とてもちゃんとした団体でした。
切手1000円分と残りすべてのものを送りました。
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by foggykaoru | 2015-04-06 20:07 | Trackback | Comments(4)